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第67回有馬記念 全頭解説&予想

久々にnoteを書きます。だらだら解説してみました。最後までぜひ読んでみてください。

・テーマ


豪華メンバーの競演。古馬の意地か、3歳馬の勢いか。

・ポイント


昨年同様、強い3歳馬と若干の不安を残した一級戦古馬の戦い。
このレースの特徴として外枠は圧倒的不利なデータがあり中→内→外の枠の順で有利。
全体のメンバーを見ると逃げ馬がタイトルホルダーのみで、昨年のようにパンサラッサがいないので楽逃げも可能か。先行有利そう。
注目の血統としてはスピードの持続力に長けたLyphardを挙げておく。
この血をクロスしている馬の有馬記念の成績は過去10年で(3-2-1-3/9)で信頼度高め。
G1馬7頭の豪華メンバーがどういったレースを見せるか楽しみである。

・全頭解説

1枠1番 アカイイト
脚質:追い込み 適性:B 調子:B

昨年のエリ女覇者。
今年のエリ女もよく差を詰めての4着に健闘した。
ただこの馬の場合は追い込み一辺倒でどうしても展開の助けが必要。
今回のメンバーではハイペースになることは考えずらいし、1番枠に入ったことで道中動くことも難しいだろう。
展開次第ではあるが今回は見送る。

1枠2番 イズジョーノキセキ
脚質:追い込み 適性:C 調子:B

重賞初挑戦の府中牝馬でソダシをはじめとした牝馬たちを一掃し初重賞制覇。
ただ前走のエリ女は惨敗だったことを見ても距離が2500mに伸びることはプラスには働かないだろう。
またアカイイトと同様に追い込み競馬になりそうで展開的にも向かなそう。
怖いのは岩田の父ちゃんでイン差しがはまった時だろうがこのメンバーでウチがあくとも思えないので...。

2枠3番 ボルドグフーシュ
脚質:追い込み 適性:B 調子:B+

前走菊花賞であわやのハナ差2着に健闘。
菊花賞馬アスクビクターモアは参戦してこなかったが、4コーナーで抜け出してからソラを使っていたところを強襲の形だったので勝ち馬とは着差以上の差があったと見る。
いい点としては前走より状態が上がっていそうであり、父スクリーンヒーローも当レースでの成績は悪くないこと。
しかし前2頭と同じで追い込み競馬になることは必須でスローペースになりそうなこのメンバーでは積極的には買いにくい。
福永先生の最後の有馬記念で応援したい気持ちはあるし、福永先生なら何とかしてきてもおかしくないので抑えるかどうかのライン。

2枠4番 アリストテレス
脚質:差し? 適性:B 調子:C

去年のAJCCを勝った時はこれからどんどん良くなってきそうな感があったがそこから大失速。
近走の成績も悪く、調教もちぐはぐ。
サンデーの3×4、Sadler's Wellsの4×4など気性的にも難しいのかも。
名手武豊ではあるが消し。

3枠5番 ジェラルディーナ
脚質:差し 適性:B 調子:B-

前走エリ女を快勝しG1初制覇。
何といってもポイントは母ジェンティルドンナだろう。引退レースとなった14年の有馬記念を制した母と母子連覇がかかる。
父はモーリスでこの馬の欠点として折り合いに不安があったことがあげられるが福永先生がじっくり教え込んだことで才能開花。
ただここ2戦の競馬は折り合いピッタリではあるが元来の折り合いの不安が再びの距離延長でどうなるかは未知数。
加えて前走のエリ女は外差し有利の馬場もドンピシャだった印象。
メイチだった前走の状態よりも状態は1段落ちていそうで枠で人気するみたいなので印は抑え程度の評価としたい。

3枠6番 ヴェラアズール
脚質:差し 適性:B 調子:B-

今年に入って芝で無双。前走のJCは剛腕ライアンムーアに導かれ見事にG1初制覇。
父エイシンフラッシュはこれといった代表産駒が出てこなかったがこの馬が初のG1馬となった。
基本的にエイシンフラッシュ産駒はパワーに寄った産駒が多く荒れた馬場が得意だが前走のJCを見る限りこの馬には当てはまらない。
"天才は例外である"という名言があるがこの馬の場合はまさにそうで一般的なエイシンフラッシュ産駒なら中山2500mをこなしても何ら不思議はない。
ただ天才であるがゆえに中山のような小回りパワー向きより東京の長い直線の持続力勝負の方が向くのかも。
若干オカルトが混ざったが別の解釈をすれば母父クロフネで母系にムードインディゴがいる血統なので母型のスピードがよく出ているともいえる。
前走がメイチであったことは間違いなく、調教師はJCくらいといってはいるが仕上がりは1段落ちると思う。
あとは器用に動けるタイプでもないので展開も向かない。
強いことは認めるが今回の条件に関しては向かないと思う。

4枠7番 エフフォーリア
脚質:差し 適性:B+ 調子:B?

昨年はこの馬中心で競馬界が回ったといっても過言ではない昨年の年度代表馬にして有馬記念勝ち馬。
しかし今年に入ってからは散々で大阪杯→宝塚記念と掲示板にすら乗っていない。
今秋は休養に徹し連覇がかかるこのレースに向けてしっかり調整してきた。
一部からは馬体が増えすぎていてウシと呼ばれているがそこまで馬体重も増えていないし背が伸びたとのコメントもあったので太いというよりは割と仕上がっているのだと思う。
相棒のタケシも春よりはいいとコメントがあるように春よりはしれれば馬券内に来ても全く不思議ない。
血統的にはエピファ×ハーツで小回り機動力勝負は疑問だが昨年の勝ち馬でもあるし昨年だけ走れればそこそこの着順になりそう。
人気も落ちるようで軽視禁物。

4枠8番 ウインマイティー
脚質:先行 適性:C 調子:B

マーメイドSを制したゴールドシップ産駒。
前走のエリ女は展開不向きで度外視していいが強調材料に欠ける。
先行力を武器にどこまで粘れるかだろうが古馬一線級の馬がそろったこのメンバーでは厳しいか。

5枠9番 イクイノックス
脚質:差し 適性:A 調子:A

クラシックには惜しくも手が届かなかったが前走の秋天で古馬を一掃。G1初制覇。
ダービー→秋天と東京の瞬発力勝負に対応しとんでもない末脚を披露したため東京向きと評価されているようだがなぜそうなるのか。
父キタサンブラックで母父キングヘイローのスピードと母母父トニービンの持続力で東京競馬場をこなしているだけで瞬発力勝負にならずとも能力は発揮できるだろう。
ポイントのところであげたLyphardも5*5×4でクロスしており血統的にも文句なし。
春先は馬体がまだしっかりとしていなかったらしく休養も多く追切も軽かったが今回はきっちり追って来ている。
あとは脚質だがルメールさんなので今回はそこそこ前目の位置につけて先行ぐらいのポジションになると思っている。
ベストな位置でベストな状態であれば負けることはないだろう。おまけに書いたデータも参考にどうぞ。

5枠10番 ジャスティンパレス
脚質:差し 適性:B 調子:B

神戸新聞杯を制して菊花賞に挑戦。3着に健闘した。
父ディープインパクトではあるが母系にスピード要素が薄く長距離戦に向くようなディープインパクト産駒といえるだろう。
状態は問題なさそうで追えると噂のマーカンドもよい。
血統面から菊花賞は重い印としたがここで問題なのは菊花賞のメンバーレベルである。
前述のボルドグフーシュのところでも書いたが勝ち馬はソラを使った分の着差つかずだしクラシックを盛り上げたイクイノックスなどダービー上位馬は軒並み不在。
レベル感はそこまでだったしこまだこれからの馬だと思うのでこのメンバーの有馬記念では軽視したい。

6枠11番 ラストドラフト
脚質:差し 適性:C 調子:B

3歳時に重賞制覇しているがそれ以降は勝ち星から遠ざかっている。
母マルセリーナは桜花賞馬で父にノヴェリストを配すと重い血統構成となるので東京の瞬発力勝負よりは中山2500mのような条件は向く。
ただ近走の成績を見ると実力不足の感は否めず。消す。

6枠12番 ポタジェ
脚質:先行 適性:C 調子:B-

今年の大阪杯を8番人気の評価を覆して優勝。
ただそれ以子は精彩を欠き掲示板外が続いている。
先行できそうで実力はそこそこあると思うが母ジンジャーパンチの血統を見ると瞬発力の方に寄ったディープインパクト産駒で中山2500mは長そう。
かつ状態もイマイチ上がってきている感じがなく買いにくい。

7枠13番 タイトルホルダー
脚質:逃げ 適性:A 調子:B

昨年のこのレースは5着に敗れたがそこから日経賞→春天→宝塚と無傷の3連勝で今年の主役に。
凱旋門賞は残念な競馬になったがまだ秋2戦目。
前述の去年の有馬記念は絶対逃げるパンサラッサがいて番手で競馬ができるような馬ではなかった3歳馬の幼い面が出たのと状態面が原因か。
今年は逃げ馬不在で枠がちょっと外すぎたがまず逃げるだろう。そうすると競りかけて来る馬もいないので展開的には向く。
血統的には母父Motivatorでスタミナ充分、Kingmambo系の種牡馬の成績が悪いといわれてはいるがこのレベルの馬がいなかっただけでコース適正的には問題ないだろう。
宝塚記念を番手で勝っているように気性面も成長し中山2500mもマイナスにはなるまい。
あとは状態面だけ。だが凱旋門賞帰りで軽めの調教ばかりなのが気になる。もうちょっとしっかり時計を出してほしかった。
この点だけマイナスであとは特にいうことなし。重い印を打つ。

7枠14番 ボッケリーニ
脚質:先行 適性:B 調子:B+

重賞2勝で堅実に走ってくる馬。前走のJCは狙っていたが大外枠と馬体減が響いたらしい。
そのJCの時より今回は状態がよさそうで体重も増やしてきているので今度こその感はある。
加えて血統的には全兄にG1を2勝しているラブリーデイがおり、内枠に入ればねらい目だと思っていたが...。外すぎ。
ただ後述するディープボンドもそうだが今回は先行勢が手薄な印象。
隣に逃げるであろうタイトルホルダーがいるので頑張ってついていけばそれなりのポジションが取れるかも。
浜中という男は基本的にダメな印象だが突然おおがけしダービーまで勝ってしまう男。
このメンバーでは数少ない前走より状態があがっている印象があるしなぜかインの番手に収まれるならわんちゃんあるかもしれない。紐に一考。

8枠15番 ブレークアップ
脚質:先行 適性:B 調子:B

前走アルゼンチン共和国杯を勝って重賞初制覇の勢いのままここへ。
先に言っておくとW杯はアルゼンチンが優勝したので、サイン馬券は間違いなくこれ。
まじめに血統の話をすると父は前述のノヴェリスト。ただこちらがラストドラフトと違うのは母父クロフネで母母父にはKingmanbo系の血を持つ。
これにより同じノヴェリストでもスピードが加わり芝でもそこそこ走れるようになる。
しかし前走を見てもスローの前残りを前でさばいたことが勝因でメンバーレベルも微妙。
この古馬一線級相手では厳しいか。枠も外すぎるので今回は消す。

8枠16番 ディープボンド
脚質:先行 適性:S 調子:S

昨年の有馬記念2着馬。今年も昨年同様に凱旋門賞帰り。
まず枠。なぜここに入ってしまったのか。内枠がよかったに決まっているが決まってしまった以上仕方ない。
前述のボッケリーニと同じくポジションは取れれば取れるだけいいタイプでこの枠は不運としか言いようがないが今年のリーディングをほぼ手中に収めている川田さんに期待する。
血統的には去年の2着もあるようにドンピシャ。注目血統のLyphardも5×4でクロスしていて非根幹距離に向く。
また状態はいうことなし。調教師も過去最高のデキと評しているように海外帰りを感じさせないよい動き。
まだいうが本当に枠。いたたまれないので過去の傾向を調べてみた。
大外枠は過去10年1頭も馬券に絡んでいない。デス枠と呼ぶべきか。
ただ、その過去10年は3番人気以内になった馬もおらず(外枠だから人気しなかったのはある。)情状酌量の余地があるとする。
すると人気薄で好走したのは2015年12番人気で4着した蛯名現調教師が騎乗したマリアライト。
この時はキタサンブラックが逃げて鬼のスローペース。我慢できなかったウチパクさん騎乗のゴールドシップが3角で捲っていく展開。
ただ時すでに遅くそのまま前で受けたゴールドアクターの優勝だった。
今回はそれを再現してほしい。というかできるかもしれない。
スローペースは濃厚で後ろから我慢できない馬が早めに仕掛けてきた場合、ディープボンドのキレないけど長い末脚が大いに生きるだろう。
勝たなくていいので大外枠を克服し2,3着に来る展開ならあり得るはず。人気もないし重い印を。

・結論


3歳馬が強い。というよりイクイノックスは強い。自信あり。
◎9 イクイノックス
〇16 ディープボンド
▲13 タイトルホルダー
△5,7,14(3)

・おまけ
去年も出したデータだが更新されたので再掲。
過去20年、3歳馬が天皇賞秋かジャパンカップを制した年とその年の有馬記念の勝ち馬を見てみる。

2002 秋天 シンボリクリスエス →有馬記念 3歳 シンボリクリスエス
2010 JC     ローズキングダム  →有馬記念 3歳 ヴィクトワールピサ
2012 JC    ジェンティルドンナ →有馬記念 3歳 ゴールドシップ
2018 JC   アーモンドアイ   →有馬記念 3歳 ブラストワンピース
2021 秋天 エフフォーリア   →有馬記念 3歳 エフフォーリア
2022 秋天 イクイノックス   →有馬記念 ???

天皇賞秋orジャパンカップを3歳馬が勝った年は5連続3歳馬が有馬記念を制す。

今年の該当馬はボルドグフーシュ、イクイノックス、ジャスティンパレス。さあどうなるか。


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