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記憶と余白
川口市出身の自称読書家 川口竜也です!
最近本を読んでいると、昔を思い出すことが多い。
これでもまだナウなヤングなため昔を懐かしむ年頃ではないとは思うが、物語に触れると昔の記憶が呼び起こされる時がある。
どうしてだろうか。
余白
これが思い出を引き起こす空白なのかもしれない。
余白は自分の考えや要約をまとめる場所としての空白でもあり、自分の記憶を呼び戻す空間でもある。
行の間に
頁の間に
章の間に
自分の考える時間がある。
物語の情景や登場人物像を思い浮かべるなかで、自然と過去の思い出も引き起こされるのだろうか。
恩田陸さんの「蜜蜂と遠雷」を読んだ時は、幼なじみのピアノコンクールを聴きに行ったことを思い出した。
もっとも小学生くらいの頃だから、何を演奏したとか、どんなドレスだったかとかは忘れてしまったが、舞台に立つ時のお洒落な髪型はよく覚えている。
有川浩さんの「阪急電車」を読んだ時は車窓から見た火災を思い出したのと同時に、京都行の新幹線で隣に座っていたお姉様を思い出した。
東京から京都へ向かう途中、荷物を上に置きましょうかと声を掛けたところから仲良くなった。月九ドラマのような人生を歩んでいたため未だに印象深く残っている。
本を読む、記憶を呼び戻す。
だとしたら、歳を重ねるほど読書の愉しみが増えていくだろう。
10年後、20年後。晩年は何を思い、本を読むのだろうか…。それではまた次回!
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