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速読だから偉いわけではないのだが…
川口市出身の自称読書家 川口竜也です!
読書会を主催しているからにはさぞ本を読んでいるのだろうと、時折「1月にどれぐらいの本を読みますか」と質問されることがある。
この質問は、本を読まない人から聞かれる「おすすめの本は何?」の次に苦手である。なぜかって、私の読書量に対して挑戦された気分になるからです。
回答はいつも「月10冊を目標にしています」と答えます。実際、10冊読める月もあれば、7,8冊止まりの月もある。
30分50頁がアベレージの私からしたら、まあそれでもそれなりの冊数は読んでいるかなぁとは自負している。
だが、時折月に何十冊、多い人では年間1,000冊以上(月に80〜100冊)読破していると語る方もいらっしゃる。
どんな本を選んでいるかにもよるが、流石に真似できない。なんかマウント取られた気がして凹む。
世の中には、「速読術」を書く本があれば、「速読教室」という本を速く、そしてしっかりと内容を覚える術を教える方もいらっしゃる。一時期、教室に行かないまでも、速読できるようになりたいと、数冊か読んだことがある。
どの本だったか忘れたが、本の位置は固定で、目の位置だけを右から左へシフトしていくことにより、平素の数倍も速く読むことができるなんてことが書いてあり、一時期は真似したものだった(方法だけは覚えている)。古い本だったから、今はもっと画期的な方法もあるかもしれないが。
ただ、結局のところ、速読は身に付けなくてもいいかなぁという結論に落ち着いた。
急いで読んでいるという印象が強く残り、楽しむための読書を感じられなくなったからである。
数を追うために本を読んでいるわけじゃないのだから、急ぐ必要はあるまいと自己完結した。
それに、時折自然と速読ができる時がある。以前ルース・ベネディクトの「菊と刀」講談社を紐解いた頃、最初は行間の狭さに苦戦したものの、徐々に自分にとって必要な文章が見つけられるようになった。
読むべきところ、読まなくてもいいところが、自然と掴めるようになったのである。
それはもしかしたら、自分にとって都合のいいところだけを読み取ろうとしているだけかもしれないが、それでもものの1週間くらいで読み切ったのは、割と早いペースであったと思う。
結局のところ、速く読みたければ、何冊も本を読まなければならない。それだけは確かである。読み続けているうちに、自然と自分にとって心地の良いペースが出来上がる。速く読めないならば、長く読めばいい。
細切れの時間を有意義に使うのが美徳の現代社会において、速読は素晴らしいスキルかもしれないが、それだけで読書家か否かを計る指標にはならないであろう。本が好きだと言うならば、誰しもが読書家と語って良いではないか。
だが、やはり月に10冊程度では、読書家には程遠いのだろうなと、私の自己紹介から"自称"がなくなるのは、いつになることやら。それではまた次回!
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