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言葉をニュアンスを鮮明にする

川口市出身の自称読書家 川口竜也です!

往復の通勤電車でよく見かける、日能研の額面広告「シカクいアタマをマルくする」。あれを見る度に、つい考えてしまう。

6月掲載文は、普連土学園中学校の入試問題から『接頭語』『接尾語』にまつわる出題。

日本語には、単語の前や後にことばを加えることで、ニュアンスや状態を詳しく説明できる「接頭語」「接尾語」というものがあります。
【「わずかに、少しだけ」の意味を加える】
「こ」+「むずかしい」=「小難しい」

日能研 2024年06月掲載より

眺めていて、なるほど、言われてみれば、無意識の内に使っていたなと思った次第。

出題例でいうと、「並でない」の意味を加える『ず(図太い)』、「本当の」の意味を加える『ま(真心)』などが挙げられる。

これらの言葉は、普段何気なく使っている言葉ではあり、だからこそ、意味を深く考えずに使ってしまうこともある。

言葉をより鮮明に、分かりやすく伝えるために、様々な文法や伝え方があるのだと。

以前、菅野仁さんの「友だち幻想」筑摩書房を読んだときだったか、若者言葉を引き合いに、しっかりしたコミュニケーションが難しくなっている的な点を示唆しいていた。

相手の会話に対して、「マジで」とか「ヤバくね」とかで返答してしまう。最近だとそれすら省略して「ま?」とかもあるらしいが。

それらの言葉は会話を円滑にしているようではある。反射的に言葉を返すことはできるのは、お互いに共感しあっているようにも思える。

しかし、「ヤバい」や「マジで」だけで、自分たちの気持ちを伝え合うのは、土台無理な話である。

何にでも「ヤバい」と返してしまうことこそ、「ヤバい」のである(これでは私の意図を、全て伝えることができないように)。

それが相手とコミュニケーションを取りにくくなっている、引いては、友だちを作ることの難しさにつながっているのだと言う。

話が飛躍してしまったが、それと同じように、言葉には一つひとつ意味がある。

流石に、日常生活で「図太い」とか「どん底」とかを使う機会はない少ないにせよ、noteのような並べられた言葉だけで想いを伝えるのならば、知っておいて損はない。

もちろん、正しい言葉使いだからと言って、自分の想いが全て伝えられるわけではないし、相手の言葉を理解できる訳でもない。

これまた先日読んだ鯨庭さんの「言葉の獣」リイド社のように、言葉は、常に辞書通りの意味で使われるわけではないのだ。

だとしても、自分の想いを「ヤバい」や「スゴい」だけで伝えるよりも、たどたどしくも、自分の言葉で伝えたい。

心に届く言葉を紡ぐのならば、なおさらだろう。

またひとつ、四角い頭が多少丸くなった気がする。それではまた次回!

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川口 竜也 / 川口市出身の自称読書家
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