2019年5月14日20通目
前回の手紙を送ってから、約1ヶ月後の4月17日、速達にて返信が来た。
毎回返信が遅いとはいうものの、1ヶ月も音沙汰がなかったこともあり、土屋さんの方からもう便りを送ってくることは無いだろうと予想していた矢先に届いた。
いつもの長3の茶封筒。郵便番号7桁の上部に赤い字で「速達」と書かれてあった。わざわざ速達で郵送してきた理由は何だろうと不思議に思いながら、封を開けた。同封されていたのは一枚の便箋のみであった。
手紙の一文目には「良心を傷つけて申し訳ない」という旨の謝罪文が書かれていた。私が転送した元職場の元上司の言葉を読んで、過去の出来事を思い出し、こみ上げる感情をつい手紙にぶつけてしまったとのことだ。
その後に続けて、新たに弁護人が決まったことを知らせる内容も。国選弁護人の名前や事務所の所在地等の情報が書かれていた。
最後は、やはり私の体調を気遣う一文で締められている。A4用紙の左下に貼られていた青色のチューリップのシールが、お詫びの言葉を彩るかのようだった。
私はどういうことか、すぐに返事を書く気になれなかった。手紙が来たことへの安堵なのか、それとも、なぜ手紙交換をし続けるのかという自分への問いなのか、原因が何なのかは判らないが、とにかくペンを執ることが重い。なぜか便箋を机上に広げる気になれなかった。
そのままゴールデンウイークを迎え、10連休を忙しく過ごし、日常に戻った頃には手紙を受け取ってから1ヶ月が経とうとしていた。
私もさすがにペンを執り、返信が遅れたことへのお詫びと、休暇中の出来事を綴った。
2019年5月14日土屋和也さまへ20通目
こんにちは。こちらこそ随分と返信が遅れてしまい、申し訳ありません。
ゴールデンウイークが終わり、こちら沖縄は気まぐれな天気が続くものの、晴れの日はすっかり夏日のようです。
さて、先日はご返信を頂き、ありがとうございました。まだ土屋さんの事件についての理解が不十分にも関わらず、解ったような言動を早まってしまったことに、深く反省をしておりました。もう土屋さんから手紙をくださることは無いかと思っていたので、返信を頂くことができて良かったです。
ご存知の通り、取り留めのない話しかできない私ですが、気が向いた時にでもご返信頂ければと存じます。
話は変わり、今回のゴールデンウイークですが、前半は車の免許を取るために教習所に通ったり、沖縄の戦跡をめぐるツアーに参加したりしていました。
後半は、台湾に旅行へ。台湾はいま素食ブームだそうで、素食レストランを巡る旅をしました。私は菜食・玄米中心の食事を5年ほど続けていて、普段の献立に新しいメニューを取り入れたかったので、その様子見です。そんな感じで、あっとゆう間の10日間でした。
次の東京は7月後半を予定しています。日程が決まり次第、お知らせ致しますね。それまで体調管理にはくれぐれもお気を付けください。
2019/05/14 河内千鶴
ひとりごと
2018年の始めに手紙での交流を始めて、気づけば先の手紙が20通目となった。沖縄という地に引っ越して以降も、手紙のやり取りは続いている。
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