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ドローン飛行許可申請~包括申請にDJI NEOを追加~

DJI NEOは100g以上の機体につき、航空法の適用対象です。屋外でFPV飛行(目視外飛行)を行いたいため、AVATA2の時と同様に飛行許可申請(包括申請)の手続きを行いました。
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1.DJI NEOの飛行方法(屋外)

 どのようなドローンでも屋内で飛行する場合は何も問題ないですが、NEOを屋外で飛行する場合、100g以上の機体なので航空法が適用されます。NEOの飛行方法として、どのようなケースがあるかを考えました。

ドローンの飛行ルール(カテゴリーⅠ)

カテゴリーⅠの条件内で飛行する分には、機体登録を行い、機体に登録番号を掲示して飛行すれば何も問題ないですが、特定飛行を行う場合は、飛行条件に合わせた飛行許可申請が更に必要となります。よって、ゴーグルを付けてFPV飛行をするのであれば申請は必要です。

ドローンの特定飛行(国交省HPより)

NEOの飛行方法について、以下(1)~(4)のケースに整理しました。

(1)フライモアコンボ付属の送信機(RC-N3)で操縦

 ①飛行中の機体を目視して飛行する「目視内飛行」での操縦
 ②機体を見ず、送信機に接続したスマホアプリのカメラ画像を見て操縦する「目視外飛行
※Mini4 PROやAir3付属の送信機であるRC2やRC-N2で飛行させる場合は、こちらに相当します

(2)AVATA2付属のゴーグルと送信機を使用して操縦

 ①Googles3とFPV送信機3で飛行させるFPV飛行は「目視外飛行
 ②Googles3とRC Motion3で飛行させるFPV飛行は「目視外飛行

(3)スマホアプリで操縦

 ①機体を目視してアプリで手動操縦「目視内飛行
 ②アプリのカメラ画面を見ながら手動操縦「目視外飛行

(4)送信機無しでの飛行

 機体単体での自動飛行での操縦者(被写体)の状態
 ①機体のカメラに向かっている場合「目視内飛行
 ②機体に後ろから追跡されている状態「目視外飛行

  • カテゴリーⅠ飛行は上記の(1)①、(3)①、(4)①※です。それ以外の方法は特定飛行に該当するため、飛行許可が必要です。

※日本の航空法的に、(4)送信機無しの飛行のうち、特定飛行に該当する飛行方法は非常時に操作介入ができないのでNGのようです。飛行方法・飛行場所を良く考える必要がある機能です。(例:フォーカストラックで後ろから追いかけてくるのは、機体を見ていないので目視外飛行)

DJI公式サイトのNeoのページ一番下にある注記にも書かれています。

航空法についての注記(DJIサイトより引用)

上記(1)~(3)のケースを網羅するには、特定飛行(目視外飛行)に関する飛行許可申請が必要となってきます。(4)②はそもそも特定飛行は不可です。
また、夜間や住宅密集地などで飛行するのであれば、いずれのケースも申請が必要です。

今回の記事では(1)~(3)をすべて満たす内容で、既存の包括申請の内容に対して機種追加で手続きをする場合となります。私の場合、独自マニュアルで包括申請(DID・夜間・目視外・30m・危険物・物件投下)をしていますので、その内容は別記事を参照ください。

2.AVATA2の申請を参考に飛行許可申請

 以前の記事で紹介しましたAVATA2の追加申請を参考に、NEOについても手続きを進めていきます。

飛行許可申請は、操縦者がどのような飛行を行うのかによって申請内容が変わります。例えば夜間飛行は行わないのであれば灯火は無しとすれば良いですし、FPV飛行をやらないのであればゴーグルに関する記載は不要です。

本記事で紹介する内容は、あくまでも筆者の要望を申請内容としたものです。今後申請を検討している方の参考程度にお読みいただけたら幸いです。

また、申請時に添付する飛行マニュアルは以前の記事に書いた通り、国交省の標準マニュアルではなく独自マニュアルを使用しています。標準マニュアルでは風速5m/s以上の場合は飛行させない内容になっていますが、独自マニュアルでは各機体の耐風性能を考慮した条件に変更したものです。

3.AVATA2との違い

 NEOの飛行許可申請(包括申請)を手続きするにあたって、今回申請する内容とAVATA2との相違点は以下についてです。

・AVATA2で使用しているGoogles3、RC Motion3、FPV送信機でFPV飛行を行う点に加えて、フライモアコンボに付属のRC-N3による操縦時も考慮

・スマホアプリでの操縦を考慮

・機体のカメラを通して飛行状況を確認できる点(目視外飛行)について、ゴーグルを使用したFPV飛行時、RC-N3での操縦時、スマホアプリ操縦時のそれぞれのケースを考慮

また、AVATA2と同様に包括申請の内容を他の機種と揃えるため、灯火装置を装着して夜間飛行可としました。

4.DIPSの手続きを進める

 基本的な流れはAVATA2の時と同様で、今回も既存の包括申請の変更申請として、機体追加の手続きを行っていきます。すでに機体登録が完了している状態からスタートします。(説明上、以下注意点に絞り、その他の項目は一部省略しています)

準備(飛行許可承認申請の機体と操縦者を追加)

(1)機体登録の編集

 無人航空機情報の登録を行っただけでは包括申請に必要な項目が不足しているので、編集から追加情報を入力します。基本はAVATA2の申請に準じますが、今回スマホの操縦も含むように申請しました。

④X.操縦装置に関する情報

・1.操縦装置名称は、あらゆる操作方法をカバーするために「ゴーグル、モーションコントローラー、FPV送信機、専用送信機、携帯電話アプリ」と記載し、写真もそのように用意

操縦装置に関する記入例
添付写真(1枚に合成して提出)

⑤X.機体の運用限界に関する情報
・機体のスペックを記入します。マニュアルには記載がなく、DJIサイトへの誘導となっていますので、そちらから転記します。

スペックの入力

DJI公式サイトのスペックシートに従い、以下の通り入力
1.最高速度:56.7km/h (秒速/m表記から時速/kmに変換)
2.最高到達高度:2,000m
3.電波到達距離:6,000m
4.飛行可能風速:8m/s以下
5.最大積載可能重量:取扱説明等に記載は有りませんにチェック
6.最大使用可能時間:18分

DJI NEOのマニュアルを添付

⑧飛行させる方法
 モードは可変とし、フライモアコンボに付属のRC-N3による飛行、FPV飛行時のゴーグル+モーションコントローラー/FPV送信機、スマホアプリによる操作のケースを網羅させるように記載。送信機に関するマニュアルはAVATA2のマニュアルから該当ページに編集(P.23,24,61-80)して添付。(RC-N3、アプリの操作方法は機体のマニュアルに記載あり)

登録完了

(2)飛行許可・承認申請の変更

 飛行許可・承認メインメニューの「申請書の作成」で、変更申請から手続きをします。一覧画面が表示されるので、申請書の[変更]ボタンを押して変更申請書の作成を行います。

(3)変更申請書の作成(飛行概要)

飛行概要の申請事由は「機体情報」にチェックを入れます

(4)変更申請書の作成(機体・操縦者概要)

機体・操縦者概要

①機体選択
プルダウンでDJI Neoを選択し、機体追加をします

機体選択

②機体追加基準の設定
DJI Neoの行の右端のほうにある[追加基準]から、必要な事項を入力していきます。

追加基準


③機体追加基準適合入力
 追加基準適合の入力を行います。AVATA2の時と同様に入力を進めます。

・3. 無人航空機の姿勢~の項目
 AVATA2の時と同様に、夜間に対応するためにLEDの灯火を装着した状態の写真を添付します。

灯火に関する事項
灯火装置を付けた写真を提出

操縦者選択

操縦者選択

既存の申請内容には、操縦者の機体情報にNeoが含まれていないので、一度削除します。

いったん削除する

削除した後、操縦者追加で操縦者を追加します。

機体情報にNeoが含まれていることを確認

(5)その他詳細入力画面

・保険内容等、変更がある場合は修正します。

その他詳細入力画面

今回の変更理由を申請概要に記入します。

変更申請の申請概要

添付ファイルの追加
 DJI Neoのマニュアルには、仕様に関する事項はサイトのアドレスが書かれているだけなので、サイトの該当ページをPDFにして添付ファイルとして提出しました。

スペックシートを追加

(6)内容確認

最後に申請内容の確認です。

内容確認画面

確認後、チェックボックスにチェックを入れ、[申請する]で申請完了。

内容確認チェックをして、申請するを押せば完了

5.あとがき

 申請にあたっては、ご自身で国交省の資料等を充分読んでルールを理解いただき、自分の用意した機材や飛行したい方法に合わせて内容を考え、必要な手続きを進めてください。

ご紹介した内容はあくまでも私の場合のケースであり、2024年9月申請時の状況です。法律等が変更になった際などは、都度考慮ください。

**ご参考**

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