小学1年生の途中から親兄弟とバラバラに離ればなれのまま大人になった。

今までほとんど人に言うたことないけど

小学1年生のある日、突然。それまでは父ちゃん母ちゃん、僕、弟、妹、家族5人で仲良く暮らしてた。

あんまり覚えてないけど、お金に不自由はしてなかった。ええ車あって、ええ服着て、おとんの教育方針でヴァイオリン習ってピアノ習ってスイミング習って油絵習って英会話ならって毎日習い事でいわゆる英才教育ってやつを受けてた。小学校上がる前にはかけ算の九九は覚えて、初学二年生くらいの勉強はできてた。#スタートダッシュはすごい#その効果は今は跡形も無い

おとんはある意味ぶっ飛んでて、それもそのばず

おとんは死ぬほど貧乏な家で育った。死ぬほどってのがオーバーじゃなくておとんは6人兄弟の末っ子やねんけど、兄弟の1人は赤ちゃんの時に栄養失調で亡くなったらしい。毎日命を懸けた兄弟喧嘩してたらしい。想像を絶する。

おとんの親父は村の変わり者で、ひょうきんやけど大酒呑みで酒の飲み過ぎで吐血して亡くなったらしい。酔うと暴れて大変だったらしい。四万十川の河口付近のど田舎の村。舟のイカリを振り回して暴れてたらしい。ある日おとんはイカリで鼻を折られて、でも病気行くお金無いから葉っぱを乗せて治したらしい。どんな世界やねん。

僕の生い立ちを書いてみようと書き始めたけど、おとんを説明しないと伝わらさそうだから、簡単におとんの説明をさせてもらってます。嘘みたいな話もう少し続きます。

そんなおとんを救ってくれたのは、家の隣にあった天理教の教会だったそう。そりゃ神頼みになるよ。隣の教会の会長さんがほんまにええ人やったみたい。

ほんで四国の端っこの田舎を中卒で飛び出して京都へ。働きながら夜間高校。石屋で働いて腰と背骨骨折。故郷の四万十川でウナギの稚魚を夜通しで獲って売って治療費を稼いで病院へ。背中の3分の1くらい切開する大手術。1年寝たきり。その後、ミシンの営業で大儲け、なんやかやで社長。

でもその間ずーーっと、熱心な天理教の信者で、世界を平和にするには天理教しかない！と本気で思ってたらしい。そらね、おとんを苦しいときに救ってくれたが天理教やもん。僕は教えの内容は詳しく知らないけど、天理教の人は親切な人ばっかりやから好き。

おとんは本気で世界を全ての人が幸せな世界にしたかった。自分みたいなつらい思いをする人間を無くしたかったんやと思う。

あ、らしいとか思うとかが多くて、断言できひんのは、おれのおとん、おれが30歳の時に死んじゃったから。もう確認のしようがないのよね。

あの世で話したいことありすぎる。自分も父親になって、思うことたくさんある。もっとおとんに甘えたかったしありがとうって言いたかった。会いたい。めちゃめちゃ会いたい。おとんのあほ！なに死んどんねん！俺のかわいい娘を抱っこしてほしかったわ。

話しあっち行ってこっち行ってすみません。

本気で世界中の人が幸せに暮らせる世界を作るために熱心に天理教を布教する中、おかんと出会って俺が生まれておとんの筋書きが変わる。

世界中の人が幸せに暮らせる世界をつくる方法を考案したおとん。

その方法は、息子を小学校卒業の歳で大学卒業同等の教育を完了するくらいの頭脳も優れた芸術も優れた運動能力も優れた超優秀な子に育てる。その超優秀な息子がさらに超超超優秀な子を育てて、その優秀な孫達の代で世界をひっくり返す。というもの。

おとんかっこええよ！みんなが笑おうと俺はかっこええと思うぜ！まだ期待に応えることを諦めちゃいないぜ！

ところが、ある日、おとんに革命がおきました。

ヤマギシズムと出会いです。

ヤマギシズムとは簡単に言うと故山岸巳代蔵氏の思想に共感した人たちでつくられたコミュニティです。気になる方はググってみて。幸福会ヤマギシ会ってWikipediaにも出てます。

主旨や実態はさておきおとんは、

世界中の人を幸せにするにはこれが1番近道だ！！！となったらしいです。当時、ものすごい勢いで拡大していたヤマギシを目の当たりにして、ここには同志がたくさんいる！と感動したらしいです。

しかし、

ここからちょいとダークな話になりんす。

しかし今のあっしは幸せなんで心配ご無用でやんす。

僕が小学一年生の時、この団体に入会して家族はバラバラに。父ちゃんとも母ちゃんとも会えない。弟、妹とも会えない。本当に寂しかった。

それまで家族仲良く暮らしてたのに、急に会えない。辛すぎて辛さを直視できずになんとか取り繕ってたなぁ。

子どもだけが暮らす施設というか寮みたいなところで子どもばかりの集団生活。みんな親や兄弟と離れて寂しくて辛いんやけど、だからこそ、仲間みたいな絆はあって、それはそれでどちゃくそ楽しい時間もたくさんあった。

子ども40人くらいに対して世話係と呼ばれる暴力的な大人が2人くらいの割り合いで生活するんやけど、まーこの世話係が、あれでしたね。

いくつか例を紹介しますね。

①朝、口笛吹いたら学校行かしてもらえず廊下で丸一日壁に向かって正座。

これはいまだに理解できへんなぁ。理解できなさすぎて笑える。

②宿題ノートの小さな落書き見つかってサッカーボールみたいに蹴りまくられる。

こわいおじさんに廊下の端から端までボールみたいに蹴り転がされた。蹴り転がされるという貴重な体験ができました。

③掃除中に遊んでたら竹ぼうきでお尻が紫色に腫れあがるまで叩かれたなあ。

一緒に叩かれたヤツらの紫のお尻みて笑いあったな。お前ケツめっちゃムラサキやん！いやお前の方がムラサキや！仲間がいて良かったぁ。

④頭を壁に叩きつけられるなんてしょっちゅうだった。

ちょっとしたことでよくされるやつ。これとあと、怒られてる子ども同士の頭と頭をガツンとぶつけられるのもよくされたな。あれは得意ワザやな。

⑤個別研。ささいなおふざけで、何日も小部屋に閉じこめられて正座させられたりしてました。

食事も1人、トイレの時だけ出れる。あとは基本正座。孤独と足の痺れとの戦い。反省してますの顔を上手くするのが脱出の鍵。

おおおぉ、いまなんか久しぶりに思い出して、あらためて文字にすると、、、、、なかなかバイオレンスでやんす。

怖いけど、この当時みんなで世話係をどうやって殺すかという話をよくしてたなぁ。

まだまだ親に甘えたい子ども時代にこの環境は、心の奥深くに傷ができた。

小学校は通えてたけど、めちゃめちゃ浮いてた。そりゃね、真冬でも強制半ズボン。おさがりのボロボロの服。お坊さんくらいの坊主頭。放課後や休日にヤマギシ以外の友達と遊ぶの禁止。テレビやゲームやマンガも禁止。

それは中学時代も続いて

夢も希望もなかった。

それどころじゃなかった。

今思うとかなり洗脳されてたな。

いつのまにか、両親は離婚してた。

離婚の報告は他人からだったな。

いつのまにか、弟は大きくなってた。

おとんとおかんが理解できなかった。

おとんとおかんは俺を理解できなかった。

家族なのに、お互いを想ってるのに、他人みたいになってた。

心の奥底には小学1年生の自分が親に愛されたくてうずくまってる。

そんな感じ。

誰だってそれぞれ辛いことあるのは分かってる。俺はこんな感じだったよ。

そんなおかげで、愛する嫁ちゃんと愛する子ども2人と（犬と猫も）一緒に暮らせてることの歓びはとてつもない。こないして伏線回収できるものなのね。ありがとうマイストーリー。

使いまわされた言葉やけどボクも言いますね。

今が幸せなら過去の辛かったこともぜーーーーーんぶ感謝できるよね。どこか１つでも抜けてたら今の自分は存在しないからね。

本当のこと言うと、思い出すとまだ胸がムーンと言葉にならへんけど、まだ心の奥にきっとなんかあるから純度100%ではないんだな。でもそれはこれからのお楽しみに。

僕もあなたもたくさんの幸せに気づきますように。