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一不動寺さんでお正月助勤奉仕をした話

【令和7(2025)年2月8日加筆版】

ごきげんよう。
年末年始に社寺奉仕や諸勤務をされました皆さま、おつかれさまでございました🙇

今回は、ご縁あって一寺でお正月助勤奉仕(短期アルバイト)をした時の感想話などをしようと思います。

また、こちらのお話は
私が一神社、一宗派一寺にて、
年末年始のご奉仕(お手伝い)を経験した視点からのお話となりますので、全ての神社・寺院に通じるお話ではありません。
この点をご注意の上、お読みくださると幸いです!

また、仏教についての知識は乏しいため、
文言など失礼がある事と存じますので、
お先にお詫び申し上げます🙇

ことのはじまり話

長年、年末年始等に一神社さんにて助勤奉仕(お手伝い)をしておりましたが、諸事情でお下がりしたため、その年の年末はのんびりしながら新年を迎えようかと思っておりましたが、長きに渡り年末年始は忙しく過ごしていたので、急に予定がなくなってしまうとなんだか落ち着かなかったので、新たに助勤奉仕できる所を探してみることにしました💡

通える範囲内の神社さん公式サイトの公募を一通り探しましたが、どちらも応募資格外でしたので、残念ですがこちらは断念…(^^;)
考えを切り替えて、寺院さんはどうなのだろう?と思い探してみることにしました。

寺院さんにてご奉仕するのなら、菩提寺で御縁がある不動明王様のお膝元でと思い、厄年などの御護摩祈祷でお世話になっている寺院さんでご奉仕できれば…と思ったのですが、応募資格は大学生までだったので諦め、他をお探ししたところ、近場にある天台宗不動寺さんが公募されているのを知りました👀!!

応募資格は大学生以上となっておりましたので、早速お問い合わせのお電話をしてみますと、大丈夫とのことで面接していただける運びとなりました🙌

久方ぶりに面接時に必要となる履歴書を求めに行くと、数種類の履歴書があったので悩んみましたが、アルバイト専用の履歴書があったので購入しました。

【余談話】
神道系大学に在籍していた当時は、学内特定掲示板に全国各神社の年末年始助勤奉仕募集の貼り紙が出されていて、受付している課の窓口を通してお申し込みをしていたので履歴書は不要でした。現在では大学の学生専用ウェブサイト経由での募集へと移行したとのことで時代の流れを感じます。
ちなみに、神社への奉職就職活動の面接時にお渡しする履歴書は、大学指定の専用履歴書(学内生協でのみ販売)でお書きします。

面接へ

事前に寺院公式サイトを拝見するなどして最低限の基礎知識をお勉強いたしまして、面接当日を迎えました(事前に参拝したかったのですが、疫禍中のご時世なので…)

山門をくぐり、丘的お山と階段をあがりまして本堂に到着。
御本尊に御挨拶後、書院を目指しますが、それらしい建物は見当たらず…(方向音痴…)

探してウロウロしておりましたが、お約束の時間が迫っていたので一旦本堂へと戻り、どうしてよいのかわからずお電話しますが繋がらないため、本堂内で作業をされていた職員さんにお声を掛けますと「どうぞお入りください」と中へとご案内されまして、奥にあるお部屋でそのまま面接となりました(ご案内くださった方が住職さんでした😅💦)

【余談話】
神社さんでは、社務所しゃむしょで面接となることが多いので、こちらの寺院さんも書院で面接するのだろうと思っておりました💦思い込みはよくないですね…💦あとになって、住職さんに面接場所の確認をしておけばよかったと反省…(^^;) 確認したら、寺務所じむしょは本堂内奥にございました。

おかげさまで採用と相成りまして、授与所じゅよじょ(受付)でのご奉仕が決定となり、住職さんより諸事の説明を受け、日数分のマスク(他着用可)・検査キットを頂きまして少々の雑談後、あとは当日来てくださいということで面接終了となりました。

面接後、改めて御本尊に年始奉仕の旨の御挨拶後、境内におまつりされておる神仏へ同御挨拶の御礼拝を致しながら下見散策。想像以上に広大な境内でした。

募集内容の話

こちらの不動寺さんでは高校生以上の募集で、今回は特にコロナ禍特別対応をされたようで、奉仕日程も細かく分けて正月間は前年と比べて多めの人数の募集がなされておりました。

住職さんのお話によると、大本山からの通達など踏まえた上で更に万全な対策に講じたとおっしゃられておりましたので、大変ご心労多かったこととお察し致し、熟慮を重ねた上でしっかりとした対応をされているなあという印象を受けました。

また、勤務時の服装についてお聞きしたところ、派手でなければなんでもOK!と大らかな感じだったので驚いてしまいました!😲

神社さんの場合、助勤奉仕者アルバイトへ身だしなみに関して厳しく指定するところは大半で、基本的には、派手な化粧・香水・茶髪・男性は長髪・パーマ、その他にもアクセサリー・マニキュア・ペディキュア等は禁止。服装については、肌着は主に白色指定、ジーンズ(デニム)・ジャージ・スウェットは禁止。女性奉仕者は巫女装束を着ることが多く、長髪はゴムでひとつしばりで前髪はピン留めするよう指導している所が多いと思います。

私も大学でこのような指導を受けてご奉仕しており、以上のことが宗教法人でご奉仕する上での常識だと思っていたので、住職さんの大らかなご対応に驚いた次第でございます(^_^;)

【余談話】
助勤奉仕先神社さんから一男子学生の奉仕態度について、度を越した迷惑行為があったと苦情報告を受けた大学側が、該当学生に対して停学処分を出した事例や、当日ド派手な格好で来たため、その場で帰らされたという事例のお話もお聞きしております。

神社さんでも高校生から募集されているところはございますが、
私が年末年始に長年ご奉仕していた神社さんでは、神道系大学生のみで大学経由で募集されているので、お正月奉仕は神道系大学生としかご一緒したことがなく、助勤者人数は、元日10名以下、2日以降2名と比較的少人数な所でした。

なので、高校生も含めて10名以上いる授与所じゅよじょ(おふだ・お守り・縁起物のお会計受付)でのご奉仕とお寺さんでのご奉仕は初めてとなるので、どういう感じのご奉仕になるのだろう?と興味深々でワクワクしましたo(^-^)o 新たなチャレンジはワクワクしますよね~😄

ご奉仕当日

今回のご奉仕は元日から4日まで。
時間は日によって変わり、元日は朝8時~18時まで。私としては4日間のみのご奉仕で、大晦日は自宅に居て朝出勤するなんて!と不思議な感じでした!

【余談話】
旧助勤先神社様での奉仕日程は、年末から仕事始め頃までの約10日間前後(年によって日数は変わる)の連日奉仕が慣例でした。
大晦日は朝9時からそのまま元日まで神社におりまして、
2時間程の仮眠後18時までの勤務。翌日からは朝9時から奉仕。
仕事始めは朝8時頃から奉仕という感じで勤務しておりました。
(職員さんはもっと大変です~💦)

さて、屋外でのご奉仕ということなので、防寒対策をバッチリして出勤します。元旦は自宅から出勤するのは初めてなので、参拝者とご一緒に参道を歩くのは新鮮!と思いつつ新年を実感しながら本堂へ向かいます!(参拝者は思ったよりもいらっしゃいました)

御本尊に「本日よりご奉仕させていただきます」と御挨拶後、寺務所じむしょへ。お会いする皆さんにご挨拶。検査後キットを提出・検温後、諸手続きをしたのち、作務衣さむえ(作業着)上着を渡されまして、ご用意されている堂外ロッカーへ。荷物を入れ作務衣さむえを着たのち、着方に困っている方のサポートをしました。

ここで、神社さんと異なると思った点は、神社さんでは、助勤者(アルバイト)が作務衣《さむえ》着用でご奉仕する場合は、基本的に「白色」なのですが

神社さんでの作務衣イメージ写真(拾い物)

こちらのお寺さんでは「紺色・えんじ色」の着用でしたので、新鮮な気持ちになりました(お汚れをあまり気にしなくていいとは!)

ご奉仕寺さんでの作務衣イメージ写真(拾い物)

ご奉仕開始

さて、ご奉仕開始です!ありのままにお話いたします!

漫画・荒木 飛呂彦『ジョジョの奇妙な冒険 第3部』
(ジャンプコミックス)136話
より。
有名なセリフ「あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!…云々」の一コマ。

誘導・指示をしてくださる方はいなかったので、着替えてからどこに行くのかわからない状態でしたが、他の助勤じょきんさん達が歩いて行くところについて行きます。

そうすると、本堂前にある特設の授与所じゅよじょ(お会計受付)に到着。他の助勤さん達が集まっているところに行くと、1人の助勤さんが料金説明を始めていたので慌てて聞きます。

どうやらその場で覚えなければいけないようで、 授与品じゅよひん(お守り・縁起物)の種類は多く、すぐに覚えられる自信はなかったので、あとでメモを取ることにします。

【余談話】
旧助勤先神社さんでおさずけされていたお守りは約16種類ほどで、こちらのお寺さんでは約70種類ほどのお守りがございました。

約とお書きしたのは同じお守りで
お色が数色あったりするため

その後、好きな席にに座るように言われて、どこに座ろうか迷いますが、流れで入口から奥の方の席へ。先にいらした年明け奉仕の方々とご挨拶を交わして交代します。

自席確保後、料金表のお見本は無いことを確認したので、改めて授与品じゅよひん料金を再確認して、自分用の料金メモをお書きします。

特設の授与所じゅよじょは本堂屋外の正面出入口の左右両側に設けられていて、厄除け・交通安全などのお守りごとにエリア分けされておりました。

ご用意されている使い捨てのゴム手袋をはめまして自席につきます。
席の足元には、フローリング調のホットカーペットと電気毛布がご用意されておりましたので、有り難く使います(とても温かくて有り難かったです🙏)

あとから近くに座った おギャル助勤さんから、自分は昨年も来ていたので分からない事があったら何でも聞くように、と言われましたので次からそのようにします。

そして、遅れて私の隣に座った男子大学生(以後Aさんとお呼びします) とご挨拶を交わします。Aさんは料金説明を受けていなかったようで、私に聞いてきたので聞いたままの説明をします。

【余談話・個人的感想】
ご一緒した助勤さん方の髪型はさまざまで、長髪でも髪の毛をおろしたままで(しばっていない!) 金髪・茶髪・パーマの髪型の方、お化粧もラメラメでキラキラしたアイシャドウをつけている方や、服装もジーンズ(デニム)・ジャージ・スラックス姿の方もいらしたので、個人的にはビックリしますが、なんて大らかな所なんだろう!と感嘆しました!(個人的な感想です)

授与所(お会計受付)奉仕開始

ご参拝の方々は御本尊におまいり後、左右にわかれてお守り・縁起物などをお受けになる方はこちらに来られます。ご奉仕開始から1時間程経過したあたりから徐々に増えてまいりました。

こちらでは参拝者が自らお取り頂いたお守りを受け取ってからお会計する方式で、持って来られたときにご対応します。

最初に受付対応した時、受付用語の説明を受けていなかったことに気付きますが、神社さんでの受付用語「おおさめ」「ようこそお参りくださいました」は、お寺さんで使用しても差し支えないだろうと即時に判断。指摘されたら従うつもりで、いつも通りの対応をしました。

置き台がなかったので、お預かりしたお守りの置き場所に困りながら、空いているスペースにお置きして、ご用意されている電卓で計算します。

そのうちAさんも初対応されます。彼も置き場所がないため、手に握ったままの状態で私にお値段の確認をされつつ暗算で計算されて、その状態のまま雑に袋に入れようとしていたので、さすがに見かねて入れ方をお伝えします。

対応後、Aさんはご丁寧に「すみませんでした。ご奉仕するのは初めてなので…」と私に謝ってこられたのですが「初めてですし、教わっていないから知らなくて当然なので、謝ることはないです。」との言葉をお掛けします(この会話はこの後も何度か繰り返されることとなります…)

そうしてこれ以降は、Aさんは私にわからないお値段を確認されたり、私がお手すきの時には袋に入れて差し上げたり入れて頂いたりと互いにサポートをし合う流れが出来あがっていきます。

そうするうちに、どこからともなく「おつかれ様です!」とご挨拶をされている声が聞こえます。

おつかれ様です……??

最初は耳を疑いましたが、何度も聞こえてきますので、こちらでのおさめの御挨拶は「おつかれ様です」と言うのだと理解します。

個人的には「おつかれ様です」は、主に勤務先の中の人達や諸仲間・親しい人などに向けて申す認識なので、参拝者に向かって「おつかれ様です」と申すのはちょっと……となり、私が何度も「ようこそお参りくださいました」と申しても、どなたからも注意されることはなかったので、こちらのご挨拶で通しました(^^;)

というより、長年の経験からか自然と口から出てしまっています💦

後日、こちらのご挨拶について親しくなったレギュラー助勤さん(以後Bさんとお呼びします)にお聞きしたところ 

本来は「お参りご苦労さまです」と言うように指導されている。
  ↓
若者がご年配の方に向かって「ご苦労さまです」は失礼だろうとなる。
  ↓
「お参りお疲れ様です」へと変化。
  ↓
いつしか「お参り」が略されて「お疲れ様です」となる。

とのことで、Bさんも「お疲れ様です」と言うのはちょっと…派で「ようこそお参り…」を使われているとのことでしたので、安心して神社受付用語で通しました!(^^;)

【余談話】
個人的に気になったので、なぜ「ご苦労さま」と言うのだろう…と推察してみました。本堂は丘的なお山の上にあって、長い坂と長い階段をあがってのお参りとなるので、来られた方へのねぎらい&こちらの宗派的教えからの意味合いなどか込められているということなのかも?と仮定するところで落ち着きました。
(住職さんとゆっくりお話する機会はなかったので未確認)

さて、試行錯誤で自分がやりやすい受付体制を整えながら(こういう事には慣れてます) 忙しくなってまいります。

ですが、長蛇の列になる所はなく、個人的にはプレッシャーを感じる事がなくて気持ち的に楽でした!

【余談話】
旧助勤先では、受付窓口の関係で長蛇の列になることが多かったため、大きめな声で丁寧かつ速やかな対応に努め、常に動いてしゃべっていたので、心身的疲労感は半端なかったです💦(サービス・接客業経験者)

不動尊 初御護摩祈祷の話

初日のお話の続きです。
授与所じゅよじょ(お会計受付)受付対応の仕方に慣れて来たころ、
突然、御祈祷音声が大音量で流れはじめてビックリします💦

どうやら、スピーカーを通して御祈祷音声をリアルタイムでお外にもお流しするシステムのようで、個人的には新鮮な気持ちになり高揚してまいります!(特に法楽太鼓のリズムでテンションあがります!)

ご奉仕している間は、1時間に1度御護摩祈祷おごまきとうが行われておりました。
拝聴しておりますと、私が御祈祷をお受けした不動寺さんとは宗派が異なることもあって、私が存じておる御作法とは異なるところがあることに関心を深めつつ、有難く拝聴しながら受付のご対応も致します。

御祈祷を受けたお寺さん(真言宗)では4~6名奉仕で、修祓しゅばつ(おはらい)、御護摩焚き・般若心経はんにゃしんぎょう 法楽太鼓後、祈願者もご一緒に不動明王様の御真言ごしんごん慈救咒(じくのしゅ)をおとなえするといった次第しだいで、修了しゅうりょう後に寺務所じむしょの受付窓口まで木札きふだをお受けする流れなのですが、

こちらのお寺さん(天台宗)では、お正月は特別祈祷のようで3名奉仕。
不動明王・慈救咒、般若心経 法楽太鼓といった次第で(御護摩火のタイミングは不明)、どちらも最後は「ドン、ドン」の太鼓の音にあわせて、「カンドンマンドン(御真言)」「しんドンぎょうドン(心経)」という風におさめられていました。

そして、御祈祷修了しゅうりょう、御法話のあと、その場でそれぞれの祈願者へ木札きふだをおさずけする流れでした。

元日奉仕が終わって退勤する時に、本堂内をお掃除をされている僧侶方がいらしたのをたまたま拝見したところ、約5名ほどおられたので交代で御祈祷されておられるようでした。

御護摩祈祷では、御護摩火におかざしされた木札をお授けくださいます。

御祈祷の雰囲気をお伝えしたいので、
宗派は異なるのですが、限りなく近いと思いました参考動画を添附いたします。

【不動明王慈救呪じくじゅ

配信元:『YouTube 東谷寺ちゃんねる』

以下の動画は解説があったので添附します。

配信元:『YouTubeチャンネル 末僧 龍誠のまったり寺』

真言宗と天台宗(名称順は意味無)で
御真言の唱え方が微妙に異なってます
例:ノウがナーになる等

【般若心経の祈祷太鼓】
御祈祷の雰囲気としては上掲の東谷寺さんの方が近いのですが、
太鼓のリズムはこちらの寺院さんが近かったです。

配信元:『YouTubeチャンネル 宝昌院』

御祈祷音声として雰囲気が近いと思ったのは以下の動画です。

配信元:『YouTubeチャンネル 末僧 龍誠のまったり寺』

以上のような次第での御護摩祈祷は約30分間行われておりました。
元日お昼過ぎ頃には、御札のお授けがおわったと思ったらスグに御祈祷がはじまっているというような感じでした💦

燃え盛る御護摩火のお側で、御祈祷中お腹の底から大声を出し続けながら、太鼓・音木おんぎを打ち続けるといった体育会系的な雰囲気を感じる御祈祷を1日に何度も行う僧侶方の気力・体力の消耗は激しいことだろうとお察しいたします(合掌🙏)

神社での新年御祈祷の話

ここで、少し神社さんでの御祈祷ごきとうのお話をしようと思います。
太鼓は神社さんでも御祈祷の際に使用いたします。

各神社によっての流儀はありますが、
主に御祈祷の開始・修了りゅうりょう時の号鼓ごうこ大祓詞おおはらえことば の際に、太鼓を叩きながら奏上そうじょうするなどで叩かれる例があるかと存じますが、御祈祷の間中ずっと太鼓を叩き続けている事は、私が知る限りでは超少数。

なので、僧侶方が太鼓・音木をずっと叩き続けながら御真言・御経を唱え続けることは、気力・筋力・体力のいることだと思うのでたいへんだと思います。

また、各神社さんによっても御作法は微妙に異なるところはあります。
私が助勤奉仕・御祈祷をお受けした数社の神社さんの例でお話いたしますと、基本的な次第は同様ではありますが、詳細を言い出すときりがないので一例として、おふだ・お守り等授与品のお渡しのタイミングで申し上げてみます。

①御祈祷修了しゅうりょう後、その場で全授与品入り紙袋をお渡しする。

②御祈祷中の※玉串奉奠たまぐしほうてん(玉串拝礼)後、先におふだ・お守りをお渡しして、退出時にその他授与品じゅよひん入り紙袋をお渡しする。

③御祈祷修了後、社務所別窓口で受け取る。

玉串奉奠たまぐしほうてんの参考動画

『YouTube 神青協チャンネル(神道青年全国協議会)』より

神社さんでの御祈祷作法では、立ったまま(立礼りゅうれい)・正坐して(坐礼ざれい) のどちらかの御作法にて行われており、こちらについても各神社さんによって異なります。

神社さんで御祈祷を受けられた方はよくわかるかと思いますが、
御祈祷中、神職しんしょくさんは様々な場所へ移動されます。
基本的には本座ほんざ(待機場所)から、複数の場所へ定められた御作法によって、その都度移動されております。

主な移動場所は、
御神前、祓所はらえど玉串たまぐし授与品じゅよひん御鈴みすず、太鼓等の安置場所、参拝者席など。

特に、最初の修祓しゅばつ(おはらい) の時には、玉串・授与品・参拝者(2人以上でご奉仕の場合は、主に斎主さいしゅさん方も) の場所まで移動しながら おはらいをされます。

各神社さんの流儀次第にもよりますが、車祓い交通安全祈願の御祈祷時には、車をおはらいする際、ご社殿の外まで出られるところもあります (旧助勤先神社さんではそうでした)

そして、御神前での御拝礼や、それぞれの場所へ移動する前後には、
それぞれ定められた御作法・角度でのゆう(一礼)・はい(おじぎ) の御一礼を何度もするので足腰への負担は大きく、しゃく雪洞ぼんぼり(扇)を持っているので、ヒジを張りながら御一礼(祝詞奏上のりとそうじょう中も)などいたしますから、こちらもかなり筋力・身体的に負担があるのでたいへんです(装束が乱れないようキッチリ着て帯はきつめに締めますし…)

助勤先寺住職さんのお話によると、こちらでの御護摩祈祷時は半跏(はんか:あぐらのような形)でなされているとのことで、丸い御座布団の上に坐されておられました。

他寺院さんでもある例だとは思いますが、神職さんがすわる場合、ふかふかの座布団を用いることはありません。

主にひざつき円座えんざを用いられている事が多いかと思います(例外もあります) こちらは薄くて固めなので体感的には床や畳の上に直接的に正坐しているような感じになります (慣れないと結構痛くて、足のしびれも…ゲフゴフ)

軾(ひざつき) 
主に御神前にて用いられることが多いです。
円座(えんざ) 
主に各自席用として用いられていることが多いです。
写真:『井筒装束店 WEBカタログ』より

更に、神職さんが行う御祈祷の場合、できるだけ姿勢をまっすぐに保ったまま立ち上がったり坐ったりを幾度もいたします。

正坐で行う場合には、膝をついたまま前後移動(膝進しっしん膝退しったい)をいたします。

立って行う場合では、本座(自席)に胡床こしょうという椅子がある場合(無い場合もあります)、胡床が斜めになったり大きくズレないよう、浅めに座って丁寧に立ったり坐ったりするので、スクワットする状態に近い動きをしております。

以上のように足腰をはじめ全身の筋力を使っての動作をしておりますので、身体的負担は大きくてたいへんです💦(体験者談)

胡床(こしょう)
写真:『井筒装束店 WEBカタログ』より

【余談話】
私が祭典の助勤奉仕をしていた時は、祭典お祭り奉仕が主でしたが、数回程度、副斎主ふくさいしゅ(サブ)で御祈祷奉仕をした経験があります。立ったまま(立礼りゅうれい)の御祈祷作法経験しかないのですが、極度の緊張も重なって1度の御祈祷でも大汗かきましたし、疲労度は半端なかったです(^^;)

見た目がきれいな所作をされてる方ほど
筋力使われております。

また、神社さんの場合、御祈祷は30分毎に1回、または御祈祷修了後スグに次の御祈祷を行う、という感じでなされている所が多いかと思います。

神社さんの規模や参拝者人数にもよりますが、1回の御祈祷の所要時間は約15~20分程なので、お正月の御祈祷につきましては、だいたい1時間に2~4回は行われておるかと思いますので、御祈祷回数としては御護摩祈祷よりも多いです。

特にお正月から仕事始めの御祈祷は連続して行われますから、こちらも体育会系的で気力・体力の消耗は激しく、心身共に疲労は半端ないとお聞きしております…(T^T)

また、真摯にお祈りすることはとても気力を使いますので、運動的疲労とは異なる疲労もありますから、双方とも幾度もお祈りくださっていることは、本当にありがたく存じます🙏

社寺双方の助勤を通して直観的に思ったことなので適切な表現かどうかはわかりませんが、神社さんでの御祈祷は「静的」、寺院さんでの御護摩祈祷は「動的」だなあと思いました。 (個人的な感想です)


授与所(受付)の実況的話

さて、受付の話に戻ります。
対応が忙しくなってくると、受付は攻撃性がまったくない戦場と化します(臨機応変にいかに速やか丁寧に対応をしていくか等々)

【余談話】
個人的には、長年に渡り複数のサービス・接客業のアルバイトをした経験と、長年神社で授与所受付をしていた経験があるので、対応の仕方での不安はありませんでした。

その都度わからないことは聞き、周囲の動きを見ながらこちらでの対応の仕方を学びつつ、ご参拝の方からのお問い合わせにも対応していきますが、私だけ神社の巫女さん的言葉遣いでの対応になってしまっています(苦笑)
ご指摘はありませんが、雰囲気的にあまり丁寧過ぎない言葉遣いが求められていると思ったので、調整しながら対応します。

そのうち「御札おふだありますか?」とのお問い合わせがあります。御札の説明は受けてなかったので、お聞きするとあるとのことで急いで対応します。

こちらの授与所では、各願意の印が押印されている紙の御札おふだのおさずけで、お色も白色・金色の2種類あるので、願意とお色をお聞きした上でご用意致します。

御札のイメージ画像(拾い物)
(内面のお色が2色)

あとであることを知った願意見本表を見ると30願意ほどあって、把握しきれず探すのにテンパりましたが、御札をお受けになられる方は少数だったのでさほど混乱はおきませんでした(多くの方は御祈祷の木札をお受けになられているのかと) 

ただ、御札がご用意されている場所は1カ所で自席から約2メートル程離れている所にあるので、取りに行くのに難儀します(後日近場にお授けの多い御札を用意しました)

【感想話】
願意の中には水子供養があり、神社さんでは無い願意なので興味深かったです。

旧助勤先の神社さんでは、以下のお写真と同様の神札しんさつ(おふだ)のおさずけで、伊勢神宮のおふだ(神宮大麻じんぐうたいま)・神社のおふだ・荒神こうじんさまのおふだの計3たいのお授けでしたので、ご質問以外でおふだのご用意に難儀することはありませんでした。(各神社さんによってもお取扱いしているおふだは様々ございます)

神札イメージ
お写真は 伊勢神宮のおふだ
正式名称は 神宮大麻(じんぐうたいま)
こちらのおふだは各地の神社でお受けすることができます。

【余談話】超レアな1件だけのケース。御札と一緒に「伊勢神宮のおふだください」と申される方がいらっしゃいました~💦

さて、だんだんと慣れてきまして、周囲に目を配る余裕が出てきました。
他の助勤さんの授与品の扱い方を見て
(||゜Д゜)‼ となります。扱い方について教わってないから仕方ないと気にしないように努めますが、私は神経質なタイプなので 
(||゜Д゜)ヒィィィ! となる場面を見てはモヤモヤ…☁

その他にもモヤモヤすることはあったのですが、毎時行われる御祈祷音声をお聴きしていると自分の煩悩も焼尽して戴いたと思え、磬子(けいす)の「カーン」の音響を聴いておりますと、気持ちがスッとしていきます🙏
(以下は宗派は異なりますが音が近い参考音響)

正月期間の助勤奉仕者アルバイトは幾度も御祈祷音声などをお聴きできる有難い環境にありますので、何度も御真言・心経をお聴きしいている内に、御加護があるから大丈夫!細かいことは気にしない!という気持ちになり、楽になっていきました (トータル約40回はお聴きしたかと)

【余談話】
神社助勤の時は、奉仕最終日となる仕事始めの日は、1日中祈祷補助をしていて後ろに控えていたので、参拝者と一緒に修祓しゅばつ(おはらい)を何度もお受けしていたので、諸々祓っていただいてスッキリしてました✨

こちらの寺院さんでは、参拝者も梵鐘ぼんしょうを通年 くことが出来るので、時折「ボーン」と鐘の音が聞こえてきて癒されます。

梵鐘(ぼんしょう)

また、超レアなケースでは、御祈祷中の御真言・般若心経のおさめ時、絶妙なタイミングで鐘の音が聞こえる事があって
「おおー!!(゚o゚)/」となる時もありました!

【タイミング例】
「カン・マン!」の後に <ボーン 🙏
「心・経!カーン(磬子けいす音)」の 後に
<ボーン 🙏

示し合わせた訳ではないので凄いなあと思い
ついた方グッジョブ!と思ってました笑

さて、そうしていくうちに、ご参拝の方から色々とご質問があったり、
「〇〇の御守ありますか?」などのお問い合わせがあって、そちらを探して取り行ったりと、対応に忙しくなってきます!

私の席エリアは、ペット守りがあってお受けになられる方が多く、近くにおみくじ所もあって両替を求められたりと対応が忙しい所でした。

【余談話】
超レアな1件だけのケース話。
訳あっておみくじに書いてある全内容を教えて欲しい。とのご要望がありましたのでお伝え致しました。
神社でも何度かあったご要望だったので対応経験があり、文言に注意しながらもさほど問題なくお伝えできたかと…(御祭神が御本尊になる等々)
神社での超レアケースでは、華僑の方におみくじの内容を聞かれたことがありました。口頭で伝わらない個所は、漢字を書いてお見せしたら伝わってました。

また、他の助勤さんからも色々聞かれるようになる謎現象もありました… (^_^;)1人の方は遠くの受付の方から私の所までやってきて聞きに来られたりします… σ(^◇^;)💦?

レアなケースでは、近くに居る方が、破魔矢ついてのご質問があったとのことで聞いて来られたので、ご説明に行ったり(神社さんであるある対応)
小サイズのダルマのお顔に書いてある文字を聞かれたり…💦(存じ上げないので寺務所まで聞きに行ってもらいました~)

ですが、こういったフォロー対応は慣れていますので、わかる事はお答えしたり場合によっては対応したりしてました。

わからない事は先輩助勤さんや寺務所に行って聞くようにお伝えして、トラブル発生後、明確にさせておきたい事については、住職さんに確認しに行ってました。

【余談話】
助勤先の神社さんでは、職員補佐、学生助勤巫女さんのお世話とサポートをしてました。

そうしていくうちに、周囲にいる助勤さん方と声を掛け合い協力しながら対応していく体制が出来上がっていきます!みなさんそれぞれ工夫をしながら対応されていて、ナイスアイデアだと思ったことはどんどん取り入れていきます!(この現象は凄いなあと毎度思います!)

隣席のAさんは時折、計算間違えがあったようで何度か指摘されながらも奮闘されておりました。

【余談話】
Aさんに聞かれたことで印象に残っていることは「錦守」の値札カードを私に見せて「これなんて読むんですか?」と聞いて来られたのでお答えしたこと。その様子をAさんが対応していたご参拝の方がご覧になられていて、去り際に「勉強になったね~」と言われていました💦

読みは、にしきまもり。

そのうち「お昼行ってください」と交代の方がいらっしゃいますが、昼食をいただく場所がわかりません。聞いた方もどこだっけ…?みたいな反応で、寺務所まで聞いてきてくださり、指定の場所で昼食をいただきます。
こちらでは、お昼30分、15時頃に30分の2回の時間指定休憩。
これはありがたいと思いました!

【余談話】私がご奉仕した神社さんでは、時間指定はなく昼食を戴いたら戻るという感じだったので、明確な休憩時間はありませんでした。超多忙時のお手伝いなのでそういうものだと思っています(みなさん同じ条件なので…)

気の毒なので助勤巫女さん達には30分と指定してました。

その後も対応は忙しく、脳疲労も出てきて時々混乱することもありましたが、大きなトラブルなく対応できたと思います。

そうするうちに、寺院出入口御門の閉門時間が近いので境内退出をお願いするアナウンスが何度か流れまして、次第に境内に参拝者の姿は見えなくなり退勤時間となります。このような経験は初めてなので新鮮でした!

助勤していた神社さんでは、参拝者に境内退出をお願いすることはなく、
ご社殿の扉と授与所窓口・社務所玄関を閉めるのみ。
お正月期間中は18時過ぎても授与所窓口は開けていたので、私が退社する時は職員さんが受付対応してました。

こんな感じで無事初日を終えます。
2日目以降も同席での受付でした。他の助勤のみなさんもだんだんと慣れてきて、落ち着いてる時には少々雑談したり、Aさんと受付対応の仕方議論などを交わしたりしてました(Aさんとお話することが多かったです)

そして最終日を迎え、午前中は比較的落ち着いていて余裕があったので、自主的に補充や陳列を行いながら、目の前にいた方達と自己紹介し合うなど雑談いたしました。

この時に、不動と不動という表記があるけれど何が違うのかという質問があったり、私が神社さんで助勤していたというお話をした中で、興味を持った女子大学生で「巫女さんの服をコスプレ的に着てみたいので私もやってみたいです!」と言われた方がいらしたので、瞬時に神社人モードとなり、神社は厳しい所なのでそういう安易な気持ちでご奉仕しない方がいいですよ。と注意しながら、神社での年末年始助勤の公募情報をお教えしたりしました。
(退勤時にお教えした方から、ご丁寧な御礼のお言葉をいただきました。)

また、最終日には領収書をお書きすることが結構あって、西暦で書かれているのが微妙に写っていたので(基本、神社寺院では年号表記)、間違いがあっては失礼なので、念のため周囲の人達に領収書をお書きしたことがあるかを確認しながら書き方お伝えしました。

ただし書きは、どのようにお書きしてよいのかわからなかったので、住職さんにお聞きしました。

(神社さんでは「初穂料として」とお書きしてました)

そして無事に最終日を終え、帰るときにレギュラー助勤さんの1人から
「来年もよろしくね!」と言われたり、AさんBさんと途中まで一緒に帰った際、Bさんから「来年もやる?」としきりに聞かれました。やはり、毎回来てくれるレギュラー助勤さんを欲しているのはどこも同じなんだなあと思いました。(そうですよね…)

お給金は後日ということでしたので、こちらの不動寺さんでも御祈祷をお受けしようと思い、初不動の日に参拝致しました。

小恥ずかしそうな住職さんから御札を拝受して御焼香を致したあと、察した住職さんがすぐにこちらまで持って来てくださり、その場での受け取りとなりました!(住職さんの即時対応力は凄いと思います!) その時に住職さんから「堂内に入った時に顔見てビックリした~!」と言われてしまいました~(^_^;)<すみません~

【余談話】
住職さん御法話中、目を合わしては下さいませんでした(^^;)

その後、境内にお祀りされている神仏へ
ご奉仕終了の旨をご奉告致しまして、
帰宅後 御札をお祀り致しました。

色々と新鮮で楽しくご奉仕できました!
ありがとうございました!🙏

お話は以上です!
最後に、個人的にお正月の社寺助勤奉仕(アルバイト)を経験して思うことは、各自が主体性・自主性を持って臨機応変に適応しながらお仕事に取り組むことが必要とされる場なので、かなり鍛えられると思います。適応力を養いたいという方は是非!

【追記】翌年のお正月もこちらのお寺さんでご奉仕いたしました。

その後は、御縁がございましたお宮さんで
お手伝いしております。

たいへん貴重な経験をさせていただきました。ありがとうございました。合掌🙏

以上。
ご拝読くださりありがとうございました!拝