神社へのお賽銭に関する話。
ごきげんよう。
今回は、個人的に見過ごせないお話を拝見した事もあり、神社へのお賽銭についてのお話をしようと思います。
ことの始まりは、Twitter某神職系アカウントの方が話題にされていたツイートが目に止まり、話題に上がっていた某宗派一僧侶の方のYouTube配信を視聴してのことです。
この方は初詣の裏ワザと称して、願い事が届きやすくなる?ようにするためには、神社に5円玉を奉納してはいけないというようなテーマで、神社でのお賽銭奉納額について、明確な資料がない説をあたかも真実のように話しておられ、信憑性に欠けた性的表現を踏まえてお話されているなど(単なる便宜上の配置だと思いますが…) 私が聞いたこともない説をお話されていたので、衝撃を受けました…
それにしても願い事が届きやすくなる金額?ってどういうことなのでしょうか??
なので、以前に投稿した記事中でお話しました「お賽銭に関する基本的な話」を改めて、こちらでもしようと思います。
【お賽銭とは】
まずは、基本を押さえるため『神道事典』によりまして、お賽銭についての話を以下に引用します。
以上を拝読すると、昔のお賽銭は、お米を撒いてお供えをしていて、これを「散米」と言うのですが、この散米とはどういう意味合いでなされていたのかを、再び『神道事典』より引用します。
以上を踏まえますと
個々人が祈願した内容が成就した際に、その御礼としてお供え物を献じたことからはじまって、そのお供え物はお米からはじまり、のちに貨幣経済へと変化したことにより、貨幣に変わり
現在では、祈願・崇敬の表現として参拝時に金銭を納めるようになっていったことがわかるかと思います。
そういった意味では
お賽銭は、神仏と個人との間において生じる行為なので、他者が間を介してお賽銭を斡旋するなどの行為はタブーであるといえると思います。
また、紙幣の原材料は「植物」、硬貨の原材料は「鉱物」でありますから、神道的視点でみますと、神話で語り継がれている神々より賜っているとともに、神々のおみたまが宿っておる自然のお恵みを頂戴しまして、人智と技を持って製造し変化させているものでもあるともいえると思いますし、現在の人間生活において必要不可欠なものでもありますから、一般的大衆が神仏へ金銭をお供えするのは当然の行為であると思います。
神社仏閣側といたしましても、霞を食べて生きていける訳ではありませんから、神仏への日々のお祈りやお祭りをするために必要となる用具やお供え物などの物品、日々奉仕する正職員の生活等の保証、伝統的建造物などの修復等々や、崇敬・参拝するみなさまにお授けする、おふだ・お守り・縁起物などを奉製するためなどで用いるものなどなど、必要となる資金は多額を要しますので、キレイ事ではおさまらない所はあります。
また、聖職者であり商売人ではありませんから、聖と俗とのバランスを取るのが難しいところでもあると思います。
ただ、ハッキリと言えることは、神社でのお賽銭でお願い事が届きやすい金額というものはありません。どなたであっても日々お祈りをすることが大切で、本人の努力や行いなどに沿ってのお導きがあるのだと、長年の経験から私はそのように思っております。
個人的なお願い事をより聞き届けて頂きたいと思われるのならば、昇殿参拝をされた方がよろしいのではないかとは思います。
昇殿参拝とは
御鎮座されます神様の御社・御本殿により近い所にて、お祈りができます正式で特別な参拝のことで、祈願者は御社殿または神楽殿の中に入りまして、神職さんを介して 個人的お祈りができる参拝となります。こちらは昇殿参拝または正式参拝とも申します。
神職さんは、神社の御祭神と祈願者との間をとり持ちまして、御祭神へ失礼がなきよう丁重なお祈りの作法をされまして、祈願者のお願いごとや感謝の意を、大和言葉という和語(古語)を用いた祝詞を通して代理でお伝えしてくださいます。祈願者は神職さんから「玉串」というお捧げものを戴いたのちに、御神前に近い所まで案内されて、祈願者は神様へ玉串をお供えしてお祈りすることができます。
また、祈願者用としてご用意された、おふだやお守りなども祈願する時に御神前にあげられます。こちらはあとで戴けます。
こちらの昇殿参拝は、個人や団体の祈祷・祈願として、神社の社務所などの受付窓口やお電話・FAXなどでお申し込みできます。お日にちが決まっている場合は、事前に日時を予約することもできます(参拝する時期によっては予約不可な時も) 神社によっては予約制の所もあります。
どなたでもわかりやすい一般的な祈祷・祈願の例をあげてみますと、「厄年」の厄除け「七五三」や企業・店舗等の「新年の仕事始め」「商売繁盛」「工事安全」などがございます。
また、お礼参りの「神恩感謝」もございます。
祈願に要するお時間は約15~20分ほど。
お正月や七五三などの時期によっては待ち時間がある場合もあります。当日直接のお申し込みだと、神職さんは祈願するための装束を着られ、祈願者用のおふだ・お守りなどのご用意もいたしますので、開始まで少々お待ちいただくことになります。なので、前後のお時間に余裕があるときにお申し込みください。
個人祈祷料の相場としては、5千円(あとはお気持ち次第での増額…) からが一般的ですが、各神社の祈祷内容などによっても異なる場合もあるので、正式に昇殿参拝をされたい神社でお問い合わせして頂くことをおすすめします。この時にご祈願内容もご相談してくだされば、職員さんが対応してくださいます。
こちらの祈祷料は、神様へのお供え物としての料金で、神社では「初穂料」または「玉串料」と申します。
こちらは、その年のお米、または祈願の時にお供えする玉串の変わりとして、お供えしているものだとお考えいただければと思います。
こちらの料金については、あとで戴けます、おふだ・お守りなどの代金だと勘違いされている方もいらっしゃるようですが、わかりやすく言いますと、お賽銭と同様的なものだと思っていただければ幸いに思います。
やはり、お賽銭箱の前で手を合わせて祈るのと、御社殿の中で手を合わせて祈るのでは全然違いますし、神々様と個人とのご縁をより深めるきっかけになっていくとも思いますので、個人的におすすめいたします。
最後はなんだかまとまりがない文となってしまいましたが、
今回のお話は以上とさせていただきます。
ご拝読ありがとうございました。
みなさまにとりまして、みのりの多き年となりますようお祈り申しあげます。拝