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たくさんの思い出と、一個の強烈な思い出
前回の話ともちょっと関係あるのだけど、『思い出』について思ったことを。
例えば旅行だとして、旅行にたくさんいってたくさん思い出をつくるのも素敵なことだと思うのですが、
一回だけの旅行を強烈に覚えていることもまた素敵なことだと思うのです。
最近インバウンドが戻ってきていて、うちのゲストハウス蔵にもタイやシンガポールからのお客さまがよく来るようになっています。
一緒にりんご畑に行くと、りんごの木を見たのは初めて!って喜んでくれてはいるのですが、
その感動の度合いは6年前にフィリピンから来た女の子たちには勝てないんです。
今でも強烈に覚えてるフィリピンから来たその子たちは、当時学生さんで引率の先生と一緒に来ました。
昼間のりんご狩り(当時はそんなのもやってた😅)に何ヶ月も前からお問い合わせをくれて当日りんご畑にお越しになったのです。
当時のフィリピンって、物価が日本の10分の1くらいで、なので日本旅行はかなり特別な体験だったと思います。
畑に来る時も、松本駅から50分くらいかけてみんなで歩いてきて。
それはそれは楽しそうにりんごと写真をとったり、摘んだりしてはしゃいでいました。(フィリピンなどの東南アジアは気候的にりんごの木がない場所が多い)
最近タイや(前からですが)シンガポールはかなり裕福な方が増えていて、蔵に泊まりに来るお客さまも、もう日本には何回も来ているって方が多いんです。
旅慣れしていて、きっと他でも初めての、刺激的な体験をたくさんしていて、
りんご狩りもその一個なんです。
旅行に限らずですが、たくさんいろんなホテルに泊まったり、いろんな体験をしたりすると、一個一個の記憶は薄まるじゃないですか?そのうち強烈なのに出会うのかもしれないですが、そうすると他のは色褪せて感じてしまうかもしれない。
それに比べると、フィリピンの子たちはおそらく初めての海外旅行で、(そんなことはないと思うけど)もしあれが最後の旅行だったとしたら、その時の思い出が強烈に残るんだろうなぁって思うのです。
思い出は、たくさんでもいいし、一個でもいい。
肌感覚では、普段は学校や仕事して、『たまに』ハレの日で特別なことがあるくらいが、ちょうどいいのかなって思います😅
ではでは
川邊 明日香
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