「A HAMLET二期工事エピソード⑦灯火を持ちよる集落」
エピソード⑥の続きだよ。
写真は、8月27~31日。
今回のタイトルは「灯火を持ちよる集落」だ。
「A HAMLET」のプロジェクトには、実に多くの人たちが参加してくれている。
有り難い事に、僕らの顔馴染みのある人から、インスタで飛び込みDMをくれて作業に来てくれる人、はたまた、泊りがけで作業を手伝いに来てくれる人まで、様々な人が訪れてくれるプロジェクトだ。
この数日は、そんな事が重なった。
プロジェクトメンバーの一人の家族が作業に参加してくれて、その後、楽園(A HAMLETの共用の焚火場兼庭スペース)でBBQをしたり、北海道の函館から「A HAMLET」のウェブサイトチームの一員が、住み込みで作業もしてくれながら、取材をしに来てくれたり、一期工事で住み込みで僕らのご飯を作ってくれていた子が泊まりで帰って来てくれたり、プロジェクトメンバーの一人が「A HAMLET」内の未改装の1軒を借りていて、自分でずっと改装工事をしてて、ついに住むという日に引っ越しパーティーをやったり。
なんだかんだと、盛りだくさんの4日間だった。
やっぱり、いつもと違うメンバーが増えると、現場の雰囲気も変わるし、どこかオープンでウェルカムな空気になる。
やっぱり集落を再生しようとしているプロジェクトはそうでなきゃなと思う。
ふらっと訪れてくれた人を迎え入れる包容力っていうのかな。
二期工事も実にたくさんの人が共に汗を流しに来てくれた。ホント、ありがたい。
もちろん、僕らは楽しんでもらえたり、何かしらの意味や体験、経験を持って帰ってもらおうとする。
でも、結局は本人次第で、そのつもりでみんなが参加してくれているのだと思う。
そして、何かを感じてくれるのだろう。多くの人が仲間になってくれて、2度3度とここに訪れてくれるようになる。
うれしい事だ。
その昔、家を建てる時、集落のみんなで協力して力を合わせて建てていたと聞いた事がある。
材料も同じ集落の建物を解体した時のモノを保管しておいて、再利用できるものは再利用していたと聞いた。
その頃のやり方を真似ているわけではないのだけれど、々のスタイルに僕がジョインして、元々の々スタイルより更にオープンになったのが「A HAMLET」のプロジェクトのスタイルだと思っている。
集落すらも飛び越えた、みんなでやろうよって。
そして、ここに来てくれるみんなが、何かしら、ここに興味を持ったり、何かを求めたりして、来てくれているのだと思う。
現場に、工事に、建築に、設計に、住宅に、不動産に、リノベーションに、集落再生に、僕らに、「A HAMLET」に、それぞれ、いろんな想いでね。
それぞれの人がいろんな希望や興味の炎を胸に灯して、それぞれの、その胸の中の灯火を持ち寄り、来てくれているんだろう。
そして、ここに来て、何かしらの火を持って帰ってくれているのだと思う。
だって、また、もらった火を返しに来てくれるんだもんよ。
僕らやその人たちが、また違う集落やコミュニティ、会社、仲間内、家庭、なんだって良い。そういう場所に火を持ち帰って、そこで、それぞれの火を大きくできたら最高じゃないか。
そうやって、火は、巡り巡る。
自分で止めてはいけない。
それをわかってくれる人がここに来てくれているのだと思う。
だから、みんな、自分がもらった火をまた次の人に回すんだ。
みんな、最高だろ?
今、今って言うか、お金が生まれたんはいつなん?知らんけど。
その昔、お金というモノがない頃、火はとてつもない価値があったんやと思うのよ。
この集落の日が消えたから、あっちの集落の人が火をわけてくれたり、次の日は逆で、とか。
昔は火が回り回る天下の回りもんやったはずなのよ。
原始の頃はね。
でも、いつからか、天下の回りものは、お金になっちゃった。
でもさ、どうせ、循環させるなら、お金じゃなくて、自分の中の希望の炎を循環させたいじゃない。
そういう事なのです。
これからもずっと、灯火を持ちよる集落であり続けられたら、最高じゃないか。
そして、エピソード④でも書いただろ?
「A HAMLET」の名を、亀岡で、京都で、関西で、じゃなく、全国に轟かせたいって。
その先があるんだよ。
なぜ、このとある集落を全国区にする必要があるのか。
僕が関わらせてもらっている「南吹田琥珀街」もそうだけど、こういう事例をひとつでも、ふたつでも、つくる事に大きな意味があると思っている。
それによって、まだ出会っていない、今は風前の灯火のような、でも、とても価値のある、僕らなら救えるかもしれない集落と出会える可能性が増すはずだ。
だから今、僕らはこの集落で、今は小さいかもしれない灯火を少しずつ大きくしていって、この集落はもちろんの事、ここではないどこかの集落にも火を灯せたらと思っている。
その先に、また違う集落に灯された灯りで、小さな灯火を持った人たちが集まってくれて、その各々の中にある小さな火を大きくする事ができるんじゃないかと。
そうやって、希望の灯火が巡り巡る世の中をここから。
今はその始まりの始まりなのです。