「A HAMLET二期工事エピソード⑧土と人間の踊り。」
エピソード⑦の続きだな。
写真は9/9分。
今回のタイトルは「土と人間の踊り」
この日は、プロジェクトメンバーを含めた約20人で三和土(たたき)の施工を行った。
1期工事からのオールスターメンバーが続々と参戦してくれた。
粘土と真砂土と石灰を、ひたすら運んで混ぜて、混ぜたモノを室内に運んで、整えて、踏んで、叩いて、固める。
書き出すと、実に単純に見える工程。
それらを丁寧に時間をかけながら行う。
人の手で、人の足で。
素足で、土に触れながら、素肌でその温度を感じながら。
土を室内に運び終えると、まずは、裸足の約20人ほどの人類が、両の足で土を踏みしめながら、部屋に入場する。
しばらくすると、棟梁がスピーカーを手に持ち、口火を切って、土の上で踊りだす。
それに、みんなが続いて、踊る。
あれは、原始の光景だったな。
知らんけど、そもそもの祭りってこういう感じやったんちゃうの?
くらいの本能的なやつ。
だから、タイトルは「土と人類の祭り」でも良いかもしれない。
この日はあいにくの雨で、びしょ濡れになった約20人くらいの人類が土の上で踊っていたんだ。
とても暑い日だったから、あいにくの雨ではなく、恵みの雨だったかもしれないけど。
なんだよ。恵みの雨なんて書くと、祭り感増すじゃないか。
みんなが、思い思いに土を踏みしめてた。
その行為は、人類が普段忘れがちな何かを感じようとしているようにも見えたし、人類が長年かけて失って来た何かを取り戻そうとしているようにも見えた。
そして、同時に、そんな人類が何かを祝っているようにも見えた。
みんな、良い顔してたなぁ。びっしょ濡れだったけど。
そこに集まったみんなが、力を合わせて、自分ができる事をやっていた。
それはそれは、とても、美しい光景だったんだ。
あー、この「A HAMLET」の投稿をエピソード⑧まで書いてて、やっと気付いたなー。
僕は、そもそも、こういう事を書くために、一期工事から、みんなと一緒に住んで、一緒に作業をしていたような気がするなって。
これも、住み込み&現場入りのひとつの目的だったような、そんな事が僕の頭の片隅にあった事に今、気付いた。
この目線で見て、このレイヤーで体感して、心で感じた景色を言語化する。
ざまあみろ。頭。
二期工事の始まりから、体で動いてみて、心が追い付いて感じた事を手を通して文章化して、それを読んで、今頃、頭が気付きやがった。
おそ。
頭なんて、所詮、そんなもんだ。
ねぇ、頭で生き過ぎてないかい?現代人たち。
僕ら人類はいろんなモノを生み出したり、いろんなモノを手にして来たかもしれないけれど、失ってきたモノもたくさんあるんじゃないかな。
ここにいて、そう思う。
お金に繋がる行動ばかりの優先順位をあげて、いろんなモノを手放してきたんだろうなって。お金は本来、人間が生み出したものなのにね。
そんな現代人が失ったかもしれない、忘れてしまっているかもしれないモノがこの集落再生プロジェクト、いや、この集落にはある気がするんだ。
あなたは、土と踊った事はあるかい?
photo by @photoyuki