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2024年8月感想雑記

 こまごまとした軽い感想を残しておくための記事です。新しいものを上にして追記していきます。

 10月上旬に思い立って、6月の感想から書き始めて、すばらしい勢いで8月まで来た! すごい! 自分を褒めよう!


『禍』

  • このホラーがすごい! で近畿地方と並んで日本部門一位だったので読んでみた。

  • いきなりだけど、タイトル「わざわい」なんだよな。我が家でふざけて「まが」って言ってたら、前者にしっくりこなくなってしまった。

  • 描写がねっとり(といっていいのかな?)しててめちゃくちゃいいなー。アレなシーンだけど、小便の臭いたつ感じとかなかなかこう……。

  • アレなシーンの例を挙げたけど、いやしかし、この本は大当たりだった。すげえ面白かった。

  • どの話もよかったなあ。どれが特によかったかな……と、パラパラめくってみたけど、どれもよかったんだよなあ。ほんとにこれはすごい短編集だ!

  • 話自体もそうなんだけど、文章が馴染むんだよなあ。たまにそういう本に出会うと嬉しくなるんだけど、この本はほんと、文章自体が好みだったわ。

  • という感じでお嫁と2人してだいぶ絶賛した。

  • なんだろうな、話を語るのが上手すぎるというか……。小説を書くのが上手いとか、もっと大きくいって文章が上手いとかいうより、語るのが上手な人の話に聞き入ってるみたいな感覚かしら……。ニュアンスだけで言ってるけど……。

  • ホラーの案内本で知ったこの本だけど、感触的にはだいぶSF/ファンタジーの領域に近い。『グラン・ヴァカンス』がSFでありつつ描写的にホラーな雰囲気すらするのと似てるというか。巻末の作者紹介読んだら、ファンタジーノベル大賞とかSF大賞とか獲ってたので、なるほど。

『どこの家にも怖いものはいる』

  • このホラーがすごい! で、まず芦花公園が「生涯の推し作家」と三津田信三を挙げてたのと、テーマ別レビュー&コラムのコーナーで同作が挙げられてて、これは読まねば、と手に取った本。

  • これがホラーミステリーってやつか……! というジャンル初心者の触感。

  • てか、ホラーミステリーってのはどれくらいミステリーミステリーするんだろうか。たまにトリックとか出てくるのかな? 幽霊が壁抜けするとか……?(怒られそう)

  • ホラーというジャンルの幅広さから言っても、その辺は作品ごとにだいぶ振れ幅あるのかしら……というジャンル初心者の雑感。

  • 家と怪異が結びつくとホントつらいなあ……。生活がつらい……住居費がつらい……。

  • この本読んでる時にちょっと体調悪くなったんだけど……アレかな……障って……いや、台風のせいだ……きっとそうだ……。

  • 電車の中でお嫁がこれ読んでて、表紙見られたら完璧にやべえやつだなと思ったよ。ちなみに自分は禍を読んでました! やべえ夫婦!!!

『ほねがらみ』

  • このホラーがすごい! で紹介されてたのとホラーの扉で著者の短編が面白かったので読んだやつ。

  • 面白かったー! モキュメンタリーホラーの快作! 覚えたての言葉!!

  • エグさと不気味さと後味の悪さがいい。

  • 支離滅裂な怪文書的な部分(ワードサラダー! 覚えたての言葉ー!)を読んでて、脳が拒否する感じがした。ああいうのって、みんなだんだん上手に書けるようになるのかしら……とか思った。

  • 拡散に加担したくなるのもSNS向きだなー。

  • エンドレスずずずで、ひとつカマしたくなるけど、下手なことすると障りそうでいやよねえ……。

『ザ・ロード』

・実のところちゃんと読めたとは言いがたいんだけど、ポストアポカリプスの雰囲気と、もの悲しい美しさと、息子との会話を味わった本。
・いい読者ではなかったと思うけど、いい読書ではあった。

 飲んでごらん。
 少年は父親を見てから缶を傾けて飲んだ。それからしばらく考えるような顔をした。
 すっごくおいしいね、といった。
 そうだろう。
 パパも飲んで。
 お前に飲んでほしいんだ。
 でもパパもちょっとだけ。
 彼は缶を受けとり一口飲んでからまた返した。あとは全部飲んでいいよ。しばらくここに坐っていよう。
 それってもうぼくが二度と飲めないからでしょ?
 遠い先のことはなんともいえないな。
 わかった、と少年はいった。

p.29

 海の向こうにはなにがあるの?
 なんにもない。
 でもなにかあるでしょ。
 ひょっとしたら砂浜にお父さんと小さな男の子が坐ってるかもしれない。
 それけっこういいんじゃない。
 ああ。けっこういいね。

p.252

『フェイクドキュメンタリー「Q」』

  • 映像とも違う感じになるけど、文章のほうが解釈の幅は狭まるのでわかりやすくなった。そのぶん映像由来の怖さは減っていなくもない。

  • けど、文章的な怖さってのもあるよね。

  • 追加情報は、エピソード2,6,8が特に面白かった。8なんかはもう、身も蓋もない悲しさがある。動画では相談者の執念とか不気味さとか悲しさとかごた混ぜになって、なおかつファンの考察に対する批評性も勝手に感じてたけど、書籍で出てきた裏舞台がもう……。

『レーエンデ国物語 月と太陽』

「大切な者を奪われる痛みは、実際に奪われた者にしかわからない。故郷を奪われた僕らと、戻るべき故郷を持つ者とでは、おのずと覚悟も違ってくる。この戦いに僕らは命を懸けたけど、一部の民衆にとっては祭りの余興にすぎなかった。早すぎたんだよ、命懸けの戦いを始めるには。レーエンデには闇が、危機感が、絶望が足りなかったんだ」

p.515

 ここまで来たのに……そんな……っていう展開。ゲームオブスローンズのシーズンラス前話みたいな。

 テッサは曇天を見上げた。夜は暗く、風は冷たかったが、胸の中は温かかった。
「教育って大事だね」
 そうでしょう? という声が聞こえた。
「ほんと、そう思うよ」
 アレーテの言うことは、いつも正しい。

p.589

『自由慄』

・お嫁が「ホラー大喜利みたいな」って言ってたけどたしかにそんな感じだ。梨のエッセンス断片的に味わう本。美味しそう。
・全体的にわかるようなわからないような……でも雰囲気は好き、みたいな本だった。

人体構造では再現不可能なのにも拘わらず、中部地方で古くから伝わっている数え歌

茶碗蒸しから海老を探す行為が、感触と温度ともに最も近いといわれている

 同じページに載ってるこの2つが印象的。特に後者。すごい五感を刺激するよお……。

『現代奇譚集 エニグマをひらいて』

・このホラーがすごい! で知った本。
・なんとKindle Unlimitedで読めちゃう。YouTubeプレミアムに続いてKindle Unlimitedも抜けられなくなってる。まあ使ってるから断然お得でいいんだけども!
・地味な話が多くて、スパッとしたオチがつく話ばかりじゃないんだけど、それがまたいいというか、ありそうな感じがしてじわじわくる。

「さるってー、くびつりじさつしますかー」
 猿って首吊り自殺しますか?
 声は台本を棒読みで読み上げるようなニュアンスでそう言った。

 これがいちばんイヤーな感じでよかったなー!

『このホラーがすごい! 2024年版』

・ホラーきてるぅー! ホラー流行ってるぅー!
・自分はだいたいのものにおいて遅れて参加してる傾向があるので、自分が好きになったらそれはもう世間的にはだいぶ一般化してると思ってるんですけど、これに当てはまると2024年には完全に、すでに、とっくのとうにホラーが流行ってるはず。
・ジャンル低学年にはほんとありがたい本。ここからアレコレ読み始めました。

映像

『ヘレディタリー/継承』

  • 海外ホラー見ててわりと思うやつ。結局悪魔なんかーい!!!

  • まあそれはそれとして、なんだかんだ楽しく観てしまった。ホラーってだけで面白い年頃なのかも。

  • ところでアレルギー持ちの女の子が喉を鳴らすのって、アレやっぱ喉を舌で掻くみたいな動きをするやつ? なんか自分も子どもの頃から喉を舌でグイングインと掻くというか擦るというかする癖があったんだけど、それをミスるときにカコッて軽い音が鳴るんだよね。

『この子は邪悪』

  • お母さんみたいになりたくて練習したピアノ曲がやたらマイナー調なのが笑った。

  • ずっと不穏なんだけど、いまいち枠組みがわからず、どういう話になるのかな……? と思ってたら、玉木宏がすごいサイエンスのパワーの持ち主だったのでたまげた。

  • サイエンスがすごすぎてちょっと笑っちゃう感じになったけど、オチも含めて結構楽しみました。

『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』

  • 映像が強い! ハリーポッターはいま見ると序盤は結構牧歌的な映像だもんなあ。

  • ホグワーツレガシーのトランクはここからなのね。ていうか魔法生物がらみはかなりこっちから来てるのか。

  • それにしてもトランクの口がガバガバすぎるので修理に出したほうがよさそう。

  • 死刑の執行めちゃくちゃ怖いな! 回りくどいサイコホラーな感じの処刑!

  • しかし主人公の男の子、熱烈なファンがつきそうな雰囲気あるわねえ。自分も結構好きだけど。

『N号棟』

  • 入居できる廃墟……!

  • 2021年末にしてはレトロな画質すぎる作中カメラ。スマホで撮った方がいい気がする。そう、新しいiPhoneならね。

  • 死に恐怖しつつ惹かれてしまうイライラ系ヒロインなのかしら……。強気に怪奇に迫っていくわりに急に弱気になったり、そのくせやたらとキレてるので見てて嫌いになる人も多そう。

  • ミッドサマーみたいなこと? オカルトかと思ったらカルトだった、的な。

  • ところが生首は出てくるんだなー。

  • 元彼(死体)の脛に寝かされるヒロインの絵に笑ってしまった。

  • なんかわかるようなわかんないような話だったなー。

『何かおかしい2』

・1も楽しく見た覚えがあるんだけど感想メモが残ってなかった!
・とはいえ2ののメモには……

「これはうちの二階の階段です」
「ボールはそれです」
「世の中にはそういう方法もあるのか……って!」

 としか書かれていなくて、なにこれ怖い……と思ったけど、しばらく考えてたら思い出せたわ! ヤバいおばちゃんの話だったわ! めちゃくちゃよかったやつだわ!!!

音楽

『鯨の子』/Tele

・ひっさしぶりにまあまあな数の曲を好きになるアーティストと出会ったかも!
・ポップでキャッチーな軽やかさと、少し崩した歌いかたになるとこのエモーショナルさと、わからんから想像上のだけど現代っぽさと、気恥ずかしさもキワキワなんだけどその上で文学っぽさを感じる詩心と……。

『ロックスター』/Tele

・これも好きだなー。

『向こう髪』/君島大空

・Teleがまさにそうなんだけど、たまに出会う若い才能(おっさんの目線だ……)で思い出して、しばらく聴いてた。とにかくギターが上手い。
・PV見てたらお嫁が「これホラーだよ!」とか言い出すから、これだからホラーファンは……なんでもホラーに感じるんだから……あ、これホラーだよ!!!

行方不明展

・だいぶ梨ファンになったところでこのイベントを知って、ふだんあんまりリアルタイムな何かに参加しないんだけど、これは矢も盾もたまらずチケットを買った。異動したばっかりで大変だったんだけど(実は8月より9月、9月より10月のほうが大変になってきて、とても悲しい気持ちですが)、ご褒美というか息抜きというか。

8月のわんこ

 なんかこう……いつまでも「わんこ」ってのもなんだよなあ……どうしよう。河……谷……海……山……うみくんだな。
 というわけで8月のうみくん。

うみくんグッズをすぐに買ってしまう。夏なのでなんかついうっかり。かわいいねー! これ着て花火見に行ったけど、大きな音が怖かったみたいで足の間で丸くなってしまった。
少しでも涼しいところを、と山のお散歩。でも暑いよね。
ひまわりを見に行った。暑かった! 朝7時くらいだったけど、もうガッツリ暑くて、人間2人もバテバテになってすぐ帰っちゃった。
お水たくさん飲んでね。

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