子供の橈骨骨折

橈骨骨折といっても様々なものがありますが今回は子供の橈骨遠位端部骨折について書いていきたいと思います。大人の骨はガラスのように割れて折れることが多いですが、子供の骨はしなるので曲がって折れることが多いです。そのことを理解してレントゲンを見た方がいいです。
若木骨折とか竹節状骨折とか呼び名はありますが、そんなものはどうでもよくて、レントゲンを見てどんな転位をしているかを考えた方が良いです。
レントゲンの見方
①軸がどっちに倒れているか
②軸がどこで曲がっているか
③尺骨骨折を合併していないか

デカすぎる橈骨のシェーマ

この画像で①、②を考えて見ましょう

①のどちらに倒れているかは側面像で見ることが多いです。
なので
掌側or背側どっちに倒れているでしょうか?

どっち?

歳がバレます。

掌側に倒れている

これは線を引くとわかりやすいです。
橈骨の長軸と関節面に足して垂直に引いた線を見てみると掌側に傾いているのがわかりますね。これで①は解決です。

②は曲がっているところです。骨折部の輪郭をなぞっていくと明らかに不整なところが出てくるのでそこにマークをつけると良いです。

矢印が骨折端部

こうみると掌側の方が背側より遠位に骨折端があります。これを逆骨折といっています。
子供の骨折でよく起こることでこれで完全に骨折すると整復の難易度が一気に上がります。
この骨折は掌側に強い軸圧と屈曲力がかかり、掌側はぐしゃっと潰れるように曲がり、背側は強く伸ばされた状態となります。

整復は掌側の潰れた部分を引き出したあと、掌側に伸張力、背側に圧縮力をかけて整復しました。

シェーマでごめんね

掌側の潰れて曲がっていた部分も綺麗に整復できました。
レントゲンが見れるようになるとどう力をかけていいかが分かります。
皆さんも日々の臨床で忙しいと思いますが、レントゲンを見て考えてみてください。

次回尺骨骨折合併編!?

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ではまた

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