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それでも食べて生きてゆく 東京の台所 大平一枝

朝日新聞デジタルマガジン『&w』の連載「東京の台所」が好きで読んでいます。それが書籍化されたものです。

本でしか読めない部分や感じられない部分があり今回も購入しました。台所の持ち主の年齢や家族構成はわかりますが、持ち主本人の写真は載っていません。載っている写真は台所だけです。市井の台所を取材しまとめられています。著者の大平さんの文章が好きで書籍化を楽しみにしていました。

今回のテーマは喪失と再生。
恋人、親子、一人暮らし、シェアハウス、ジェンダー、別れ、死別、様々な立場の人々の事実が綴られています。

喪失と再生だけあり、喪失を経験した台所の主を思うと私は涙してしまった部分があったのですが、それでも食べなければ生きていけないので台所に立ち料理をし食べ、再生をしていく様子は希望を感じながらも胸が締めつけられました。思い出にすることはできても、忘れることはできないから。

見ず知らずの登場人物に微力のエールを送るとともに、この人達は今日も台所に立っていると思うとたくさんの栄養をもらえたように思います。帯に「何も失っていない人などいない」という言葉があり、心に響きました。

東京の…だけあって、東京に住んでいる方しか取材に申し込めません。私が東京に住んでいたら絶対ダメ元で申し込んでたなー

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