コロナによる行動制限下のハリラヤ
イスラム教徒にとって最も大切なイベント、ハリラヤを知っていますか?ハリラヤとは、断食明けのお祭りです。そして今はちょうどハリラヤの時期です。例年は親戚一同が家に集まり盛大にお祝いをするのですが、今年はコロナウイルスの影響で少し様子が違います…。
ハリラヤとは
ハリラヤとは、断食明けのお祭りです。イスラム教徒は年に一度、1ヶ月間の断食をするのを、なんとなく聞いたことがあるかと思います。私は、今回2度目のハリラヤを経験しました。
昨年のハリラヤは、マレーシアの中等学校で日本語アシスタントをしていたので、先生の家で過ごしました。先生の家には、たくさんの人が訪れます。次々とあらわれる訪問者に挨拶し、一緒に写真を撮り、食べる・飲むを繰り返します。私の周囲にいるマレーシア人をみてみると、兄弟姉妹が5人くらいは普通です(一番多かったのが12人)。その兄弟姉妹が結婚し、それぞれの家族を連れ実家に帰ってくる。さらに親戚やいとこも合わせると、家の中は人で溢れてとっても賑やかでした。ハリラヤは初日が一番盛大に祝われますが、お祭り気分は1ヶ月程続きます。
写真:去年のハリラヤ
行動制限下のハリラヤ
今年のハリラヤは、コロナウイルスの影響を受けて制限があります。例外を除いて州を越えて実家に帰ってはいけないこと。家で会食できるのはハリラヤ初日のみ、かつ近くで暮らす家族20人以下に限ること。等など。
私が暮らしているクランタン州では、他州に比べて工業化が進んでいないことなどから、十分な就職先がありません。よって、クアラルンプールなどの都市部に移り、働いているクランタン出身者は多くいます。今年は、その人々がクランタン州にある実家に帰れず、別々の場所でハリラヤを祝っています。
私はどう過ごしたか?
私はハリラヤ初日、職場の同僚の家を訪問して夕食を食べました。今年のハリラヤは、家で一人過ごすと思っていたので、お誘いがあった時は嬉しかったです。同僚家族と私以外の訪問者がいない、静かなハリラヤでした。
私は、同僚とは血縁関係的に家族ではありません。私を家族の様な存在として迎えてくれたと思うと、心が温かくなりました。マレーシアでの家族の定義は、私が考えるよりも、強く・広く・思いやりがあるものかもしれません。
写真:今年のハリラヤ
まとめ
コロナによる行動制限下のハリラヤは、普段よりも静かに祝われているようでした。私の周囲のマレーシア人は、家族との団結を大切にしています。家族と一緒に過ごせないことを、残念に感じているのではないでしょうか。私も沢山の人でワチャワチャした、あの光景が懐かしいです。来年は、平穏なハリラヤになることを願っています。