医療格差

2週間ぶりに会った父。気切が痛々しい。生きるために仕方ない。リハビリのために仕方ない。急な転院となり、転院した病院は選択肢がなく、そこしかないとのこと。受け入れてもらえるだけありがたいと思うしかない。呼吸器専門の病院。人工呼吸器が外れなければ何も始まらない。脊損のリハビリはないが仕方ない。大学病院の救命センターではモニターが常に監視していたが、ここではモニターは付けられない。あるのは人工呼吸器のアラームのみ。転院する時に予期せぬ死亡もありうると説明されたとのこと。つまり、痰が詰まることもあり得ること。苦しくてもナースコールは押せない父。モニターが必要だと思うが、呼吸器のアラームがあるから無しで良いとの判断なのか。。。福岡のあそこの病院なら、いやあそこでも?と思いは巡る。選べる病院がないことに医療の格差を感じた。とはいえ、もし、福岡に連れてくるとすれば、家族にとって知らない土地に行くのだ。そして、親戚と離れなければならない。そもそも人工呼吸器をつけた父を福岡まで運ぶことは物理的に難しい。

父が懸命に何か言おうとしている。「家に帰りたい」と言われた。「人工呼吸器ついてるし、まだ家には帰れない。リハビリして人工呼吸器外れないと難しいよ。」と私は嘘をついた。。。母と親戚がそのやりとりを見ていて後ろで泣いていた。仕事を辞めれば見れなくもない。看護師なのだから。吸引も経管栄養も体拭きもおむつ交換もなんだってできる。しかし、いろんなリスクをはらむ。何より、介護疲れでどうにもこうにもならなくなる。そして多分、私は父を恨んでしまうだろう。家族に優しく出来なくなるだろう。両親よりおそらく長く生きる私には私の人生がある。どこかで割り切るしかないのだ。苦しい。。。

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