2023.7.31 なぜポスターがIKEAのフレームに入らないの?
ポスターというのはどうやら、国ごとに規格が異なっているというのには薄々気づいていた。作家さんは当然知っていることだろうし、印刷所や出版社、額を扱っている専門店で働いている方にとっては、当たり前のことなのかもしれない。しかし、大きな紙のサイズについてまともに考えたことがなかった私はトラップにハマってしまった。
旅行の初日からお気に入りのポスター買う
昨年、会社員のなけなしの有給を使って10日間弱の欧州旅行に出かけた際に、あろうことか、初日のベルリンと3日目のボンでお気に入りのポスターを購入した。(普通はこんな持ち運びにくいものは買うべきではない。)前者はベルリン映画祭、後者はボン美術館の企画展のポスターだ。海外のポスターはフォントも文字の組み方も異なれば、イラストもかわいいので手に入れたかったのだ。どちらも800-1000円くらいで買えたので値段的にはお手頃なおみやげだ。面倒だったが、ずっと旅行中は手に持って移動していた。
ドイツの主流のポスターはA1
日本に帰国して、高い額はまだ自分には買えないなと思いIKEAの大きな額を購入したら、なんと!入らない。調べずに大雑把な感覚で購入した私が悪いのだが、ドイツのポスターはA1が主流らしい。IKEAで一番大きなポスター用のフレームは、500x700mm。ドイツのポスターは23 x 33インチで、584.2 x 838.2mm。はみ出てしまうのだ。
本末転倒、フレームに合うポスターを探すことに
がっくりきた私は、フレームに合うポスターを次に探すことにした。そこで、ポスターに合う額を探さずに、額に合わせて動き出した。今振り返ると理解し難い。せっかく、ドイツから買ってきたならフレームを探そうよ。しかし、その間違って買ったフレームにちょうど合うポスターが見つかった。それは、2022年の11月のTokyo Art Book Fairで見つけたフランス人作家aurelienさんのシルクスクリーンの作品だ。フランスのそのポスターはIKEAのB2の規格に寸分の狂いもなくピッタリとハマった。たまたまハマっただけかもしれないが、歓喜の舞!だった。
まだまだ続くよ規格トラップ
そこで、話は終わらない。最近、ホックニーの話ばかりしているが、スプリンクラーの絵画のポスターを購入した 。個人的な話で恐縮だが、2011年前後にヨークシャーに住んでいる友人を訪ねたので、その頃ホックニーは私と同じ空気を吸って絵を近くで描いていたのか…!と驚き、ヨークシャーの林のポスターにしようかとも一瞬思ったが、どうしてもやっぱり、ホックニーの水のモチーフの方にホックニーらしさを感じたので、水しぶきを選んだ。
水に濡れると涼しい、そんな単純なことを視覚的に部屋で思い出せるのは、ありがたい。狂ってしまった地球沸騰化の時代で必要不可欠なイメージだ。
しかし、そのスプリンクラーB2のポスターをるんるんで家に持ち帰ると、IKEAのB2のフレームに数ミリはみ出て入らない!なんで!
調べると、日本のB2(JIS)は515 x 728 mm。国際基準(ISO) のB2 は500 × 707 mm。比較すると、日本のB2の方がほんのちょっと大きい。
また私の部屋にフレームに入らないポスターが増えてしまった。おそらく、東京都現代美術館から発注を受けた会社は日本人の顧客を想定してポスターの制作を行なっているのだろうが、外国人がポスターを国に持って帰ったら「日本のB2規格かー(´·ω·`)」ってなると思う。どうかISOに合わせてポスターを規格してくださいますよう。お願いします。