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課題研究テーマサンプル(情報編)
この記事は中高生を対象に課題研究(自由研究)の参考として書いたものです。タイトルにもある通りソフトウェアを製作したり、既存のAIを活用することで、課題解決を目指す研究についてです。以下の題材を参考に、これらに肉付けしていく形で研究をしたり、文を書いたりすればよい研究になると思います。
AIを用いた顔画像の鮮明化技術の開発と応用
【研究動機】 防犯やセキュリティの観点から、顔画像の鮮明化技術が重要である。従来の画像処理技術では、画質の悪い画像から正確な顔画像を生成することが難しかったが、AIの発展によりその可能性が広がっている。これまでは画質の良い画像とそれの解像度を落としたものをそれぞれ学習させる手法を取ったが、この研究では顔の特徴を認識してそこからその人物の顔を推定するプログラムを用いて顔画像の鮮明化に取り組む。
【研究目的】 AIを用いて、画質の悪い顔写真から指定された通りの鮮明な顔画像を生成する技術を開発し、防犯カメラやセキュリティシステムにおける顔認識精度の向上を図る。
研究方法:
1. AIモデルの構築: PhotoMakerという顔の特徴を認識して、そこからプロンプトに応じたその人物の画像を生成するモデルを使用する。
2. 学習と評価: 防犯カメラの映像を再現した不鮮明な画像を用いて実際に元の画像と似た画像が生成されるか条件ごとに確かめる。
3. 防犯カメラへの応用: 開発したAI技術を防犯カメラの顔認識システムに組み込み、実際のシチュエーションでの精度を検証する。画角が高かったり、白黒の夜間映像であっても同様に使用できるかも検証する。
【研究結果】 研究により、AIを用いて画質の悪い顔写真から鮮明な顔画像を生成する技術を実現し、防犯カメラの顔認識精度が向上した。生成された画像は高い品質を維持し、人物の顔を正確に把握できることが確認された。
【展望】 今後は、さらなる学習データの拡充やAIモデルの最適化を行い、より高い鮮明化効果を実現することが期待される。また、防犯カメラやセキュリティシステムにおける実用化を進め、犯罪抑止や犯罪捜査の効率化に貢献することが見込まれる。AI技術の進化により、より安全な社会の実現に向けて研究を進めていく。
公共交通機関や建物内での毒ガスの広がり方のシミュレーションと危険性評価に関する研究
【研究動機】 熊本県でのバス内での毒ガス発生に関する訓練が行われていることを知り、公共交通機関や建物内での毒ガスの危険性に対する認識が高まっている。このような状況下で、プログラムを用いての毒ガスの広がり方や危険性を評価するためのシミュレーションが重要であり、災害時の適切な対応や防災策の構築に貢献することが期待される。
【研究目的】 Google Colabを利用したPythonプログラムを用いて、公共交通機関や建物内での毒ガスの広がり方をシミュレートし、危険性を評価することで、災害時における避難計画や救助活動の効率化を図る。
【研究方法】
シミュレーションモデルの構築: Google Colab上でPythonプログラムを用いて、地下鉄やバス、ビルなどの構造や通気システムを考慮したシミュレーションモデルを構築する。
毒ガスの挙動の解析: Pythonを用いて毒ガスの性質や挙動を理解し、シミュレーション上での広がり方を予測する。
危険性の評価: Pythonプログラムを通じてシミュレーション結果を分析し、毒ガスの危険性を評価し、適切な対策や避難計画の策定に役立てる。
シミュレーション結果の検証: 実際の事例や過去の災害データと照らし合わせて、Pythonプログラムによるシミュレーション結果の妥当性を検証する。
【研究結果】 Google Colab上でPythonプログラムを用いて公共交通機関や建物内での毒ガスの広がり方に関するシミュレーションが実施され、毒ガスの危険性が評価された。シミュレーション結果を元に、避難計画や救助活動の改善策が提案され、災害時の対応が向上した。
【展望】 今後は、Google ColabとPythonを活用してより複雑な状況や環境を考慮したシミュレーションモデルの開発や、リアルタイムでの情報提供システムの構築などを行い、毒ガス災害におけるリスク軽減や救助活動の効率化に向けて研究を進める。さらに、地域社会や行政機関との連携を強化し、安全で安心な社会の実現に貢献していく。
生成AIを用いた特定の人物としての回答プログラムの開発
【課題概要】 最近人気のある生成AIを活用し、特定の人物としての回答を得られるプログラムを開発する。通常のチャットGPTの機能に加え、感情のファインチューニングと特定のデーターの学習を行うことで、より特定の人物の性格や回答パターンに近い応答が可能となる。
【目的】
チャットGPTを使用して特定の人物としての回答を生成するプログラムを開発する。
ファインチューニングを通じて、生成AIの回答に感情や会話の方向性を付与し、より人間らしい対話を実現する。
特定の人物に関連するデーター(生年月日など)を学習し、必要に応じた回答生成を可能にする。
【手法】
チャットGPTをベースにして、特定の人物の性格や特徴を組み込んだ学習データを構築する。
ファインチューニングを行い、特定の人物の感情や話し方に沿った回答パターンを生成できるようにする。
特定の人物に関連するデーターを学習させ、生成時に必要な情報を適切に取得して回答生成に活用する。
【成果】
特定の人物としての回答プログラムを開発し、実際の対話シーンでの利用可能性を実証することができた。
感情や個性を持ったAIによる対話システムの構築に成功し、ファインチューニングから応用範囲を拡大することに成功した。
生成AIの活用方法に新たな可能性を示し、人間とAIのコミュニケーションに革新をもたらすきっかけとなるようなものができた。
【展望】 本研究を通じて、生成AIを用いた特定の人物としての回答プログラムの開発手法や応用可能性を探求する。AIの感情や性格を個別に設定し、よりリアルな対話を実現する技術の発展に貢献することが期待される。ただし、AI の危険性については慎重に確認するべきだ。
対話型生成AIの知的指数を調査するためのIQテストの開発
【課題概要】 対話型生成AIの知的能力を客観的に評価するため、共通のIQテストを製作する。AI開発において有用な問題を含んだテストを作成し、異なる種類の対話型生成AIに適用するものとする。また、今後のAI開発に能力確認テストとして使われ続けられる問題とする。
【目的】
対話型生成AIの知的能力を客観的に測定するための独自のIQテストを開発する。
AI開発に関連する問題を含み、実用的な知識や論理的思考力を要求するテストを構築する。
複数の対話型生成AIにテストを適用し、知的指数の比較や評価を行う。
【手法】
AI開発において必要な知識やスキルをカバーする問題を選定し、IQテストの問題群を構築する。
ロジックパズル、数学的思考、言語理解など幅広い分野から問題を取り入れ、AIの総合的な知的能力を測定する。
複数の対話型生成AIにテストを実施し、得点や回答パターンを分析して知的指数を算出する。
【成果】
AIの知的能力を客観的に評価するIQテストを開発し、テストの有効性を検証する。
AI開発における重要なスキルや知識を測定可能な問題を収録したIQテストの作成に成功する。
複数の対話型生成AIにテストを適用し、知的指数の比較や優劣の評価を行うことで、AIの能力向上に寄与する。
【展望】 本研究を通じて、対話型生成AIの知的指数を客観的に評価する手法を確立し、AI開発における知識やスキルの評価基準を提供する。さらに、AIの知的能力向上や教育分野への応用を促進し、人工知能の発展に貢献することが期待される。
カンニングを検知するカメラの開発
【研究動機】 テスト中のカンニングや不正行為が横行しており、公正なテスト環境を守る必要性が高まっている。生徒の集中力を保ちつつ、不正行為を抑止するために、カンニング対策装置の開発が求められている。
【研究目的】 本研究の目的は、テスト中の不正行為を検知し、監督に通知するカメラを制作することで、不正行為を減らし、公正なテスト環境を維持することである。
【研究方法】 カメラを教室に設置し、不審な動作を検知するためのセンサーやAIを搭載する。カンニングや不正行為とみられるパターンや動作を事前に学習させ、不審な動作が検知された場合は監督に通知する仕組みを構築する。
【研究結果】 本研究により、テスト中の不正行為を検知する装置の開発が進められ、不正行為の抑止に成功した。カメラが正確に不審な動作を検知し、適切な監督に通知されることで、公正なテスト環境を実現することができた。
【展望】 今後の展望としては、不審な動きを検知する技術の更なる改良や発展が期待される。また、本研究で得られた知見を防犯カメラの技術にも応用し、安全性の向上に貢献することが可能である。さらに、教育現場や社会全体において、不正行為の防止に向けた取り組みを推進していくことが重要である。