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課題研究テーマサンプル(電気編)
この記事は中高生を対象に課題研究(自由研究)の参考として書いたものです。タイトルにもある通り電子機器を製作することで、課題解決を目指す研究についてです。以下の題材を参考に、これらに肉付けしていく形で研究をしたり、文を書いたりすればよい研究になると思います。
高齢者を対象とした熱中症対策に関する研究
【研究動機】 近年、高齢者を含む熱中症による健康被害が増加しています。特に睡眠中の熱中症は早期発見が難しく、重篤な状況に至ることがあります。そこで、睡眠時に高齢者の体温を自動的に監視し、37.5℃以上の熱中症を検知し警告する装置の開発が必要と考えました。
【研究目的】 本研究では、赤外線アレイセンサを使用して睡眠中の高齢者の体温を検知し、37.5℃以上の熱中症を自動的に検出し警告音を鳴らす装置を製作することを目的とします。
【研究方法】
赤外線アレイセンサを使用して、睡眠中の高齢者の体温を非接触で計測する。
Arduinoマイコンを使用し、赤外線アレイセンサから得られる温度データを処理する。
37.5℃以上の熱中症を検知した場合、マイコンから警告音を鳴らす制御プログラムを組み込む。
【研究結果】 本研究により、赤外線アレイセンサを用いた睡眠中の高齢者の体温監視装置が開発されました。37.5℃以上の熱中症が検知されると、自動的に警告音が鳴る仕組みが構築されました。
【展望】 今後の展望として、睡眠中に熱中症の兆候を検知した際に、自動で扇風機を作動させるなど、より熱中症対策を強化した装置の開発を目指します。さらに、IoT技術を活用してリモートで装置を制御し、熱中症リスクをさらに軽減するシステムの構築を検討していきます。
地震早期警戒システムの開発
【研究動機】 日本は地震大国であり、特に学校内での地震発生時の被害を最小限に抑えるための早期警戒システムが必要です。高校生の安全を確保するため、地震を感知し、即座に避難行動を促す装置の開発が重要と考えました。
【研究目的】 本研究では、地震発生を感知し、学校内での避難を支援するための地震早期警戒システムを開発することを目的とします。
【研究方法】
地震を感知するためのセンサーとして、地震振動を検知する加速度センサーを使用する。
Raspberry Piを中心としたシステムを構築し、加速度センサーからのデータを取得する。
地震の発生を検知した場合、Raspberry Piが避難行動を促すアラームを作動させるプログラムを組み込む。
【研究結果】 本研究により、加速度センサーを用いた地震感知システムが開発されました。地震の発生を感知すると、自動的にアラームが鳴り、避難行動を促す仕組みが構築されました。
【展望】 今後の展望として、地震感知システムに位置情報を組み込み、具体的な避難経路の案内や教職員への通報機能を追加することで、学校内での地震時の安全確保をさらに強化していきます。また、AIを活用して地震の規模や想定被害を予測する機能の拡充も検討していきます。
ヘルスケア用のスマートウェアブルデバイスの製作
【研究動機】 高齢者の健康被害が増加しており、熱中症や体調不良のリスクが高まっている。睡眠中に体温、脈拍、酸素濃度を継続的にモニタリングすることで、早期の異常を検知し、適切な対応を取るためのデバイスが必要と考えました。
【研究目的】 本研究では、赤外線アレイセンサを使用して睡眠中の高齢者の体温、脈拍、酸素濃度を同時にモニタリングし、異常が検知された際には自動的に警告を行うスマートウェアブルデバイスを開発することを目的とします。
【研究方法】
赤外線アレイセンサを使用して、睡眠中の高齢者の体温を非接触で計測する。
心拍センサを搭載し、脈拍を計測する。
酸素濃度センサを組み込み、酸素濃度をモニタリングする。
ESP32マイコンを使用し、各センサから得られるデータを処理し、異常が検知された場合にはスマートフォンアプリを通じて警告を行うプログラムを組み込む。
【研究結果】 本研究により、睡眠中の高齢者の体温、脈拍、酸素濃度を同時にモニタリングするスマートウェアブルデバイスが開発された。異常が検知されると、自動的に警告メッセージがスマートフォンに送信される仕組みが構築されました。
【展望】 今後の展望として、さらに精度を向上させるためにセンサの最適化やアルゴリズムの改良を行い、より正確なモニタリングを目指します。また、異常が検知された際には、自動で救急車の呼び出しや緊急連絡先への通知など、より迅速かつ適切な対応が可能となるような機能の拡充を検討しています。
既存の家庭における安価なオール電化システムの実現に向けた研究
【研究動機】 オール電化の家が増え、より便利な暮らしが実現しつつあります。とはいえ、私たちが住む家をオール電化にしようとなるとリフォーム代等が非常に大きな負担です。従来の家電製品を活用し、家庭内での電力消費を効率的かつ持続可能なものに変革することが、環境と家計にとって有益であると考えました。また、生徒の家を実験的に利用することで、実践的な視点からシステムの改善を図ることが目的です。
【研究目的】 本研究では、既存の家電製品を活用しながら、音声認識や赤外線記録によって家庭内の機器をオール電化化し、省エネや利便性の向上を図ることを目指します。
【研究方法】
パソコンに音声認識ソフトを搭載し、スマートスピーカーとして利用する。
テレビやエアコンなどのリモコンの赤外線信号をパソコンで記録し、声やパソコンからの指示によって機器を操作可能とする。
ESP32マイコンを活用して、各家電製品との連携を実現し、電力の効率的な管理を行う。
Arduinoマイコンを使用し、リモコンの赤外線信号を再現。リモコンの機能を持たせる。
オール電化化された家庭内の電力使用状況をモニタリングし、省エネ効果や利便性の向上を評価する。
【研究結果】 本研究により、生徒の家において音声認識機能を活用したスマートスピーカーシステムと赤外線記録による家電操作システムが実現されました。家庭内の機器のオール電化化により、電力消費の効率化と利便性の向上が確認されました。
【展望】 今後の展望として、さらなる家電製品のオール電化化や電力管理システムの最適化を行い、家庭内の省エネ効果を高める取り組みを進めます。また、AIを活用して電力使用パターンの予測や最適な制御を行うことで、より効果的なオール電化システムの構築を目指します。
自転車の車輪に取り付ける速度センサーと走行距離計を組み込んだスマートトレーニング支援システムの設計と開発
【研究動機】 近年、高齢者や健常者の健康意識が高まっており、サイクリングなどの運動が重要視されています。しかし、従来のトレーニング支援システムでは、リアルタイムな速度や走行距離の計測が難しく、ユーザーが目標を明確に設定しにくい状況がありました。そのため、自転車に取り付けるセンサーを活用した革新的なシステムの開発が必要と考えられました。
【研究目的】 自転車の車輪に取り付ける速度センサーと走行距離計を組み込んだスマートトレーニング支援システムを提案し、屋内やGPSが利用しにくい場所でも正確な走行データをリアルタイムで取得し、ユーザーが運動への意欲を高めることを目指す。
【研究方法】
速度センサーとしてホール効果センサーを、走行距離計として反射型光電センサーを使用し、自転車の車輪に取り付ける。
Arduinoを中心としたマイコンボードを活用してセンサーデータの処理を行い、Bluetooth Low Energy(BLE)を用いたBluetooth通信でスマートフォンへデータを送信する。
【研究結果】 システムの開発に成功し、自転車の車輪に取り付けた速度センサーと走行距離計がリアルタイムで正確なデータを計測し、スマートフォンアプリで可視化されることが確認された。
【展望】 今後は、より省電力で効率的な通信を実現するために、システムの改良を行い、さらなる利便性と正確性を追求していく予定です。また、高齢者や健常者がより楽しくサイクリングを行えるような機能の追加や改良を行い、広く利用されることを目指しています。専用のアプリを開発して、ゲーム感覚で利用できるようにしてもよいと思う。
多機能加湿器の設計と開発
【研究動機】 加湿器は乾燥した季節や冬場に活躍する家電ですが、従来の加湿器では単純な湿度調整機能に留まっており、利便性や機能性に限界がありました。そのため、より高度な機能を持った次世代の加湿器の開発が必要と考えられました。
【研究目的】 次世代の加湿器を設計し、これまで以上に様々な機能を組み込むことで、ユーザーの生活をより快適にすることを目指す。
【研究方法】
空気質センサーを搭載し、室内の空気質や湿度をリアルタイムでモニタリングする機能を追加する。
スマートホームシステムとの連携機能を備え、外出先からでも加湿器の操作や設定が可能となるようにする。
加湿器内部にUV-C殺菌ランプを搭載し、加湿時に空気中の菌やウイルスを除去する機能を実装する。
【研究結果】 新機能の搭載に成功し、空気質センサーやスマートホーム連携機能、UV-C殺菌ランプを備えた次世代の加湿器が開発された。これにより、ユーザーはより快適で健康的な居住環境を実現することが可能となった。
【展望】 今後は、さらなる機能の追加や改良を行い、次世代の加湿器が一般家庭に普及し、健康促進や快適な生活をサポートすることを目指していきます。また、省エネや環境への配慮など、より持続可能な加湿器の開発にも取り組んでいきます。