「きっとこれだなぁ」と笑いを堪えながらわたしも食べた
「雨だけど涼しい本日」「晴れだけど暑い金曜日」のどちらに実家へ行くか悩み、「雨だけど涼しい本日」に決定。怪しい曇り空の下、降られずに駅まで行けたので「わたしの選択は正しかった」と褒めながら電車に乗った。
大学生はまだ夏休みだろうか、いつもは混む時間帯の電車が空いている。
ららぽーとへ行くバス停に多くの人が並んでいるのが見えたので、まだまだ夏休みなのかもしれない。
実家へ到着すると妹が子をあやしていた。わたしと母がいるので子を預けてショッピングモールへ出掛けることになっていたので支度をしていたらしいが、化粧の途中で泣かれてしまったのか眉毛が片方しかなく妙な顔面になっていた。お互いに笑う。
そのうちに大伯母もやってきて少々わちゃわちゃ。
「子が泣くのを気にしているといつまでたっても出掛けられないよ」と促し、大伯母が妹を送ってくれるというので見送った。
母の作る昼ごはんを食べる。
食卓に座ると照明が変わっていることに気づく。この家を建てて数十年だと思われるが、照明を変えたのはこれが初めてだった。長年の歴史が天井に茶色く残っていた。
声を出すようになった甥の言葉のような発声に返事をしながら、妹の帰りを待つ。泣きそうになったところで空のペットボトルをベコベコと鳴らすと「これは知らない音だ」と耳を澄ませて泣くのをやめると聞いていたので、母が恋しく泣き出したところでベコベコと鳴らし、頭を繰り返し撫でるとスッと寝た。
妹が帰宅。
機嫌が良さそうな顔で、久々の外出に気分転換ができたようだ。
大伯母が持ってきてくれたシャインマスカットを皆で食べる。大きく立派で高いものだろうと想像できたが、甘さが強すぎて進まない。甘すぎるシャインマスカットは好きじゃないことを知った。程よく酸味求む。
雨は降らないまま夕方を迎えた。
帰宅時の高校生がたくさん乗る電車に揺られる。
このまま帰ると中途半端な時間になるなと、以前から気になっていた店に寄り楽しむことにする。
最近デパ地下にオープンしたジェラートの店へ。
店前にはベンチがあり、男性1人と女性2人が黙々と食べていた。
「きっとこれだなぁ」と笑いを堪えながらわたしも食べた。
オイシー!!!
アイス欲に火が付き31へ行きアイスをハシゴする。
マロンマロンが微妙で凹む。
接客してくれた坊主の男性が可愛らしい方だった。わたしより美しくメイクされていて、あまり見てはいけないと思いながらもつい顔を見てみたくなってしまった。声もわたしよりずっと美しかった。
帰宅して玄関の電気をつけると空間が病院になる。茶色い合皮のようなスリッパが並んでそうな玄関だ。これは何だと考えると恐ろしく照明が青白いのだ。どうやら電球を交換してくれたらしいが、それがあまりに病院のような色で気分が悪い。洗面所の電球と交換しもらうと病院さは消えた。そしてその青白さが洗面所へ行くと、洗面所が清潔そうな空間になった。光のイメージとはすごいものだなと感心する。
夜ごはんは酒と魚肉ソーセージで済ませ、眠気と疲れで早々に風呂に入る。
すっかり秋の夜。窓を開けたままだと風邪をひきかねない涼しさだ。
短パンのパジャマに後悔しながら薄掛けに潜って寝た。