フリーランスの報酬交渉術とパラサイト
ライターに限らず、フリーランスが悩まされる仕事のひとつといえば何といっても報酬の交渉ではないでしょうか。
先週2件新規案件の打ち合わせをしたけれど、両方ともなんとなくモヤモヤ感が残るものとなってしまった。
1件目:報酬が見合わない!
事前に聞いていた料金と実際に提示された金額にかなりの開きがある案件。どうやら業績があまり良くなく、料金改定になってしまったそうだが「せめて事前に言ってほしかった…」というのが正直な気持ちだった。
元々提示されていた金額もかなり厳しかったので、これ以上は難しいと思い、業務内容を説明されている間も正直「どうやって断ろうかな…」で頭がいっぱいだった。
2件目:投稿作業は報酬外?
記事作成の仕事で、それ自体は報酬にも仕事内容にも納得していた。
しかし、Webライターあるあるだが、Wordpressへの投稿も依頼されることに。私は簡単な投稿だったら無料でお引き受けしているので、うっかり了承してしまったためにややこしい話に発展。ついにはSNS投稿まで依頼されることとなり、そこはさすがに「すみません」と断ってしまった。
こういう時に限ってクライアントがいい人
この2件に共通していえるのは、「クライアントがとてもいい人」ということで、正直かなり断ろうかどうか迷った。なんとか勇気を出して断ったときも相手にものすごく謝られてしまい、良心がキリキリと痛んだ。
そこには「今回引き受けておけば、今後良い仕事を紹介してもらえるかも…」という打算があったことも事実です、ハイ…。
でも、この6年を振り返るとそういった目論見は大抵外れる。しかも報酬を渋るクライアントほど注文が多い傾向にある。これは多くのWebライターが言っているから、あながち間違いではないだろう。
おそらく苦しい予算から報酬を捻出しているので、1円の重みが余裕のあるところと違うのだろうなと思う。
報酬交渉は金額だけではなく、仕事内容や人間関係などさまざまな要素が絡んでくるので本当に難しいし、正解がない。情に流されて相場より低い報酬で引き受けるのが悪いとは言い切れないけど、
自分である程度のラインを引いて、ちょっとずうずうしくても提示していくのがベストと個人的には考えている。
ライン以下で引き受ける仕事は大抵雑になるし、ストレスがたまるばかりで大抵自爆してしまう。私だけかもしれないけど(笑)
昨年映画館で鑑賞した「パラサイト」を金曜ロードショーで見た。
一見、半地下家族が金持ち一家に寄生しているように見える映画だが、実は安値で雇えるのをいいことに、立場が下の者に寄生している金持ちという皮肉も込められていることを解説で知った。
パラサイトにはなりたくないなと思った。する側にも、される側にも。