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京葉線快速縮小問題を考える⑤検討整理とまとめ

これまでの検討整理とまとめ

第5回では一旦まとめとして、京葉線の理想的なダイヤ形態と実現可能性を考えたい。

通勤快速の再検討、京葉快速の再検討の項で記載した通り、平日朝上り・夜下りにおいて近距離での混雑平準化に対応した新しい通勤快速を検討した。これを踏まえた、新しい停車駅一覧は以下の通りとなる。

新しい通勤快速設定時の停車駅一覧

京葉線の輸送形態は平日朝夕と日中で異なる。朝夕は武蔵野線の蘇我方が海浜幕張まで直通し、京葉線各駅停車は蘇我まで走る。一方で日中は武蔵野線は南船橋で折り返し、京葉線各駅停車は半数が海浜幕張で折り返しのうえ、京葉快速と接続する。この差が快速の明暗を分けたものと理解している。

海浜幕張〜蘇我間は武蔵野線直通がないことから、快速と各駅停車で等間隔にすることが求められ、東京方が不均衡になる。快速が早い分空いたところに武蔵野線を入れているが、どうしても京葉快速に混雑が集中してしまい東京方も均等化したい、とするロジックであろう。

この状況において朝夕の優等種別を設定するならば、混雑する新浦安以西を各駅停車として混雑を平準化、新浦安以東を速達輸送とするのが落としとごろと考え、新しい通勤快速とした。停車駅選定は悩ましいが、この時間帯は各駅停車が蘇我まで走ることもあり、検見川浜〜千葉みなとを通過させ東京方停車駅増とのバランスを取った。南船橋は武蔵野線直通が多い時間帯でもあり通過としている。海浜幕張と南船橋停車是非はさておき、混雑平準化と速達輸送を両立させるならばこれがベターと考える。

その新しい通勤快速は平日の朝上りと夜下りに房総直通列車として設定し、所要時間は45分程度を想定する。設定時間帯は各駅停車が蘇我直通となるため、海浜幕張で各停接続する(朝上りは新習志野で通過追い越し)。

京葉快速は混雑への考慮が少ない時間帯への設定とし、下り9時台から22時台(平日18時台以降は通勤快速)、上り6時台から18時台(平日8時台以前は通勤快速)の運行とし毎時2本を基本に設定、原則として海浜幕張折り返しの各駅停車を組み合わる想定としている。

快速の運行本数

新しい通勤快速、京葉快速の合算で記す。

平日の下り基準で、9時~21時台まで毎時2本、22時台は1本運転の計27本となる(うち夜間は通勤快速10本)。上りは6時~8時台に新しい通勤快速6本、9時台~18時台に毎時2本の京葉快速20本の計26本となる。上下合計53本となる。

休日は10~15時台に毎時2本で片道6本・往復12本が加わり、上下合計65本となる。快速運転本数の推移は以下の通り。

【平日】
2023 2024 私案
59本→24本→53本

【休日】
2023 2024 私案
89本→47本→65本

快速復元後のダイヤイメージ

実際には綺麗なパターンダイヤとはならないと考えるが、イメージとして記す。

まず平日夜下りパターン。新浦安以西で各駅に停車し、以東速達となる新しい通勤快速を軸に、平日下りのピークとなる18時台と、各停本数が減る21時台をモデルとした。

平日の夜下り想定パターン

次に休日の夜下りパターン。
蘇我以遠で平日と同ダイヤとなる房総直通列車を京葉快速としてこれを軸に休日ダイヤを想定。各停の一部を海浜幕張折り返しとし、京葉快速と接続するダイヤとした。

休日の夜下り想定パターン

最後に朝上りのモデル。
2023年ダイヤをベースに、内房線・外房線から来る列車を新しい通勤快速として設定、平行ダイヤとなる新浦安以西は最大本数を設定している。
休日は京葉快速の設定とし、途中追越しせず海浜幕張始発と組み合わせた。

平日と休日の朝上り想定パターン

(独り言)
……特急邪魔だなぁ。混雑平準化とか言うなら特急廃止すればいいのに。

現実的な落としどころはどこか

本note掲載のさなかにも、千葉県・市に加えて内房線・外房線沿線自治体からもJR千葉支社に改善要望が出され、事態は混迷を極めている印象を受ける。2024年3月のダイヤ改正そのものは行われるであろうが、JRにとっても沿線自治体との関係がこじれたままではなんらメリットはない。ここまで反響が大きいとJR側もなんらかの手は打たざるを得ないものと考える。「なんらかの手」はこれまでJR側が「最大限できることを考えたい」とする回答となる。

当初は黙殺ないし特急の京葉線内追加停車程度と予想していたが、本稿掲載現在では、短期的に自治体要望に応える臨時快速(通勤快速)の設定、中長期的にダイヤ改正を行い一定程度の快速復元を予想する。

抜本的には停車駅の見直しがベターと考えるがハードルが高いのも事実で、旧ダイヤをベースにした復元、すなわち平日朝上りは内房線・外房線から各1本の通勤快速、対幕張メッセ需要を踏まえた日中時間帯の京葉快速復元(9~18時台)と夜下りの速達需要が高い内房線・外房線直通とが成されれば、御の字ではなかろうか。

おわりに

以上が、30年来の沿線住民兼鉄ヲタの私見となる。
本稿においては京葉線内に完結した検討を行ったが、前提として直通先である内房線・外房線、そこから波及する総武快速・横須賀線や湘南新宿ライン、さらにはより多数の列車が絡む武蔵野線の検討なくして成立はしない。のみならず、車両や人員の手配の検討も必要で、本稿が素人による机上の空論であることは承知のうえで行っている点は、ご了承いただきたい。

今後も住み続ける(予定の)沿線住民兼鉄ヲタとして、京葉線が少しでも使いやすい路線となることを願ってやまない。

※本稿は2023年1月12日現在の状況に基づき記載しています。

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