韓流時代劇でたまに聞く〈하오〉また〈하게〉って一体?

韓流時代劇で、昔の黒い緩やかなとんがり帽子(現在あれを〈ヤンバンカッ〉というらしい)をかぶった男子が
〈뭐 하오?〉
〈잘 하게〉
こういう風に言っているのを聞いて、??と思いこれらの言い方について色々と本で調べてみた。

結論的にこういう言い方は、無理やり日本語に訳すと
→〈同輩語〉〈同僚語〉とも訳せそうなものらしい。
つまり〈自分と同等的立場の相手方と共有する言い方〉というものらしい。
この自分と同等的立場、というと具体的に・・・
・昔(封建時代)でいうところの同じ身分の関係
・現代でいうところ、会社の同僚関係
(以下現代でいうところ~略す)
・現代で~夫婦関係
・現代で~同年代
といったもの。

私の記憶では韓流『花郎(ファラン)』でこの語末〈오〉の系をしばしば聞いた。ドラマでは同じ花郎同士この系を言っていたが〈花郎〉たちはドラマではバリバリで同輩関係にあたろう。

なお調べると、この同輩系もいろいろあると判明した。
①発音イントネーションで意味が調節されうるもの。
오(パッチムなし) 소(パッチムあり)

뭐 하오?(오の発音やや伸ばす、→何してる?)
어디 가오?(오の発音やや伸ばす、→どこ行くの?)
비가 오오.(오の発音やや下げる、→雨が降ってるね)
뭐 찾소?(소の発音やや上げる、→何探してるの?)

②母音〈ㅔ〉を軸にしたもの。
게(指示、頼む、促す)
빨리 하게.はやくして。
좀 가지고 오게.ちょっと持ってきて。
전화하게. 電話してね。

네(感嘆、伝達の強調)
경치가 좋네! 景色がいいなあ!
나 이렇게 생각하네. 私はこう思うんだよ。

세(誘導)
같이 가세. 一緒に行こう。

これらを使う相手方にやはりㅔが軸の2人称代名詞〈자네〉がある。
자네, 좀 묻네. 君、ちょっと訊きたいんだが。

これら同輩系は自分より年少者に使われることもあるが
その時は、その相手を自分の立場に〈引き上げ〉ているということらしい。つまり年少者への謙譲、とでも言えるのかもしれない。

ただ、これら同輩語は現在、韓国では若い世代の間で全然使われていないということである。私が韓国にいた折、ご年配の方が話していた記憶がある。個人的にはこれらの語の響きが好きなのだが・・・また復活しないだろうか。

完全余談だが、
〈花郎(ファラン)〉とは新羅時代の男性軍事・文化的集団を表した言葉らしいのだが、この言葉は新羅よりずっと後世に、〈男性の占い師〉〈男性の音楽家〉の意味でも使われたらしい。

韓国語では〈ファレンイ〉というと ①粋男 ②遊び人 の意味があるらしいのだが、これらも〈ファラン〉という語から派生したという説もあるという(真相は不明)。


 

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