夢に豚が来るとお金が入るー韓国の夢占い(韓国の俗信①)
韓国には、昔から夢で豚に会うとお金が入ってくる、という俗信というか、夢占いがあるらしくこれは〈テヂックム〉といわれる。テヂは豚のことで、ックムとは夢のこと。昔の韓流ドラマでたまにこの単語がセリフで出てきたし、確か1950年代の白黒時代の韓国映画で同名タイトルの映画もあった。その映画は騙された夫婦がまだ幼い息子までも事故で亡くす、という悲惨極まりない内容だったが。
ところで俗信好きの私がいろいろ調べたところ豚のみならず、
〈蛇〉も韓国で夢に出てくるとマネーが入ってくる、という夢俗信が過去にあったことがわかった。過去なので、これは現在のように南北分断になる前の俗信である。
〈夢で部屋に蛇が入ってくると金の入る前兆〉
なのだという。
実は日本でも、夢で部屋に蛇が来ると臨時収入あり、という俗信があり
これは昭和の日本の雑誌『ティーンズロード』で確認した。
話によると、蛇の皮膚表面の様子と昔のお金(銅貨か金貨?)の見た目が似ていることから来た俗信・・・との見解もあるという。俗信は、素朴すぎる昔の人の発想をいっている部分が多分にあると思う。
朝鮮半島は実は、分断以前は俗信が外国の例にもれず多くて、
夢俗信もいろいろあったことが調べてみてわかった。マニアックにも列挙してみると、
・被害被る夢は吉事の前兆。逆に被害を誰かにくらわす夢は不幸の前兆。
・歯が抜ける夢は凶。
・龍の夢をみた女性は男を産む。
・男が馬に苦しめられる夢は女が、女が牛に苦しめられる夢は男を産む知らせ。
・風呂に入っている夢を見ると酒をもらうだろう。
・正月1日初夢に家が火事になる夢をみるとその1年は吉となる。
・夢に牛が来ると祖先に会ったに同じ。
といったもの。
ラストの〈夢に牛が来ると祖先〉はまったく意味不明的だ。ところで、これは私が資料を読んだ上での私見になるが、
朝鮮の昔の民間信仰では、あの世でもこの世と同じく生活があって、死者は食べものに日常生活品、そして家畜を必要とした。つまり祖先が夢に来た…というのは、血縁者に家畜の牛を求めてのサインだと解するわけである。
民間信仰では、死んだ家族は食べ物やまた生前の愛用品を求め
遺族にサインを出す、といったそうだ。ところでこのサインとは〈疾患〉だった。つまり遺族は、病を恐れてお墓に食べ物を備えることは勿論、生前愛用品は遺族が保管せず必ず他者に預けた、という記録もある。死者は愛用品を取りに遺族のところに来て、遺族に憑いて疾患さす・・・と一部の人は信じたからである。
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