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指導の軸を改めて考える
目次
結論:指導の軸を考える
練習方法の考え方(カオス・フラクタル練習)
自分の指導の軸を考える(男女の違い、経験談を含む)
まとめ
参考文献
結論 指導の軸を改めて考える
指導の軸をしっかりと考えることは、指導者にとって不可欠な要素です。私自身もこれまでさまざまな練習方法を試行錯誤しながら、この「指導の軸」を考えてきました。本記事では、指導の軸とその背景にある考え方を書籍を引用して整理し、共有していきます。
2025年1月14日、YouTubeチャンネルKATZ HOOPにて配信。
練習方法の考え方
練習方法を考える上で、これまでも色々と試してきました、その中で重要なのは「カオスな練習」と「フラクタルな練習」と書籍でも解説されています。これらの考え方は、単なる技術習得を超えた「思考力」や「応用力」の向上につながると感じています。
カオスな練習
「カオス」とは、単調ではなく、選手が即興で対応を求められるような状況を指します。たとえば、練習中に予測不能な変化を作り出すことで、選手の判断力や柔軟性を磨きます。この方法は、特に試合中に起こり得る不測の事態に対応する能力を養うのに有効です。フラクタルな練習
「フラクタル」とは、一部が全体を反映しているという数学的概念ですが、ここでは練習内容に応用されています。つまり、小さなプレーの中に試合全体の要素を組み込む練習を指します。たとえば、1対1の状況でもチーム全体の動きや戦術が理解できるように設計された練習を行うことが、選手の総合的なスキル向上につながります。バスケのコートにはラインが引いてありますが、小さな練習でもそのラインを使うなど、そういうことを組み込みましょうという話です。
自分の指導の軸を考える
私自身、指導を通じて次の3つのポイントを改めて考えるきっかけになりました。
判断基準を磨く練習
バスケットボールは、瞬時の判断が勝敗を左右するスポーツです。そのため、選手が状況を分析し、自ら決断できる力を養う練習を重視すべきと考えます。たとえば、セットプレーだけでなく、選手が自由に動けるオープンプレーの練習を取り入れてなどです。男女の練習の違い
男子と女子では、思考パターンや身体的構造に違いがあります。たとえば、女子選手の場合、細かい動作の精度や柔軟性を活かしたプレーが重要となるため、その点を意識した指導の方が生きる場合があります。一方で、男子選手はスピードやパワーを活かした指導が必要です。同じ内容でも工夫を加えることで、選手それぞれの特性を最大限に引き出すことを目指してみようかと思います。個別練習と総合練習のバランス
個別練習で基礎技術を磨きつつ、それを総合練習で応用するプロセスが重要です。たとえば、パスやシュートの基本練習を行った後、それらを試合形式の練習で実践してもらうことで、選手が「使えるスキル」として定着させられるようにすべきと考えます。
まとめ
指導の軸を持つことで、選手一人ひとりの成長を最大化することができます。今回紹介した「カオスな練習」「フラクタルな練習」、そして自分自身の経験を踏まえた指導の工夫が、指導者としてまた新たな展開になると考えています。
参考文献
『楽しく上達 女子バスケットボール入門 サガジョメソッド』は、相模女子大学中学部バスケットボール部を全国有数の強豪校に育て上げた田島稔氏による一冊です。本書は、「全員がワンハンドでシュートを打つ」、「基本や基礎を大事にする」、「動き作りと体作りをする」の3つを柱とした「サガジョメソッド」を詳しく解説しています。特に、中学生から世界基準の技術を習得するための具体的なトレーニング方法が紹介されており、女子バスケットボール選手や指導者にとって貴重な指南書となっています。
著者紹介:田島稔(たじま みのる)
1965年、神奈川県生まれ。神奈川県内の県立高校で21年間バスケットボール部の顧問を務めた後、2008年に相模女子大学中学部へ着任。「世界基準の選手を中学生から育てる」をモットーに、様々な分野の指導者から指導方法を吸収し、独自の理論でチームを全国有数の強豪校に育て上げました。2023年1月に行われた全国大会Jr.ウィンターカップでは、これまで果たせなかったベスト8の壁を破り、堂々の3位という成績を収めています。
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