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運動と薬、どちらが効く?

最近、英国スポーツ医学ジャーナル(BJSM)で発表された「運動、薬、またはその両方の効果を比較した研究」を元に、理学療法士としての視点を交えて解説します。

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— British Journal of Sports Medicine (BJSM) (@BJSM_BMJ) December 15, 2024



目次

  1. アブストラクトの要約

  2. 運動と薬、それぞれの効果

  3. 理学療法士の視点

  4. 結論と実生活への応用

配信情報
この記事はKATZ PHYSIOにて、2025年1月27日に配信予定です。
タグ

  • 糖尿病治療

  • 運動の効果

  • 理学療法士の視点


アブストラクトの要約
この研究では、運動、メトホルミン、そしてその組み合わせが糖代謝に与える影響について解析しました。以下が主な結果です:

  • 前糖尿病(Prediabetes)
    運動は、HbA1c(ヘモグロビンA1c)や2時間血糖値、HOMA-IR(インスリン抵抗性指標)において、メトホルミンよりも高い効果を示しました。一方で、空腹時血糖値に関しては両者同程度の効果でした。

  • 2型糖尿病(T2DM)
    メトホルミンはHbA1c、2時間血糖値、空腹時血糖値で運動よりも優れた効果を示しました。ただし、運動とメトホルミンの併用が最も効果的で、特にHbA1cと空腹時血糖値の改善に寄与しました。

  • 運動の種類
    有酸素インターバル運動や複数の運動形式を組み合わせた運動が、糖代謝改善に最も効果的でした。


運動と薬、それぞれの効果

  1. 前糖尿病の場合
    運動が優れた効果を持つため、運動を中心とした介入が推奨されます。特に、有酸素インターバル運動や多様な運動を組み合わせる方法が効果的です。

  2. 2型糖尿病の場合
    メトホルミンが単独で優れた効果を示すものの、運動を併用することでさらなる改善が期待できます。特に、生活習慣改善を含めた総合的なアプローチが重要です。


理学療法士の視点
理学療法士の視点から、この研究の結果は非常に示唆に富むものです:

  1. 運動指導の役割
    運動が薬に匹敵する効果を持つことから、適切な運動指導が治療成功の鍵となります。患者さんの状態に応じた運動プログラムを設計することが求められます。

  2. 併用療法の重要性
    メトホルミンとの併用が特に2型糖尿病で効果的であることから、医療チームとしての連携が重要です。薬物療法と非薬物療法を組み合わせることで、より良い治療結果を目指せます。

  3. 運動種類の選択
    有酸素運動や多様な運動形式を推奨することは、患者さんの満足度や継続性を高める上でも効果的です。


結論と実生活への応用
運動は前糖尿病では薬以上に効果があり、2型糖尿病では薬との併用が最も効果的です。この研究結果は、治療の選択肢を広げるとともに、運動が治療の中核を担う重要な役割を果たすことを示しています。
日常生活において、無理のない範囲で運動を取り入れることが、糖代謝改善と生活の質向上のための第一歩となるでしょう。


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