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HTO高位脛骨骨切り術のお話ざっくり
はい!こんちわKATZです!
今日のテーマは「HTOをざっくりまとめてみた」
これについて解説をしていきます。
今回の参考文献はこちらになります。
関節外科 Vol.38 No.9(2019)
https://richlink.blogsys.jp/embed/84611708-4b23-31a7-bbfd-1ae8c70f651d
目次
HTOについて
PF関節とOA進行の話
DTOと脛骨粗面の話
HTOと膝蓋骨の話
まとめ
HTOについて
まずHTOについてざっくりまとめました。簡単にいうと2種類に分類されます。
HTO(High Tibial Osteotomy、高位脛骨骨切り術)は、膝の内側膝関節症を持つ患者に対して行われる手術で、膝の痛みや機能障害を改善することを目的としています。この手術には、OW(オープンウエッジ)とCW(クローズドウエッジ)の二つの主要な方法があります。
### OW(osteotomy with opening wedge)とCW(osteotomy with closing wedge)- **OW**: この方法では、脛骨の一部に楔形のスペースを開け、その隙間に骨片や材料を挿入して脛骨の角度を変更します。これにより膝の内側の圧力が減少し、外側に負荷が移動します。→ざっくりまとめると「脛骨の内側からウエッジを入れるやつ」です。
- **CW**: こちらは脛骨から楔形の骨片を切り取り、切り取った部分を閉じることで脛骨の角度を変更します。結果として、膝の外側への負荷が増え、内側の痛みが軽減されます。→ざっくりいうと脛骨の外側を切って角度を調整するやつです。
どちらの方法も、膝の負荷の再分配を通じて症状の緩和を図るもので、適用される患者の状態によって最適な手法が選ばれます。
元々はHTOとして言われていた脛骨骨切り術、最近は進化を遂げていてAKO(膝周囲骨切り術)とまとめて言われたりします。AKOをまとめると
DTO:脛骨粗面下骨切り術
DFO:遠位大腿骨骨切り術
TCVO:脛骨顆部外反骨切り術
DLO:ダブルレベルオステオトミー
などなど
こちらの記事も参考になります。
https://richlink.blogsys.jp/embed/c46e0763-0413-3ab5-8e5c-991a00e81b2a
PF関節とOA進行の話
HTO(高位脛骨骨切り術)High Tibial Osteotomyは内反変形のある変形性膝関節症や大腿骨内顆壊死症に有効
その中でもOWHTO(内側開大式)Open WedgeのHTOは腓骨神経麻痺などのリスクが少なく、シンプルで安全な手術法として主流となっている
しかしながら術後の膝蓋骨の位置が低くなることや膝蓋大腿関節のアライメント不良が生じるという報告があった、OWHTO後のPF関節のOA進行はX線像で27%、関節鏡検査で45%の症例に認められたという報告があり、PF関節の接触によるOA進行が危惧されている。
そこで推奨されてきたのがDTOというものである。
DTOと脛骨粗面の話
OWDTO:Open Wedge Distal Tuberosity Tibial Osteotomy
脛骨粗面の遠位をbiplane cutする→脛骨粗面がカットされてスクリューで止めることになるのだが
その隙間が開大してしまうことがあるので荷重や運動処方は慎重である。
要するにSLRは座位の膝伸展の可否は医師と相談して進めていく必要がある
簡単にいうと脛骨粗面の開大が増大すれば骨癒合に影響があるよって話
文献の例では、それをスクリューではなくヒンジにして円弧骨切り術(arc osteotomy)にしたというお話
その後のリハビリ処方は1wでPWB部分荷重、4wでFWB全荷重、12W以降で骨癒合が得られていればジョギング可とした。
それによると利点としては膝蓋骨低位に伴うPF関節のOAリスクの低減、脛骨粗面の皮質骨の連続性が保たれている、骨癒合が促進され、術式では膝蓋腱周囲の愁訴も少なく可動域の回復が早いとされている。
欠点としては無理に調整するとヒンジの骨折や神経血管損傷のリスクもあることを説明している(ざっくりですまんな)
まとめとして100例ほど試したが術後の合併症は通常のOWDTOと同様であったとしている。
関節外科Vol.38 No.9、P21にわかりやすい図がありますので参考にしてみてください
んでもってDTOの場合は切り口に特徴があります、こんな感じです。
![スクリーンショット 2024-05-11 6.35.03](https://assets.st-note.com/img/1716512847-06GkWMwAV1.jpeg)
矢状面から見るとこんな感じ、そして前額面から見るとこんな感じになります。
![スクリーンショット 2024-05-11 6.31.38](https://assets.st-note.com/img/1716512848-0R91tbkv1c.jpeg)
ここで気をつけねばならないことがあります、それは脛骨粗面にかかる圧力のことです。ざっくり簡単にいうとSLRや端座位での膝伸展などは医師と相談しながら慎重に進めていく必要があるとということ、それに加えて荷重の管理も同様に考えていきましょうってことです。
HTOと膝蓋骨の話
HTOは膝OAに対して除痛効果を期待できるが、PF関節(膝蓋大腿関節)への影響も考慮する必要がある
2003年にOWHTOが登場してから主流となったがCWHTO(外側閉鎖式)と比較して腓骨の骨切りが不要であるなど、急速に普及したのだが
OWHTOでは脛骨粗面の下方移動のためにPF関節の接触圧が上昇したり、OAが進行することなどが報告されていた
OWHTO:脛骨粗面を遠位ー術後に膝蓋骨の位置は「下がる」ことになる
CWHTO:脛骨粗面が近位ー術後に膝蓋骨の位置は「上がる」ことになる
まとめ
このブログポストでは、HTO(高位脛骨骨切り術)とその二つの主要な方法、OW(オープンウエッジ)とCW(クローズドウエッジ)について解説しました。特に、OWHTOが急速に普及した理由や、それによるPF関節のOA進行といった合併症にも焦点を当てています。最新のOWDTO手法による改善点とリスクについても詳細に説明し、膝蓋大腿関節障害への新しい理解と対策を提案しました。理学療法士として気になるのは膝蓋骨付近のエピソードです。臨床においても医師と相談しながら進めていくのが良いと思います。今日もお読みくださってありがとうございました。