次々に露見する総務省の接待疑惑の本当の問題点
卵献金の次はNTT接待問題です。
これまで携帯電話の通信料金は確かに高すぎました。
ショップの店頭で契約をとってインセンティブを稼いだスタッフも含めて、三大キャリアは相当に儲けてきたはずです。
それをなくして料金を安くするのは悪くないと思います。
顧客の利益を重視する視点からそうするのならばですが。
確かに通信費は安くなるかもしれません。
でも、国民の知らないところで、料金を安くした分を埋め合わせる何かの約束や合意があるとしたらどうでしょうか?
次々に露見している接待問題も、民間企業が大臣や官僚とのパイプを太くしておくのが目的の接待三昧だとしたら、問題は接待の金額や回数などではなく、それによって国民にどういう影響があるかのほうだと思うのです。
たとえば政府が5Gを利用してマイナンバー関連情報を一元管理するとして、それをキャリアも顧客情報として共有することが可能であるとか?
共有した場合、個人情報の扱いはどうなるのか周知徹底されるのでしょうか?
マイナンバーは、今の流れだといずれはSIMカードに書き込まれそうな感じがしますよね。
それをキャリアが把握できないとはちょっと考えられませんから、ビッグデータとして活用可能という許可がおりるならば、通信料金だって大幅に下げようかという話にもなるのでは?
いやいや、そこは顧客単位で書類で許可を求めるとか規約を新しくするのでは?そう思いますか?
マイナンバーは新しいシステムなので、現行の規約やシステムの対象外だと見るべきです。
だからまだ何も決まっていない段階で政府関係者へ伺いをたてて、たとえばビッグデータとしての利用を前提とするなど「企業にとって有利」な方向への許可を取りつけたいという目論見があるのでは?
高額接待はそのためだと考えるほうが納得しやすいのではないでしょうか。
少し別の話をします。
アプリの中には、勝手にデータを送信するような悪質なものも珍しくなく、なかにはスマホのSIMカード情報を読み取るようなものだってあるかもしれません。
わたしは某メジャーアプリがアプデ後に「モバイルデータ通信での使用を許可しますか?」と表示するようになった時、どうにも気分が悪いので、そのアプリをアンインストールしたことがあります。
だって、それまでは一度もそんな表示は出たことがなかったので。
これだけだと何が問題かわかリませんね。
じつはわたしはそのアプリを2つのスマホにそれぞれ入れていたのです。
ひとつはメインのスマホで、もうひとつはサブ機として残してあるキャリア契約を終了したWi-Fi専用機で、家の中でしか使えないスマホです。
色違いの同一機種で、iOSのアプデも同時におこなっているし、家ではWi-Fiに接続しての2台使いが普通です。
旧端末は某ゲームサイトでサブアカとして活用しているので、家にいるときはメインの端末とほぼ同じくらい使っています。
両者の違いは、Wi-Fi専用機のほうでは、電話とモバイルデータ通信が使えないことだけです。
では、アプリはそれをどうやって知ったのでしょうか?
契約を終えたiPhoneのモバイルデータ通信はいつのまにかオフ固定になっています。
以前はあったその部分が、知らない間に(たぶんどこかのアプデで?)ごっそり無くなっていました。
画像はそのスクリーンショットです。
上がメインのiPhoneの設定で、下が契約終了の古い機種です。
下の画像では「音声通話とデータ」が消えています。
(下の画像は旧端末でスクショしたものをメールに添付してこのアプリが入っている新端末に送ったものです)
SIMカードにアクセスする以外に、Wi-Fiで利用している端末がキャリア契約継続中か契約を終了している端末であるのか、アプリに判別可能な手段がほかにあるでしょうか?
「このアプリの通知を許可しますか?」と同じやり方で、ある日「モバイルデータ通信の使用を許可しますか?」と表示されたのには、さすがにちょっと驚きました。
スマホを1台しか使っていなければなんの疑問も持たなかったでしょうけどね。
でも、わたしは2台つかっていて、一方にだけそういう表示が出たことに直ちに気がつきました。
そして、なんだってアプリにそんなことまでわかるのかと疑わしく思ったわけです。
どうにも納得がいかなかったので、わたしはWi-Fi専用機のほうだけアプリを残して、メインのスマホからはそのアプリを削除しました。
そのアプリはその後もアプデをくり返しながら、今も旧端末で問題なく使えていますけどね。
モバイルデータ通信を使うか使わないかを確認するぐらいならばともかく、そのうちタチの悪いアプリが勝手にマイナンバーにアクセスするようになったら、わたしはiPhoneを解約したくなるかもしれません。
なのでわたしは、NTTが政府関係者を接待していると聞けば、まずそこが気になるわけです。
高額な接待と引き換えに、国民の権利を侵害しかねない許認可や政策を約束したりしていないかと。
総務省幹部が東北新社(菅総理の息子が勤務)とNTTから高額な接待を受けていたことを問題視。
「衛星放送事業」電波法に基づき放送の許認可を行う総務省の事務次官候補が、衛星放送を手がける会社の社長らから接待を受けていた。
そもそも民間の所管業界を受け持つ他省庁に比べ、総務省は利害関係者との会食の届け出がかなり少ないことが内閣人事局の資料で判明。
意図的な「接待隠し」が疑われる。
この問題発覚で、歴代の総務大臣や副大臣もNTT側と会食していたことが判明するも、野田聖子元総務大臣、自民党の野田幹事長代行は接待ではなく懇談会と言い張る。
衛星放送事業の認可を求める側が接待していたケースも、総理の息子かどうかはどうでもよくて、重要なのは認可の是非です。
単発バイトのような「その時かぎり」の使い捨て労働力を、正社員と大差ない仕事をする非正規労働者にまで波及させる構造は誰がつくったのでしょうか?
これはわたしが前回の記事のなかで発した疑問です。
この「規制緩和」のせいで、居酒屋でバイトしていた大学生が、ほとんど正社員と大差ない仕事を任されて授業どころではなくなった…そんなニュースがあったのを覚えていませんか?
ほかにも、コンビニでバイトしていた学生が、ほとんど店長レベルの仕事をさせられていたケースもありました。
どちらのケースも、規制緩和以前には、「学生バイトに任せてもいい仕事の範囲」は明確に限定されていたし、正社員や店長レベルの仕事には相応の給料を支払って正社員、幹部社員として雇う必要があったはずです。
でなければ、学生に卒業後の就職を約束するとか幹部候補として扱うなどして、その前提で一般のバイトとは異なる対応をしていたのではないでしょうか。
それがいつのまにか、出来るだけ安い賃金で、使い捨ての労働力に何でもかんでもやらせるのが当たり前みたいな風潮になりました。
でもそれ、誰かがそうなることを見越して、政治家や官僚を接待して規制緩和するよう働きかけた結果かもしれませんよね?
その可能性はゼロではないと思います。
つまり衛生放送事業者の許認可しろ、マイナンバー制度のシステム導入をどうするかにしろ、自分たちに有利な判断や政策を求める企業が、決定権を持つ人間たち相手に高額の接待におよぶのではないかと考えるのが普通ですよね。
でなければ、なんのメリットもない会食なんかにひとり数万円もの費用をかけたり、お土産やタクシー代と至れりつくせりするでしょうか?
メディアの報道は接待の金額や回数といった数字に偏りがちですが、重要なのは、その結果が国民にどのような影響を及ぼすかのほうだと思うのです。
接待隠しや常態化が疑われるのであれば、昨日今日のことではないはずです。
もうこれ以上、国民の知らないところで内緒で勝手なことを決めてほしくないし、そこを最優先で解明してほしいと思うのです。