第22回 カフェなし新築棟修正案
9月2日のプレゼンテーションでは、カフェなし案かつコスト削減案が示された。4割もオーバーしたコストを削減するために、カフェ棟をなくしたことと母屋のリノベーションを大幅に削減したものの、新築2棟には大きな修正は加えていない。以前あった、手前の新築2棟の間のカフェ棟がなくなっただけだ。
0)当初案
僕はカフェをなくしたのだから、新築棟の設計案をゼロベースで考え直してもらえないかと要望した。例えば、2棟でなくても大きな1棟にしたほうが、コストは安くなる可能性もあるのではとも思った。
(当初案は、対予算8.8%増。)
そして9月29日、カフェなしを前提とした、新築棟の修正案が複数提示された。
1)2棟コスト削減案
上の当初案と比べて、右側の棟の2階テラスが大幅に狭くなっている。当初案では2階の2室とも独立棟のように4面に開けていたが、この案では2室が接続し壁を共有している。また、左側の棟は、当初案では奥側にテラスがあったが、この案ではなくなった。こうした配置を変えることで、少しでもコスト削減を図っている。
(対予算7%増)
2)2棟総二階案
この案は、2棟ともテラスなしの総二階とする案。左側の棟は、1階と2階それぞれ全く同じM室が重なり、右側の棟は左側が1,2階ともS室で、右側はメゾネット形式のL室がある。屋根の勾配にアクセントをつけ、隣のAWAZUKU HOUSEとの連動感をかろうじて取ろうとしているが、やはり違和感は否めない。賃貸住宅としてはありがちな形かもしれないが、魅力的とは言えない。
(対予算5.6%増)
3)1棟箱型案
一棟に5室をまとめた案。
三つの穴の開いた直方体というイメージ。穴は完全に通り抜けている。
一階にS,S,M室が並び、二階にM室とL室が、そしてその間に広めのテラス。この案だと駐車場が1台多い4台分確保できる。なかなかユニークな一棟案だが、いくら二階にテラスがあっても、母屋の前に立ちはだかる大きな壁のように見える。
(対予算8%増)
4)1棟大屋根案
もうひとつの一棟案。直方体ではなく、大きな屋根でアクセントをつけ、AWZUKU HOUSEとの連動感を意識している。一階にS,L,S室を、二階に玄関を兼ねたテラスを挟んでM室がふたつ。二階へ上がる階段は母屋側インあるが、飛行機のタラップ階段のように壁に接していないので、やや不安定か。これもユニークな一棟だが、やはり母屋への圧迫感は大きい。
(対予算6.5%増)
5)結論
一棟にしたところで、敷地制約のため駐車場を一部建物に食い込ませる必要があるため、さほどコスト削減にはならないことが分かった。いろいろ提案してもらったが、総合的に考えるとやはり当初案が最も好ましいと判断した。
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