2024年2月 アディオス東京の記録02(終)
【まとめ】
引越し当日は昼過ぎから白いものが舞い始め…不安的中。無事に引っ越し作業終わるのか、そしてその日のうちに静岡まで帰れるのか…
翌日の様子も少し。
2月5日(月) くもりのち雨のち雪
6:00 起床。Pは当然寝ている。7時半には起きようとPと約束していたが、meがもう眠れずそのうちにTも起きてしまう。静かに着替えさせてスマホのゲームを貸す。変なところ触られないように少し見張っていたが、すぐに慣れたらしいので目を離し、こちらは日記つけたり昨日の会計まとめたり。
7:30過ぎ 起きたPと三人で近所のファミマで朝食を買う。おむすびとみそ汁。2023円。
そこからひたすら部屋の片づけとか整理。寝ていた布団などを畳んでクッションなどと一緒に布団収納用の大きなカバーみたいな布団入れに包んで入れる。昨日までにたいがいのものは段ボール箱に入れていたが、掃除用に残していたグッズも、おおまかな掃除の後に全部箱に詰め込む。
引越業者は13時から15時の間に来るとのことで、いちばん早い時間に合わせて11時半に近所のモスバーガーに出る(部屋にゴミを増やしたくなくて)。
歩いて行く途中から小雨が降り出す。
モスでお昼を食べてから(2600円)、駅に寄って、西武線の切符を池袋までTのと二人分、障がい者割引で買う。
今乗ります?と窓口で聞かれたので夕方に電車に乗る予定です、と告げたら、乗る前にまた窓口でハンコ打つのでまた寄って、と言った後に
「今日は雪ですけどね」
と若い駅員が遠い目をしてひとこと。
えっ?と思ったが、案の定、アパートに帰る前に雨に白いものが混じり始めていた。
業者を待つ間、外をみたらすでに積もり始めている。景色が白い。そのうちにPのところに業者から電話。雪のため、着くのが14時半から15時くらいになりそうです、と。
徐々に白くなる風景にPもTも興奮気味だが、こっちは逆に徐々に冷めつつある。
今夜中に帰れないと、やばい。
ショートに預けたばあちゃんは明日の夕方自宅に帰ってくるし、相方も朝から仕事だし、Tも朝から作業所だし、何より、駐車場のリミットは明日の朝7時40分。駐車場管理会社の電話番号を控えてくればよかったよ……。
それに雪の中、新幹線は動いているのか?
新宿から高速バスを使おうか、とネットをみたら高速道路は予防措置で既に通行止め。うん、逆にあきらめがついた。
新幹線が止まったらどうしよう、とりあえず東海道線が動いていたら小田原くらいまで普通列車で戻って、そこからは新幹線に乗り換える? 最悪、東京か品川のビジネスに泊まって早朝帰るとか?
いや、明日まで雪は降るらしい、余計帰れなくなるかも。
とりあえず動けるところまで動こう、と計画を練る。
動くとなったらできるだけ手持ちの荷物を減らさなければ。
持ち帰る予定だったスーツケース2個は業者に預けられないかPに聞いてもらうことに。手が空けば移動は少し楽になるし。
西武線が動いていればありがたいんだが、今は時間との勝負。業者の到着が遅れるのが、非常に痛い。
15:00 一応約束の時間内に業者さん到着。
そしてさすがプロの荷造りは手早い。業者の三人組はどんどん荷物を運んでいく。包んでいないものもうまく包んでくれる。その場で段ボールをカッターナイフで切り裂いて、ガムテでバシバシ止めて、Eテレでよく見ていた工作系のすがすがしい番組をいくつか思い出す。
スーツケース二個も運んでもらえることになった。しかも料金は見積どおりで増額なしだそうな。良かった。
それでも、外は雪なのに引越し作業の間中、ずっとドアが開けっぱなしなのが常夏・しぞーか人にはかなりきつい。仕方なく部屋の中で上着まで着て見守っている。業者さんはさすが、薄着だった。
最後のひと箱まで運び出され、部屋内の点検も済ませて作業終了。
小銭のおつりはお茶代で取っといてください、というとバチバチメイクの業者代表ギャルが、えっ、と目を見開いて喜んでくれた。
16:00 業者ひき上げと同時に残りの小物を片付ける。最後までWifiを使いたかったので後回しになっていた電話周りのルーターとか。先に聞いていて送ってもらっていた小包セットに機器を詰めて、送付書を確認してからカバンに入れ、アパートを出る。
歩道は白く凍り、雪に慣れない親子は腰が引き気味に駅まで歩く。スーツケースがなくて本当によかった。
駅前の郵便局で機器を送付手続き。
16:50頃 清瀬駅着。
西武池袋線は普通に動いていた。ここでも座れてありがたい。
薄暗がりの街並みはすでに白の底に沈んでいる。Tは身を乗り出すように外の景色をみている。
池袋のみどりの窓口は、長蛇の列だった。障がい者含めた乗車券等を買わねばならないので頑張って並ぶ。
列の前の4人男子は京都にて大学受験らしく、予想問題について熱く語り合っている。
ようやく窓口について、動いていたら乗ろう、と品川からの新幹線自由席特急券を頼んだら、係の女性が「東京からと品川からとは特急料金が同じなので、山の手線外回りで東京に行けば自由席ならば座れる確率が高いですよ」と教えてくれる。本当にありがたい。
アドバイス通り山手線外回りに乗る。
ラッシュ時で吊革に捕まるのがやっとだった。Tは身体が斜めになっている。すぐ近くにベビーカー連れ、しかも外国の方たちだったので言葉が通じそうもない。こちらのリュックも当たりそうで危ない……とっさに田端で降り、京浜東北に乗り換える。
今度は座れて、ちょっと一息つく。
東京駅で新幹線が無事に動いているのを知り、窓口も空いていたので、三人分の指定を取る。Tの作業所にお土産を買ったり駅弁を買ったりしてホームに行く。
18:57 東京発こだま。新幹線に乗り込んだ時、ようやく大きく息をついた。
ゆっくりと滑り出した新幹線の窓からは、雨なのか雪なのか分からない白い筋がいくつも流れて見えていた。
小田原までは24分遅れだったが、そこからは案外順調に進む。小田原から先は既に雪はなさそう。雨は降っていたが、なんとか東京から抜け出した安心感で急に疲れが出る。
いやいや、駅から車で帰るのがまだひとしごと。遠足は帰るまでが遠足だからね。
そこからは記憶がほとんどなく、気づいたら夜遅く。
21:30頃 自宅着。
2月6日(火)
昨晩、家に着いてからの記憶が曖昧。相方は早朝出勤だったが
「無理して起きなくていいよ、弁当もいらない」って言ったのだけ記憶にあったのでもちろんそこはちゃんとインプットされていた(笑)。
7:40 起きたらこの時間であせる。
Tの通所のために、いつも8時10分には家を出るのだが。
まあいいか、遅刻でも工賃が増えるわけでもないし。
お昼は仕出しの給食にしてもらおうかな、とTに
「きゅうしょくでもいいですか」と訊くと彼、すこし考えて
「べんとう」と。
仕方なくチャーハン作って持たせる。
夕方施設に迎えに。サザエさんのお菓子土産、利用者さん方にたいそう喜んでもらえたらしく、Tはお礼を沢山言ってもらえて上機嫌だったらしい。
とうきょう、どうだった? とスタッフさんに聞かれてひとこと「まりお」と答えたらしいが、それは西武池袋線電車内の動画が流れる広告と、帰り新幹線でPが見せていた映画のおかげです。
あんなに苦労してそこがハイライトとは。とほほ。
娘、残すはアパート退室点検と卒業式のみ。長いような短い大学生活だったな。最初はコロナで入学式もなかったし、入学早々の半年は東京に行けずにリモート授業だったし。お互い頑張ったね。
しかし当の彼女、帰ってきたはいいが就職はまだ、決まっていない。色々とバイトなどでつなぐとのこと。
自分探しをするのだろうか。かつての自分をみているようだ…
うん、明日の事は明日、考えよう。
(おしまい)
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