1997年11月 久々コンサートに素人乱入
【経緯とまとめ】友人Kに誘ってもらい、久しぶりにオベラの、しかも前衛的な演出のものを観に行くことに。一泊で渋谷と横浜、2演目。自分、あまりにも素人目線でしたがとりあえずメモに残っていた程度で。写真はなく、ヘッダーの神奈川県民ホール全景写真、お借りしています、すみません。
11月21日(金)
12:34 新幹線ひかりで静岡発、東京へ
Anatoriaというトルコ料理屋さんでカバブセット&もちもちアイスをいただき、渋谷ビジネスホテルにチェックイン。
荷物を置いて支度をして、てくてくとNHKホールへ。
今宵の演目は「ワルキューレ」Die Walkure
ダニエル・バレンボイム指揮、ベルリン国立歌劇場公演。演者はポール・エルミング(ジークムント)、ティーナ・キーベルク(ジークリンデ)、ルネ・パーペ(フンディング)、ジョン・トムリンソン(ヴォータン)、デボラ・ポラスキ(ブリュンヒルデ)。
演出はKいわく「泣く子も黙る」ハリー・クプファー。とのこと。
新しいタイプの舞台となると聞いていたので、オペラや歌劇音痴でもある自分にも向いているのだろうか……とどきどき。
一幕と二幕、途中で一回ずつ意識を失う。
会話部分が何となく単調で(もちろん、ドラマもしくはドイツ語が分かれば理解できるだろうが)字幕追うのがけっこうたいへん。
案外地味な感じだった、というのが素直な感想かな。
演奏はバレンボイムだから間違いあるめえ、みたいな安心感があったせいもあるのか、ダイナミックで聴きごたえがあった。劇なのであまりでしゃばっている感じでもないが、なかなか良かった。
ずっと、下のような舞台装置が基本だった。
最後の炎の場面がいかにもクプファーだった、と通の人たちが後から言っていた。デジタルぽい演出で、確かに今まで(私は主に)VTRで見ていた他のオーソドックスなワルキューレよりはずっと現代劇だった。
Kが出待ちをするとのことで、ついて行く。
ポール・エルミングという人は風邪ひいていたらしく調子が悪かった、と誰かが言っていた。で、裏手から出てくるのは見られず。
バレンボイム氏も。やはり他の人いわく「いつも逃げ足が速い」のだとか。まあ、お仕事終わって帰るだけなんだから、何でもいいんだけどね本当は。
パーペさんが出て来たので、Kはサインをいただいていた。それからツーショットで写真も撮らせてもらっていた。
トムリンソンさんも出てきたがこの人はサイン攻めにあっていた。
ポラスキさんはサイン写真をばらまくという戦法に出ていた。出待ち衆のひとり、和装のあんがい若い女性がかなりテンション高く、どさくさにまぎれて写真を二枚持って行こうとして係員に注意されていた。そのおかげで返却写真がちょうど傍にいたmeの手に渡された。ラッキー。
Kにあげたらいたく喜んでくれた。
夕飯は、かつ丼とビール小(200円)。食券制の元50円定食屋だが、今では若者に人気の安メシ屋という雰囲気だった。
(※ 2024年8月注:メモにあった通りの記述だが、昔、50円定食屋というのがあったのかは、今では記憶になく詳細不明)
ホテルに戻り、Kの話をふむふむと聞くうちに気づいたらそのまま寝ていた。
11月22日(土)
7:00 起床したが二度寝。
8:30頃 再起床。シャワーを浴びて支度して、チェックアウト。
渋谷東急近くのStarbucksというチェーンコーヒー屋で朝めし。
(※ 今おもうと、初スタバだった様子)
プロシュートとチーズの挟まったパン(かぼちゃの種入り)とyukonというコーヒー。酸味はなく、炭焼き系の味だった。Kはチョコレートケーキぽいのと、ウィンナダブルトール。
ここの店には「コーヒーの香りを損なわないよう、禁煙を……」と表示があった。
東急に寄ってから、東横線で横浜方面へ。
急行、35分くらいで桜木町着。
JRで石川町。で、久々の中華街。
桃源郷(今日は空いていた)で上海ガニの小さいのオス1500円(メスは1800円)、水餃子、焼き餃子、へんなおむすび(揚げっぽいのが真ん中にあってひとつはザーサイ味であまり辛くないやつと、砂糖味でサクサクもちもちのやつでこれがなかなか美味い)。蘇州老酒とジャスミンティー。ふたりでカニ食べている間黙りこくってしまう。
その後、黒ゴマあんまん5個1300円を買う。友人へのお土産にシルクの下着も。1000円。
ROMAと名のつくカフェでイタリアンソーダなるものを飲む。モモ味(少し甘め)とライム味(すっきり)。
神奈川県民ホール着。
今日の演目はアルバン・ベルクのオペラ、ヴォツェック Wozzeck。
またもや指揮はバレンボイム。そして演出はこちらも「泣く子も黙る」パトリス・シェロー、と。
今度は入り待ちす。お客に先駆けて親子連れが入って行った、と思ったら誰かが言うに劇に出る子役らしかった。
しかし実は入り待ち前にちょっとリサイクルショップに寄ったせいで、Kが間近で見たがっていたグラハム・クラーク氏が入るのに間に合わなかったらしい。可哀そうなことをした。
ホール内で、版画のアンデパンダン展というのをやっていた。入札制というのが面白い。最低価格3000円というのがあって、ちょっと気になってひとつ入れてきた。(多分連絡こなかったから買えなかった)。
こちらの劇場では、ジーパン姿も三人ほど見かけた。
最初に見始めた時、目がかすんであまりにも前のめりになってしまい、後ろの席のおばさまに注意されてしまう。
まずすごかったのが、客席に灯りがついたまま始まったこと。指揮者が来ないうちにバイオリンが構えていたのが変だなあと思ったが、唐突な始まり方にびっくりした。
あとの驚きは、休憩なしの1時間40分だったこと。
始めはこんな感じで
途中でこんな感じになったり。
一幕のおわりに拍手して「しー」と言われている人もいた。
オペラとして見るより、劇として見るととても怖い。舞台(装置含め)が良く整理されていて、照明の使い方も細かく(はじめついていた客席の灯りも徐々に暗くなっていった)、終わり方も、突き放された感じで虚脱感がすごい。
ほとんど言っていることが解らないのに、途中からかなり怖くなってきた。赤い月とヴォツェックが池で血を洗うところが特に。
グラハム・クラークは自分が見る感じでは、ちょっとこの劇とタイプが違う気がした。なんだか面白過ぎる。歌は抜群にうまかった。声量もたっぷりだし。
舞台の出来があまりにも(自分的に)良すぎて、カーテンコールが逆に邪魔だった。余韻にひたる間もなし。しかしそれが好きというファンも多いのでやむなしだね。
急いで会場を出て、関内より電車に乗る。東神奈川20:54?
21:49 新幹線下りに間に合う! しかし新横浜の新幹線ホーム内のラーメン屋は20時まででした、残念。
どうにか夜には家に帰れてよかったですー(翌朝から用事あって)。
おしまい