ブレーメンの功罪
ご挨拶
駄文を飛ばして本編のみ読みたい場合は上記の目次「汎用性が高すぎる」から読んでください。
皆さまこんにちは。北海道大学ビルディバイド部です。部といってもそれらしい活動は全くできていないのですが(そもそも札幌に公認に来れるビルディバイダーは5人程度しかいない)、日々頭の中でこねくり回していたデッキレシピをtwitterに投稿することで北海道でのプレイヤー増加、ひいてはビルディバイドというコンテンツ全体の発展に寄与できれば、という思いで投稿しております。半分嘘です。もう半分は世にまだ見つかっていないような奇想天外かつ強さを伴ったデッキレシピを他人に評価(いいね)されて気持ちよくなりたいという思いで投稿してます。すみません。
ここ最近は試験で忙しく中々デッキレシピを投稿できていなかったので、せっかくということで少し趣向を変えてnoteで投稿してみました。
今回は「共鳴する四重奏ブレーメン」が採用された様々なデッキレシピを見ながら、このカードの強みの再考察、採用されているデッキについての分析をしていきます。
ブレーメンというカード
カード画像とテキストを掲載しておきます。
「共鳴する四重奏ブレーメン」
7コスト/パワー8000/2ヒット
[覚醒]エヴォル黒、青、白、赤 各1[覚醒][自動]このユニットがエヴォルで登場した時、あなたのライフがレッドゾーンなら、あなたの山札をシャッフルし、山札の上から1枚ライフゾーンの先頭に置く。
このカードはブースターパック第12弾(ブルームとライオネルがでかく載ってるやつ)をボックスで購入した際に付属するプロモカードです。
先に私の個人的な評価から述べると、こいつ箱プロモの性能じゃないです。全然SRとかUR級のカードだと思います。箱プロモにはこいつといいグラビティ・ヴォルトといいエルビラといい鉄砲水といい時折クソ強カードが紛れ込んでますね。ここまで強いカードが通常パックに収録されないのに通常弾の一部のSRURや公認のプロモがクソ弱いのはどうなの?とにかくこいつの強さを語っていこうと思います。
強み① 4コストで出てくる
まず、ブレーメンの大きな特徴として挙げられるのがエヴォルです。エヴォルコストでプレイすることにより、パワー8000の2ヒットという大きめの中型ユニットがたった4エナジーで出せてしまいます。採用するデッキによっては、ライフ回復効果が使えない(ライフがまだイエローゾーン)状況でも、5コストでテリトリー解放→次のターン(6エナジーある)にブレーメン登場、ガンガン殴りつつ残った2エナジーでクイックを構える、といった動きができますね。なんか既に強いにおいがします。
強み② ライフを回復できる
ブレーメンの2つ目の強みはエヴォルでプレイすることによりライフを回復できることです。ライフ回復&ユニット登場によって、不利な状況を覆すきっかけを作り出せるのはかなり強力だと思います。この効果はライフがレッドゾーンの場合にしか使えないという制約はありますが、イエローゾーンの時に4コスでライフ回復しながらそこそこでかい生き物が着地するなどという行為は犯罪としか言いようがないので妥当な制約だと思います。
しかしながら後述する「4c火竜のアギト」においては、ブレーメンがテリトリー効果と合わせてライフを2回復してきます。当アカウントの中の人はこのデッキとよく対戦するのですがもう意味がわかりません。
汎用性が高すぎる
ここまでは大まかにブレーメンのテキスト的な強みについて書いてきましたが、ここからが、今回最も伝えたい内容です。私がこのカードで何よりも評価しているのは異常なレベルの汎用性の高さです。エヴォルコストが四色各1の4コストとクソガバガバなせいで様々なデッキに採用され、猛威を振るっています。私が認識している限り、このカードは「叫喚の処刑場」、「夢幻の狭間」、「超古代遺物ヴァレリア・キティラ」、「火竜のアギト」、「多目的構築機構フォートビルダー」、「血晶領域・ブラッディアステロイド」、「爆砕の小劇場」、「超越者の揺り籠」等にて採用され、どのデッキにおいても十分に活躍しています。記憶が定かではないのですがブレイズファランクスに採用しているのもどこかで見た気がします。
それでは、上に挙げたテリトリーとブレーメンのシナジー、強みについてをデッキリストを見ながら検討していきましょう。
「叫喚の処刑場」
デッキリストを見ながらと言いつついきなりですが、1回しか対戦したことがないので処刑場のリストは思い出せなかったです。ごめんなさい。
しかしその一度の対戦でも、ライフが5枚の状況でブレーメン登場→ライフ回復によりイシュタルテの蘇生効果を使いまわせる(蘇生効果はライフがイエローゾーンの時しか使えないため)、というギミックが対面していてめっちゃおもしれ~~~とワクワクしたので、数か月ほどたった今でも記憶に残っています。
当然ライフが回復しながら大きめのブロッカーが立つ上に除去や墓地回収のコマンドを構えることができるので、長期戦に持ち込みながら自分はライフ回復、相手には処刑場効果でライフ焼却を押し付けるのが強みになるデッキです。今の処刑場の主流の型は、先日ディバイドバトル3rdセッション東北エリア予選にて優勝を勝ち取った青黒型ではありますが、こちらにもまた違った強みと面白さがありますね。このようなデッキ構築の多様性はビルディバイドのとても面白いところだな~~~と常々思います。
「夢幻の狭間」
次は、「夢幻の狭間」についてです。恐らく開発陣はこのデッキでブレーメンを活用することを想定してブレーメンを作ったのではないでしょうか?実際、テリトリー効果で相手のユニットを除去しながら、テリトリー効果により色にこだわらずに4コストでブレーメンを出し、ライフ回復をしつつ有利な状況を作る、といった一連の流れはとても強力です。フリーやビルディバサークルのようなカジュアルな対戦の場であれば、未だに全然強い部類のデッキになると思います。環境で活躍できなかったのは6コストのテリトリーだったこと(マジでなんで5じゃないの?)、同じ弾にて収録された「超越者の揺り籠」がシンプルに強い上にバカスカリムーブコマンド(八咫烏、熱波凝縮)を使ってくること、「超越者の揺り籠」に対して有利を取るために採用される墓地メタ系のカードが見事なまでにこのテリトリーにもぶっ刺さってしまうこと、といった要因が挙げられるでしょう。ビルディバイドの顔ともいえる存在なんだからもっと強くしてやってくれてもよかったのになあ、とはどうしても思ってしまいますね。もうカミーリアとイシュばっかがイキリ散らかす環境飽きたよ。私も揺り籠大好きではありますが。
「超古代遺物ヴァレリア・キティラ」
次は、「超古代遺物ヴァレリア・キティラ」についてです。
コマンドの効果を両方使えるようになる、というキティラの強みを生かすのは従来のデッキタイプと変わらないですが、従来の青、黒、(白)を採用した型に、重なり合う欲望(墓地からエヴォル持ちを2枚回収)、紗雨(自分がエヴォルしたら相手の盾を焼却)、そしてブレーメン自身といった赤を含む多色のカードを採用することで4cのバランスを成り立たせています。欲望を採用することでセレス、ブレーメンを何度も使いまわし、豊富な除去コマンドを飛ばしながらガンガン殴りに行けるのがとても強力ですね。こちらのデッキも当然デッキパワーは一級品なのですが、夢幻の狭間と同様、揺り籠と同じタイミングで登場したのがあまりにも間が悪すぎました。悲しい。揺り籠に向けられた墓地メタがグッサリ刺さり、ディバイドバトル2ndセッションプレファイナル等では中々勝ち上がりにくいデッキとなっていました。何を隠そう私がこのデッキを使ってプレファイで墓地メタガン積みのキティラに当たりボコボコにされたのです。揺り籠、白揺り籠が猛威を振るう現環境でも未だ戦いにくいデッキですね。でも楽しさは保証できますのでぜひ試してみてください。
「火竜のアギト」
次に、「火竜のアギト」についてです。
身も蓋もない言い方になりますが、こちらについては、つい先日カップ・メンさんが書き上げたnoteを見るのが一番理解するのに手っ取り早いです。
↓ぜひこちらを読んでみてください
4Cバドラトスのすゝめ|カップ・ヤキソバ (note.com)
主観ではこのデッキが一番ブレーメンを生かせているのかな~と思います。先程も書きましたが、テリトリー効果&ブレーメン自身の効果での計2ライフ回復があまりにも犯罪的な強さです。大型ユニットをいなしつつようやくライフを削ったと思えばライフ2枚回復、その上4エナしか消費していないので欲望でも取引でも使い放題。このような状況になってしまうと、もう盤面を覆せるほどの出力を引き出せるデッキは主に青黒揺り籠、青黒処刑場、マルガレータ等に限られてしまいます。
相手が数を並べればガラテアで一掃、構えてくるならブレーメンで盾回復&コマンド構える、何もアクションを起こせなくなればグラナディガが止まらない。使用者が増えて、リスト、プレイングが磨き上げられていけば環境に間違いなく食い込むデッキだと思います。
あとトゥルスがすごい悪さをしてきます。こいつがガチでダルい。
「多目的構築機構フォートビルダー」
次は、「多目的構築機構フォートビルダー」についてです。こちらのデッキはディバイドバトル3rdセッション関西エリア予選にて準優勝したものなので、ご存知の方も多いのではと思います。テリトリー効果で状況に応じて必要なコマンドを補充し、盤面をコントロールしていくというのがグリゼルダに対しての主なイメージとして存在していましたが、このデッキはエナジーに埋めるための色要員としてDデッキからコマンドを引っ張ってきて、ブレーメンのための4色のエナジーを揃えるという発想からデッキが作られていますね。あまりにも天才的な発想で見た当時はビビりました。また、上述のキティラと同様に、重なり合う欲望がブレーメンだけではなくセレスも回収できるのがめちゃめちゃかみ合いが良いです。
接続+血晶や、接続+続く日々で相手の攻撃をいなした後に、ブレーメン、セレス展開で殴り掛かるというムーブはどんなデッキをも追い詰めうる程のとてつもない出力を秘めていますね。コントロールに加え、ビートダウン的要素を持ち合わせたとても強力なデッキで、環境においても十分に戦える性能を持っているのではないでしょうか。
悲しいことに、プレイ難度よりも発掘調査と続く日々を手に入れる難度が高いのが現在はネックになっています。
「血晶領域・ブラッディアステロイド」
こちらもリスト忘れました。ごめんなさい。発掘調査だったかネブラディスクだったかでリソースを補充しながら、グレモラやヴェストバルナ、夢なら醒めてでハンデスしていくという主な流れに加え、ブレーメンがこのテリトリーのデッキでは展開しにくい2ヒットの大型アタッカー、ブロッカーの役割をたった4コスで担ってくれています。エナジーの色配分は黒が多めで、エヴォルグレモラで1ハンデス&1面除去、ブレーメンでライフ回復、という動きを1ターン内でできていました。対戦していて普通にきつかったです。環境に居座るデッキがレガシーでほぼ無限に手札が切れなかったり、墓地からコマンドタダ打ちしたりしてくるインチキな連中ばかりなので、環境的な風向きは悪そうです。しかしながら、そもそもヴェストバルナは使用者が少ないだけで元々かなり強力なデッキではあります。ヴァランという手札が山札のインチキデッキに逆立ちしても勝てないので大型大会でも持ち込みが少ないんですよね。
「爆砕の小劇場」
次は、「爆砕の小劇場」についてです。マルガレータには元々フウカやロクロー等の青白を採用する型、昼顔やベストーラ等の黒のカードを採用する型があり、ブレーメンを採用することでそれらを融合させたような型が作り出すことができました。自分で作り出したつもりですが多分他にも同じような形を考えついている人はいると思います。
基本的な動き方は普通のマルガレータと変わりないです。1ターン目晩餐→2ターン目使命orグリフィス→3ターン目テリトリー解放→4ターン目ヴォルガネード これができた試合は大体勝てます。
マルガレータは上振れた際の出力が超ウルトラ一級品なので、相手が6テリトリーや動き出しの遅いデッキでない限り晩餐マリガンでぶん殴りに行くのが良いでしょう。
このデッキはグリフィス+ヴォルガネードやブレーメン+ヴォルガネードを1ターンで展開できるのが本当に強いです。いかれてます。
たった1ターンの内にグリフィス効果で相手テリトリーや盤面の状況に応じた生き物をDデッキからサーチし、そのままヴォルガネードで盤面に出すところまで展開してくるのに対する回答札は接続血晶くらいしかありません。しかも相手が接続血晶を握ってそうでもマルガレータ側はヴォルガでリノシスを出しておくと最低限のリカバリーができてしまいます。
その次のターンにヴォルガネード+ブレーメンなんてされたらもう全ての抵抗が無に帰してしまいます。
マルガレータ側の手札がよっぽど下ぶれるかプレイングをミスらない限り、盾からバスターを4枚くらい捲るかアグロで解放前に殴りきるしかこの対面での勝ち目はほぼないでしょう。
このデッキで更に上振れを狙うならブレーメン1枚をガラテアに変えてみたり(初期エナや晩餐でガラテアが落ちたらマルガレータの解放が1ターン遅れる危険性はある)、重なり合う欲望を数枚採用してみたりするのが良いかもしれませんね。私はどうしてもデッキを40枚にしたかったので今のところ不採用です。
「超越者の揺り籠」
次は、ブレーメンを採用した超越者の揺り籠についてです。
こちらも札幌にてとあるプレイヤーが開発、擦りまくっているデッキです。回し方としては、墓地を活用するデッキに対してはヘッドショットで牽制しながら(いらなければ優秀な色基盤になるので即エナ埋め)、テリトリー効果では主に遅滞戦術をコピー&ユニット化して、墓地枚数を削りつつ1ドローでリソース確保し、ルルベラやブレーメンで手札やライフを補充しながら殴っていくデッキです。改めてデッキリストを眺めていても不思議なのですが、ルルベラの色指定コストである青4やガラテアのエヴォルコストである各色2エナは問題なく達成できます。基本はエナの色の埋め方に注意しながら回せば問題なく誰でも使えるデッキです。
このデッキの強みは、動き方の選択肢が非常に多い(ように見える)ことです。このデッキとの対面では中盤~終盤にかけて、ブレーメンやルルベラの処理に追われながら、ガラテアによるユニット全破壊とライカによる自ターン中の全体除去のカウンターに怯え続けることになります。万全にユニットを並べたかと思えばガラテアが、警戒してコマンドを構えると、出るだけで一仕事をこなすルルベラやブレーメンが出てきてジリ貧になってしまいます。対戦を重ねてようやくギミックを理解してもプレイ判断が難しい場面がとても多く、このデッキとの対戦経験がなければ間違いなく初見殺しされます。
また、宝の山でコマンドをロックして接続血晶等を持っている相手の顔を苦悶の表情に歪めたり、序中盤は除去札や遅滞戦術で小型ユニットに対応しつつ終盤はガラテアで盤面を一掃したりできるので、明確な不利対面がなく、コントロールやアグロどちらにも対応して戦えるのが魅力ですね。
終わりに
いかがだったでしょうか。以上のように、ブレーメンの登場によって1つのテリトリーの中でも既存のものと全く違うデッキが開発されており、また、今回は紹介しなかったテリトリーについてもとりあえず4cにしてブレーメンを突っ込むと出力不足だったデッキを最低限補強してくれます。
私個人としては構築の多様性はビルディバイドの楽しさのかなり大きい部分を占めていると思っており、デッキタイプが増えたり、最近は日の目を見ないテリトリーがまた新たに活躍できる可能性を与えてくれたりする点においてはとても素晴らしいカードだと評価しています。しかしながら同時に、その雑な汎用性ゆえに生まれるブレーメン搭載デッキの多さにも辟易しつつあります。この雑パワーカードによって、今の札幌は4c揺り籠、4cアギト、4cマルガレータが跋扈する魔境になってしまいました。(もちろんこれ以外のデッキもみんな使っていますが)
ここまでくると多様性(笑)ですね。対戦してて楽しいから全然問題ないのですが、ブレーメンディバイドが始まりました。このように、ブレーメンは構築の多様性を広げつつもブレーメン一色の環境すら作りかねない危険性も持ち合わせています。(ここまで極端な地方メタになることは滅多にないと思うけど)
皆さんも13弾発売までの残り約2か月間のカードプールが動かない環境を、上記リストのブレーメン採用デッキを使ってみたり、自分で作り出してみたり、また違った遊び方で楽しんでみるのはいかがでしょうか。カードプールが動かないと書きましたが、ビルディバイドブライトはビルディバイドではないので2月に乃○坂が発売してもやはりカードプールは動かないようなものです。この記事が皆様のビルディバイドライフで新たな楽しみを見つけるきっかけになれば幸いです。3rdセッションも楽しんでいきましょ~~~。
[引用]
カード画像 ビルディバイド公式サイト
ビルディバイド公式サイト (build-divide.com)
デッキリスト画像 桂川研究室
なぜかリンク貼れませんでした すみません
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