護衛艦「あぶくま」体験航海
11月6日日曜日に海上自衛隊呉基地での護衛艦「あぶくま」の体験航海に行ってきました。
この体験航海は自衛隊に入隊を予定している若い人を中心に招待状が来るイベントですが
今回は海上自衛隊創設70周年を記念したフリートウィークと日が同じだった事もあってか、招待状や予約などが無くても当日に飛び込みで乗れるサービスをしてくれました。
この飛び入り乗艦を知ったのは11月5日土曜日に流れて来たTwitterのTLからです。
よく呉で艦船を見ているアカウントが「あぶくまの体験航海に乗れてしまった」とのコメントがあった。
また、翌日も体験航海があるらしいと言うコメントも見る。
翌6日の午前9時に「あぶくま」は招待の人と当日飛び入りの人を乗せて体験航海に出港した様子がTLに流れる。
ここで考える。
土曜の体験航海は1時間半であった。
9時に出港して入港は10時半ないし11時になる。昼食を挟んで、もしかすると13時ぐらいに午後の体験航海があるかもしれない。
根拠も無く、情報も無い、午後の体験航海に乗るべく呉へ車で向かった。
アレイかすこじまの駐車場に車を停めて、呉基地の受付に向かう。
この受付はあくまでフリートウィークの艦艇見学の受付だ。護衛艦「とね」と掃海艇「えたじま」が見学できる。
その2隻が泊まる埠頭に行く、その奥に護衛艦「あぶくま」がある。
来場している見学者で「あぶくま」へ向かう人を見る。そして、「あぶくま」のレーダーが回っている。
これは出港するのが近い。
「あぶくま」の前には隊員が立っている。
隊員「体験航海ですか?招待状をお持ちですか?」
葛城「招待状は持っていません、体験航海に乗れますか?」
隊員「乗れますよ」
こうして体験航海に乗れる事となった。招待状が来た人と当日の飛び入り乗艦の人と受付が別にあり、名前と連絡先を書いて乗艦の整理券を貰う。
艦長をはじめ「あぶくま」乗員の出迎えを受けて乗艦
時間にして13時になる数分前、出港は13時10分か15分ごろであったと思う。
出港は2隻のタグボートの協力で行われる。
まず、「あぶくま」の船体を埠頭から離す為にタグボートで引っ張り、次いで陸側に艦首を向けている「あぶくま」の艦首を海側へ向ける為にタグボート1隻が「あぶくま」右舷後部を押して向きを変える。
「あぶくま」は艦首を海側へ向けてると本格的に動き出す。
速度を上げて進み、呉からどんどん離れて広島湾へ向かう。
広島湾へ航行する「あぶくま」では、主砲の砲塔や20ミリ機関砲を動かす展示に、隊員による号令ラッパの演奏が催された。
艦内も見学できた。
艦橋の下から操縦室兼応急指揮所に食堂、艦尾の廊下まで見て回れた。
艦橋の内部の見学で一番見応えがあったのは艦橋だ。
艦長をはじめ「あぶくま」を指揮する場所だ。
どんな風に「あぶくま」を航行させているのかも間近で見られる。こんな経験は一般人ではそうそう出来ない。
「距離〇〇〇、小用へ向かうフェリー」
「右へ〇〇度」
「入港準備」(ラッパが艦橋内で吹かれる)
「艦長が操艦する」
「舳先より1100」
「こちら<あぶくま>これより本日最後の入港を行う」
「これよりYT〇〇を前部、YT〇〇を後部と呼称する」
(↑タグボートとの連絡)
「微速前進」
「艦長、右ウィングへ」
「3ノット」
「両舷停止!」
「赤黒なし」
「コンマ5ノット」
「艦首、左へ動く」
「面舵いっぱい」
「後部、前部、微速で押せ!」
こんな連絡や号令が目の前で見られた。
マニアやオタクならたまらないものがある。
航行中はそこまで連絡や号令は無いものの、入港時には細かく連絡と号令が飛び交う。入港とは神経を使う難しいものだと分かる。
午後15時ごろに呉へと戻る。
1時間半ほどの体験航海
停泊している護衛艦の見学は何度もした事があるけど、航行する護衛艦に乗るのは今回が初めてであった。
「あぶくま」の乗員の皆さんと、呉地方総監部には貴重な体験が出来た事を感謝したい。
「あぶくま」から降り、残り時間が少ないもののフリートウィークで見学できる「とね」と「えたじま」を見て回った。
この日のフリートウィークが終わる時間
呉の上空に岩国から飛来したであろうUS-2が頭上に見えた。
思いがけぬ物を見て今回は締めくくる事ができた。
快晴の日曜日の午後を護衛艦でクルーズ出来て、艦橋の仕事ぶりを見学できる。ミリオタとしてこれほど贅沢なクルーズはないだろう。
満足な日曜となった。