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アキバ冥途戦争第6話考察

新キャラ愛美の登場


 アニメ「アキバ冥途戦争」の第6話、流れが変わりましたね。 
 7年の刑期を終えたメイドリアングループの幹部、愛美・スーパーノヴァ・山岸が出所したところから第6話が始まる。 
 舎弟をと想われるメイド達が出迎え、愛美は舎弟から渡された赤いバットで迎えの車の窓を割る。 
 ドン引きする舎弟のメイド達 
 愛美は「娑婆の風を感じようや」と言い、窓が割れた車で刑務所を後にします。 
 このインパクトの強い登場シーンに心が掴まれましたね。 
 何故、愛美はわざと窓を割ったのか? 
 これは初の顔合わせとなる舎弟メイド達に舐められない為の牽制だと想うし、視聴者へすぐに手が出る荒いキャラクターと見せる意味もあったのかもしれない。 
 出所して秋葉原のメイドリアングループに戻った愛美であったが、先代の代表は亡くなり宇垣という知らない者がグループの代表になっていた。

 その宇垣は愛美へ「私の為に働いてくれよ」と上下関係を示します。
 しかし、愛美はグループの幹部の顔ぶれに「チュキチュキつきちゃん」が居ないと分かり指摘する。
 第1話で嵐子が壊滅させた「チュキチュキつきちゃん」の事について第2話以降、触れられてないなと思ったらここで出てきた。
 愛美は「チュキチュキつきちゃん」がやられた報復をしていない事に怒り、宇垣をはじめグループの幹部へ暴力を向けます。
 これに宇垣達は恐れをなしたのか、愛美はグループの代行代表に就任する。


映画「孤狼の血Level2」より、左が主役の日岡、右が上林


 一連の展開を見ていると映画「孤狼の血level2」に登場する鈴木亮平が演じた上林成浩を思い出す。
 上林も刑務所を出所して広島仁成会に戻りますが、会長が尾谷組によって殺され別の者が会長になっていた。
 上林は前会長の仇を討たない仁成会に怒り、暴力で仁成会を乗っ取ります。
 似ているこの二人、上林は主人公である松坂桃李演じる日岡秀一によって倒された。愛美はどんな結末を迎えるか気になるものです。
 それにしても、愛美は広島弁の武闘派キャラぶりは最高だ。
 長い銀髪で切れ長の目の美人さで、低いドスの効いた声で話す広島弁に私はハマってしまいましたね。
 演じているユリン千晶さんは、同じ広島県出身でますます推したくなるキャラになりましたよ。

姉妹の契り


 第6話で和平なごみは、ねるらと姉妹の契りを結ぶ。
 契りを結ぶ場面は「とんとことん」の下にあるラーメン屋で行われ、お互いにラーメンの汁をすすると言うシュールなものですが、暴力団の関係者が行う兄弟の盃や親子の盃とやり方は変わりません。
 兄弟の盃は酒が注がれた1つの盃を互いに飲み、媒酌人や見届け人など立ち会いをして貰い成立します。
 これは杯事に当たる神事の儀式で、同じ盃を飲み合う事で縁を結ぶ意味があります。
 第6話で描かれた儀式の流れでは、ねるらが先に飲み、なごみが後で飲むと言う流れです。
 これはねるらが姉で、なごみが妹と言う関係性を示すものです。これは兄弟盃や親子盃で兄貴分が先に飲み、親分が先に飲むと言う流れと同じです。


映画『首領への道」より、兄弟盃を交わす場面


 この場に、ラーメン屋の大将と「とんとことん」の店長が立ち会います。大将は「お互いの関係が幾久しく」と口上を述べて一本締めで儀式を締めます。
 大将は口上人や媒酌人を兼ねる儀式の進行者です。
 店長は見届け人や立会人と言う立場になります。
 ラーメン屋でメイド2人がが一杯のラーメンをすするシュールさでオブラートに包まれていますが、裏社会と同じ作法が描かれていたのです。

ねるらの死となごみ


 姉妹の縁を結び、ねるらはメイドリアングループが「とんとことん」を襲撃しようとしていると情報を流します。
 メイドリアングループに属するねるらの行動はまさに背信行為です。
 この動きでねるらはグループから追われてしまい、愛美によって殺されてしまう悲劇の結末を迎えます。
 ねるらの献身さは何故か?
 同じグループ内ですら、姉妹の縁を結ばないのに自分と姉妹になりたいと言うなごみに感動したのかもしれない。
 また、最期の台詞であるなごみに対しての「そのままで居て」から見るに、裏社会に染まらないなごみに可愛いメイドのままで居て欲しいと願うのも伺える。
 この作品の秋葉原のメイドは裏社会に染まり表裏の差が激しいのだと思われる。そんな中で闇に染まらないなごみは、守りたい存在になったのかもしれない。
 (もしかすると、なごみも可愛いメイドを夢見て来たものの、裏社会に染まったと言う経緯があるのかもしれない)
 メイドリアンの情報を流し抗争が回避されるか、なごみが秋葉原から逃げるかでなごみを守ろうとしたのかもしれない。
 だから、ねるらは隠れつつも秋葉原から出て行かず、ケジメとして愛美に討たれたのだ。

 気になるのは、今後のなごみの選択だ。 
 ねるらの死にショックを受けてメイドを辞めて去る 
 ねるらの死に怒り、愛美に仇討ちの戦いを挑む 
 ねるらの死から秋葉原のメイド界隈の革新に立ち上がる 
 考えられるのはこの三点だろうか。 
 後半に突入する「アキバ冥途戦争」で主人公のなごみは何を選ぶのか、変わってしまうのか?展開が気になります。

余談、暴力は仁義の作法下で

 第6話でねるらが愛美と戦う場面、なごみは嵐子に助けを求めますが嵐子は「これはグループ内での事」と助太刀を断ります。 
 非情に見えますが、秋葉原のメイドとして長く、「店について馬鹿にされたら」と言う条件で戦う力を使うと決めている嵐子 
 まずメイドや裏社会での作法を重んじ、ねるらのケジメを付ける時に手を出しません。 
 ここで姉妹の縁を結んでいるなごみが助けに入れる大義名分はあります。嵐子はその方法をあえて言わなかったと思います。
 それはねるらも同じで、戦う術も力も無いなごみが間に入っても愛美に殺されかねないからでしょう。
 逆に愛美は「泣いてばかりで、それでもメイドか!」となごみを罵ります。
 愛美は弱くても、姉妹であるからと立ち向かい義理を果たして筋を通せとなごみに言っているのだと思う。
 愛美の舎弟メイドであるみやびが銃をなごみへ向けると、「それは筋が違うのでは?」と嵐子も銃を向け、なごみへの発砲を止めようとします。
 暴力は作法の中にあるのを第6話では描かれているのです。

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