第13戦車中隊最後の姿(前編)~日本原駐屯地~
2024年(令和6年)3月21日に島根県出雲駐屯地で新しい部隊が発足しました。
それが第13偵察戦闘大隊です。
第13旅団所属のこの大隊は、第13戦車中隊と第13偵察隊が統合して編成されました。
統合して再編成する際に、第13戦車中隊は装備していた74式戦車が引退しました。
半世紀近く日本を守った74式戦車が現役を退き
1962年(昭和37年)の第13戦車大隊発足から、1999年(平成11年)の第13戦車中隊を経て、60年以上も中国地方の防衛警備を担っていた戦車部隊が74式戦車と共にその歴史に幕を閉じました。
今回は、その第13戦車中隊のラストステージとなった日本原駐屯地記念行事での様子を紹介します。
日本原駐屯地58周年創設記念行事
岡山県奈義町にある日本原駐屯地は第13戦車大隊の発足から、第13戦車中隊が駐屯する場所です。
2023年11月の駐屯地創設58周年記念の式典では、観閲行進で3両の74式戦車が行進
訓練展示は敵役である赤部隊が、領土であると主張する日本固有の領土へ一方的な軍事行動を起こして占拠した。
これを青部隊(自衛隊)が奪還すると言う想定
74式戦車は敵部隊へ特科の榴弾砲FH-70と共に砲撃を浴びせてから、総攻撃と言える前進をして奪還と言う流れでした。
日本原は砲兵もとい特科の駐屯地でもあるせいか、火力で押す場面が強調された感じでしたね。
第13偵察戦闘大隊で装備される16式機動戦闘車、部隊新編の前に第13戦車中隊の所属になっています。
これは第13戦車中隊の戦車乗員が機動戦闘車の乗員となるからです。
他の戦車部隊から偵察戦闘大隊や即応機動連隊の機動戦闘車部隊に変わる時も、機動戦闘車は戦車部隊の所属で新部隊へ移行できるようになっていました。
日本原駐屯地では過去に、第14戦車中隊が第15即応機動連隊の機動戦車隊に改編される前に、機動戦闘車は第14戦車中隊の所属になっていました。
この戦車部隊所属の機動戦闘車は過渡期の姿なので、見られるのは貴重でした。
式典と訓練展示が終わると第13戦車中隊の74式戦車は後部にカゴを装着
そのカゴに来場者を乗せての試乗を行います。
前に日本原で試乗に乗れた時は、大きく揺れる戦車のダイナミックさを体感できて「こんな揺れの中で戦闘をするのか」と戦車乗りの凄さを垣間見ました。
日本原駐屯地は戦車部隊の駐屯地であるので、戦車の駐車場があります。
大きな天幕のようなカバーをかけられた戦車
足回りを掃除か整備する為か姿勢を高くしている戦車が見れました。
第13偵察戦闘大隊の発足で、日本原から戦車が消える。
この戦車の巣と言える光景が見れなくなると思うと、少し寂しく感じました。