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G7サミット厳戒態勢の広島②【宇品前編】


 前回の続きです。
 巡視船「しきしま」を見ようと、呉から広島へフェリーで向かいました。
 フェリーでは呉港から海上保安官が乗り込み、船内を巡回していました。広島港では乗客が降りてから下船していた。
 フェリーがサミット会場のホテルに近づく航路を通るせいだろう。
 広島港のふ頭では警察官も巡回し、陸での海側の警備が行われていました。

自衛隊宇品に展開

 広島港を出ると、目の前にテントが幾つも見える。
 白いテントと濃い緑色のテントが複数見える。場所は広島みなと公園である。
 濃い緑色のテントは、この趣味や西日本豪雨の災害派遣部隊で見慣れた自衛隊のテントだ。これに対して白いテントはよく分からない。

 白いテントにはG7広島サミットのロゴと、見慣れない三角形を3つ組み合わせたマークが貼られている。ますます分からない。
 そんな白いテントから紫色のナースウェアらしき格好をした女性が複数出て来た。やはり医療関係か?

 白いテントのすぐ近くに停まっているバスのような車両
 その車両には「放射線医学総合研究所」(以後、放医研)とある。どうやら白いテントは放医研のテントらしい。
 この放医研は放射線医学の研究機関でもあり、被ばく医療を専門に行う医療機関でもある。
 過去には平成11年の東海村JCO臨界事故で被ばくした負傷者が緊急搬送された所でもある。

 自衛隊の方を見ると、赤十字のマークを付けたトラックや赤十字の旗を掲げたテントが見える。
 自衛隊も医療を担当する衛生部隊がこの公園に来ている。
 個人的に驚いたのは、コンテナを組み合わせた野外手術システムも設置されていて、実戦に備えた野戦病院がそこにあった。

車輌から高い柱を出しているのが、陸自通信部隊のアクセスノード装置

 広島みなと公園には、民間の放医研に陸上自衛隊の衛生部隊と通信部隊が確認できた。
 広島港と向い合わせに出来た野戦病院
 会場の元宇品やその近くには病院はあるものの、自前の医療部隊を展開させる事で緊急処置はすぐに出来る態勢を整えていると言う事だろう。
 仮にサミット関係者が負傷した場合に、特に首脳が負傷した場合で即座に対応できるようにしていると思われる。
 手術や放射線による被ばくによる処置も想定しているであろうこの部隊、陸自のテントには「宇品医療支援隊」とあり、医療部隊なのは確かだ。
 備えあれば憂いなし。待機だけで終わったであろう事は幸いである。

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