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核物質密輸で日本人エビサワ起訴!核物質密輸の重罪さとは?

 アメリカで「エビサワタケシ」なる日本人が起訴された。
 アメリカの報道では、エビサワは日本のヤクザで武器密輸をしていた人物だとしている。
 しかし、日本の報道ではエビサワは日本のヤクザ、暴力団などの反社会勢力の関係者ではないとされている。
 丸山ゴンザレスさんのYouTube動画やYouTuber懲役太郎さんの動画では、エビサワは栃木県宇都宮の出身の日本人
 ただし、暴力団など反社会勢力の関係者ではなく詐欺師であると言う。
 つまり、エビサワタケシの正体はヤクザでもなく武器を売る武器商人でもなく詐欺師だった。


 https://www.youtube.com/watch?v=B9wpip1bTKg

 だが、エビサワを捜査し逮捕したDEA(アメリカ麻薬取締局)や当局はエビサワを本物の武器密輸の犯罪者として扱っている。
 これはエビサワがイランへ核物質を売ろうとしていたからだ。
 証拠として、核兵器に使用できるレベルのプルトニウムがエビサワから押収したとされる。
 アメリカと敵対しているイランの核兵器開発を阻止したいアメリカにとって、イランへの核物質売却は許されない事だ。
 エビサワはアメリカの怒りを買ってしまったのである。 
 

核物質は守られている



 エビサワが捕まった理由は核物質の違法な売買をしようとしたからだ。
 核物質は「核物質の防護に関する条約」と言う国際条約で管理を厳しくする物として扱われている。
 この条約は不法な核物質の取得と使用を防止する事と、原子力施設の破壊活動や核物質を使ったテロ活動を防止が定められている。
 つまり、核物質を認められていない組織や人物が扱わないようにする事、原子力施設や核物質を運ぶ輸送船への攻撃や核物質をテロに使う事を防止すると定められている。

 1987年から発効したこの条約は2020年の時点で161ヶ国と1つの国際機関が締約している。
 この条約はアメリカやロシア・イギリス・フランス・中国など核兵器を保有していたり、原子力発電所も持つ国も締約している。
 また、原子力安全条約・核テロ防止条約・放射性廃棄物等安全条約など原子力の安全や核物質の流出やテロ使用を防止を目的とした国際条約が結ばれている。

 こうした国際法と日本での原子炉等規制法・原子力規制委員会規則のような国内法での管理も行われています。
 核物質は基本的には密輸されるような流出は起きないのです。


過去にあった核流出



 核物質の流出事件は実際に起きていて、1994年にドイツのミュンヘン空港で摘発されている。
 この摘発では兵器級プルトニウム約360グラム、低濃縮ウラン約120グラム、水爆製造にも使われる濃縮リチウム金属約200グラムが見つかった。

 これらの核物質と関連物質はロシアの原子力施設から流出した物だった。
 1994年は91年のソ連崩壊から3年の時期であり、ロシア国内の社会秩序が崩壊していた。
 核物質はそうした当時の管理が機能していないロシアから流出したのだ。

 こうした本当にあった事例と、核物質を厳しく管理する国際条約や国内法・イランの核兵器開発を阻止したいアメリカにとっての安全保障戦略が重なってエビサワの起訴へ繋がったと言える。
 エビサワが持っていたとされるミャンマーから密輸したプルトニウムはどんな組織がどのルートでエビサワへ渡したのかが、アメリカ当局にとって大きな関心になっていると思われます。

 エビサワは日本へ簡単に帰れない状況に置かれていると思います。
 丸山ゴンザレスさんは動画の中で詐欺師として、詐欺をする中で本物に会ってしまったのだろうと推察しています。
 エビサワは思わぬ所で越えてはならない一線を越えてしまったのです。

<参考資料>
・外務省
「原子力の平和利用ー核セキュリティー」

https://www.mofa.go.jp/mofaj/dns/n_s_ne/page22_000968.html


・公益財団法人核物質管理センター
「核物質防護」

・国際平和拠点ひろしま
「(2) 核セキュリティ・原子力安全にかか る諸条約などへの加入、参加、国内体制への反映」

https://hiroshimaforpeace.com/hiroshimareport/report-2022/page-3-2/ 

・朝日新聞GLOBE+
「プルトニウム盗んで自ら被曝 実際にあった「核の事件簿」」
https://globe.asahi.com/article/12613104
 

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