【日記】練習艦隊出港を見送りに行った
3月10日(金曜日)の夜、Twitterのタイムラインに明日(3月11日土曜日)に江田島から練習艦隊が出港すると海上自衛隊の公式情報が流れて来た。
土曜は休みだし行くかなとぼんやり決める。
翌日の午前中、行くと思っても1週間の仕事疲れが出かけるのが億劫になる。
それでも「次回見に行くか分からんぞ」と思い、身体を強引に動かし午前11時にマイカーで出かける。
地元の三原市から江田島へ行くには公共交通機関だと
JR山陽本線とJR呉線を乗り継いで呉駅で降りて、呉港から江田島の小用港へフェリーか高速船で向かう。
更に小用からバスで江田島の津久茂のバス亭まで行き、後は江田島湾沿岸の撮影する場所まで歩きで行く。
と言うルートとなる。
このルートでも良いかと思ったが、出発が11時と遅くなった。
マイカーでそのまま現地に行く事にした。
江田島までは呉市の警固屋から倉橋島の音戸大橋と第二音戸大橋で倉橋島に入り、早瀬大橋を通り、江田島に来るまで行けるのである。
江田島湾の沿岸まで来ると練習艦隊の3隻が湾内に停泊しているのが見える。
今回の練習艦隊は練習艦「かしま」に護衛艦「はたかぜ」・「きりさめ」の3隻だ。
マイカーで撮影場所である海上自衛隊の第1術科学校と幹部候補生学校より対岸の位置に到着
既に2台の車が道の隅に止まり、5人ほどの人が居る。
江田島湾の出入り口近くの「津久茂護衛艦見送り」と言う場所は過去の画像や動画を見るに人は多そうだ。
到着時刻は午後1時50分を過ぎていた。もはや人も多いだろう。
(それでもどんどん、向かう車はあった)
でも、撮影に選んだ場所は悪くない。
幹部候補生学校から出て、小型の船で乗り組む卒業生もとい初級幹部の様子が見えるからだ。
練習艦隊の出港を待っていると、いきなり飛び出るように現れた大型のゴムボート1艇があった。
黒いボムボートに乗る隊員は黒いヘルメットに黒か紺色の服を着込んでいる。どうやら海上自衛隊の特殊部隊である特別警備隊が練習艦隊の見送りに出て来たようだ。
過去の練習艦隊出港の様子を見るに、特殊部隊の特別警備隊も毎回見送りに出ている。とはいえ、いきなり目の前を特殊部隊が通り過ぎるのは興奮するものがある。
午後2時頃から幹部候補生学校の方から軍艦マーチもとい、軍艦行進曲が聞こえて来る。校内の卒業式が終わり、候補生から初級幹部になった皆さんが練習艦隊へ向かう場面になったのだ。
練習艦隊は幹部候補生学校を卒業して三等海尉か二等海尉の初級幹部になった幹部の新人達を艦艇で艦内生活や艦内での基礎を実地で行うのを目的としている。
今回は「かしま」と「はたかぜ」で日本近海を航行する近海練習航海を行う。
「きりさめ」は飛行幹部候補生を卒業した初級幹部が乗り、初級幹部の教育をしつつ、カンボジア・マレーシア・ブルネイの海外への航海となる。
幹部候補生学校から小型艇に乗り込んだ初級幹部達はそれぞれの艦へ向かい、乗艦する。
初級幹部が乗艦する頃に江田島上空に海上自衛隊の航空機が飛来する。
SH-60対潜哨戒ヘリコプター・TC-90練習機・P-1対潜哨戒機が1機づつ、卒業と初級幹部任官を祝っての飛行だ。
航空機が去り、ラッパの激しい音色が響き何かのアナウンスが聞こえる。どうやら練習艦隊で「出港用意」の号令がかかったのだ。
降ろしていた錨を上げるとすぐに3隻は方向を変え動き始める。
「かしま」を先頭に「はたかぜ」・「きりさめ」の順で縦の列で練習艦隊は進む。
航行を始めた各艦では右舷に並んだ初級幹部達が見送りの人達へ帽子を振る「帽振れ」で挨拶をする。
私もその挨拶に応えて、撮影をしながら手を振り見送った。
艦艇も大きな汽笛を出して船出の挨拶をする。
晴天の下でゆっくりと進む3隻、江田島湾に響く汽笛と整然と並ぶ初級幹部達、なんとも壮麗な光景だ。
練習艦隊の乗員と、新たな幹部達の御安航を祈ります。