『NNNドキュメント』吃音の回を観て

就活で苦悩している吃音もちの人が出演していた。彼は2018年にAbemaTVで吃音を取り上げてくれた回にも出演されていて、とても印象に残っている。

記憶が少し曖昧だけど、AbemaTVで数名のゲスト著名人は
「吃音があっても気にならない」
「それを含めて○○君だと思う」
という類の発言をしていたと思う。

とても真っ当で妥当な意見だ。
仮に自分がその場にいても、もしかしたら空気を読んで似たようなコメントをしたかもしれない。

そして彼自身も吃音があるまま…という様なことを口にしていた気がする。俗に言うところの “吃音の受容” になるのかな。

でも放送直後に彼は吃音の改善を希望して、愛知県の “つばさ吃音相談室” に通い始めた。
通うことになった経緯を知ってるけどココでは書かない。でも、とにかく、より流暢に話せるように願い、わざわざ関東から名古屋まで通い始めたのだろう。

AbemaTVで口にしてした吃音の受容。
今考えると、この言葉は消極的な選択ではなかったのでは?と。場の空気を読んでの発言だったのかもしれない。
同時に当時の彼の中に改善できるという選択肢は存在しなかったんじゃないかな。
でも羽佐田さんに改善という選択肢を提示され、そして彼は選択した。

彼の症状が今後改善するかどうかは分からない。でも訓練前はSTの先生の「営業は無理だと思う」という言葉をひっくり返すほどにまでなる可能性は低くくないと思っている。営業は無理→営業が可能となることがSTの先生&彼の願いであり目標なんだよね。
それは決して無謀な戦いではないはず。

そして『 吃音 伝えられないもどかしさ』のメインの登場人物でもあるケイ君は吃音友達の結婚式でのスピーチに挑んだ。
以前のように激しく吃りながら話すのではなく、でも少しだけブロックを出しながらも黙っていたら吃音の有無が分からないくらいに流暢に話せていた。
そんな場面を目にするだけで少しホッコリするような嬉しさが湧き出てくる。
そうそう、Co-Neccoのラスカルさんもとってもキレイに映っていてニヤリとしてしまった(笑)

吃音がある者として、色々な問題を抱えつつ、ポイントポイントでその問題をクリアしていき、でも心の中ではスッキリしない、そして常に吃音の影響であるであろう疲労感をかかえている人は少なくないはず。

そんな状況を吃音の改善であったり、気持ちの持ちようであったり、環境の変化により乗り越えていくことは口で言うほど簡単ではない。

問題解決の選択肢はいくつもあるはず。
以前から何度も口にしているが、何もしなくても時間が解決してくれることもあるんだよ…ということ。

無理にポジティブになる必要はないけども、可能な範囲でポジティブになれれば良いのかなと。

そしてポジティブになれる選択肢を説教にならない様に注意しつつ沢山提示していくことが吃音もちの人生の先輩から出来る最良のことなのかなと思っています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?