【若者の悩みにマジ回答】仕事ができないからって人生の負け組とは限らない
株式会社アドウェイズ代表・岡村 陽久(おかむら はるひさ)の抱える多種多様なお悩みを、あらゆるジャンルの有識者に相談する当ブログ「勝手にしやがれリターンズ」。
今までは悩みを解決してもらう側でしたが、なんと6回目にして岡村の元へお悩み相談のDMが届きました。
悩みを相談してくれた若者はどうやらこの「勝手にしやがれリターンズ」の読者とのこと。そこで今回は本人に許可をもらい、若者が持つ切実な悩みに対してのアンサーを記事の中で真摯に答えていきます。
極限の空腹状態で一つのカップラーメンを譲れるのが親友
西久保:Zoom飲みには呼ばれていたのにリアル飲みには呼ばれない、という悩みですね。
高山:寂しい。
岡村:僕はこの話を聞いて長渕剛さんの歌の歌詞を思い出しましたね。
西久保:どんな歌詞なんですか?
岡村:「役立たずの兵士達が100人いるよりもたった一人のかけがえのない本当の友がいい」という一節があるんです。
高山:かけがえのない“本当の友”。
岡村:そうです。僕自身、社会に出てからごくまれにですが、表面的な関係性を持つことに虚しさを感じることもあります。でも“本当の友”がいるので寂しくなることはないですね。
西久保:岡村さんに“本当の友”は何人いるんですか?
岡村:5人です。
高山:思った以上にいますね。そもそも、その“本当の友”の定義って何なんでしょう。
岡村:例えば親友と二人で極限的に空腹な状態に置かれたとします。でも、あるのはカップラーメン一つだけ。そんなとき「半分ずつ食べよう」と言うのではなく「俺はいいからお前が食べろよ」と言えるような関係性じゃないでしょうか。
西久保:自分を後回しにできる関係性。
岡村:でも、きっと親友であれば「俺はいいからお前が食べろ」と返されるはずです。すると「じゃあ二人で分けるか」となる。
高山:最初から半分ずつじゃダメなんだ。
相手に5回裏切られても、きっとどこかで自分も5回裏切ったはず
岡村:矛盾しているようですが、親友だったら自分を差し置いてカップラーメンを一人で食べ始めてもいいわけですよ。大事なのは気を遣い合うことでなく自然体でいられるかどうか。無意識に相手を思いやれるかどうかです。
高山:愛の話ですね。
岡村:もちろん長い期間一緒にいれば、裏切られたり裏切ったりすることもあると思いますよ。
西久保:あっ、裏切られてもいいんだ。
岡村:でも親友なら「あいつは俺のこと5回くらい裏切ったけど、きっと俺もあいつのこと5回くらいは裏切ったんだろうな」と思える。
西久保:長い時間を共に過ごして育んだ絆があるわけですね。
岡村:親友にお金を貸していても、具体的な金額って覚えてないじゃないですか。「過去に自分もきっと同額くらい借りてるだろうし、まあいいか」と思えたりする。極端な話、親友だったら貸してた車を勝手に売られたとしても怒らないですね。きっと親友も怒らないだろうし。
高山:俺は誰であっても怒りますけどね。
岡村:とにかく、僕はこれからも「親友をもう一人つくれ」って言われたら簡単につくれると思います。始めは相手のことをとにかく大事にしていけばいいわけですから。そうすれば自ずと相手も自分のことを大切にしてくれるようになるんです。
西久保:まずはカップラーメンを譲ってみるところからですね。
岡村:そうです。
友達づくりにはインバウンドとアウトバウンドがある
西久保:でも、親友が一人いたとしても突発的に訪れる寂しさって、人とのコミュニケーションでしか埋められなかったりしますよね。常に親友とスケジュールが合うとは限らないし。
高山:僕の場合は自分が通う場所に友達をつくってますね。近所に行きつけのバーが何軒かあって、そこに行けば朝4時でも友達に会える。友達のつくり方は、インバウンドとアウトバウンドの二通りあるんですよ。
岡村:確かに。それに関係にも色々あって、親友もいればZoom飲みだけの友達、大学の同期、社内の仲間など多方面で関係を築いていっていいと思いますよ。そうすれば相乗効果で人生が豊かになるはずです。
社会で仕事することが向いていないなら山に住め
西久保:では二つめの相談に入りましょう。転職の相談です。
高山:コロナの影響で転職不況に陥っている、と。
岡村:じゃあ、自分は社会で働くのに向いていないと割り切りましょう。山で生きるのがいいと思います。
西久保:えっ、ちょっと極端すぎないですか。
岡村:野宿するにしても夏は北海道、冬は九州に行けば死ぬことはありません。
高山:過ごしやすい環境は整うとしても、食べ物はどうすればいいんですか?
岡村:食べ物って意外と落ちてるんですよ。川に行けば魚が落ちてるし、山には山菜が落ちています。
西久保:魚や山菜たちは自分たちが落ちてる自覚はないと思うんですけどね。
高山:でもそんな簡単に調達できますかね?
岡村:だって熊は生きていけてるんですよ。熊は言葉も喋れないし、道具も使えない、手先も器用じゃない。その分、人間は工夫しながら食料を得られる。魚が釣れたら町で米や肉と交換できるかもしれないし、幾ばくかのお金になるかもしれないじゃないですか。
西久保:まあ家賃も光熱費もいらなくなるわけですから、社会人のときよりかはお金はいらなくなるでしょうね。
岡村:その生活が板についてくれば、釣りや山菜採りのガイドになれますよね。その暮らしの一部始終を撮ったYoutubeチャンネルも需要があると思いますよ。
高山:もしかしたら、一攫千金狙えるかもしれないですね。
岡村:儲けを否定したところから儲かるかもしれないですね。
西久保:岡村さんは、そういう生活をいつかしてみたいんですか?
岡村:憧れていますね。なので今からNetflixで「バトルフィッシュ」や「アメリカンバーベキュー」「ミート・イーター猟理の達人」を見て勉強しています。
高山:僕も全部見てます。めちゃめちゃ面白いですよね。
世間とは違う価値観を許せば競争のない世界を切り開ける
岡村:なんでこういう話をしたかというと、noteで見つけた物語を思い出したんです。ある漁師が、ハーバードのMBAを持っているビジネスマンに「なんでもっと魚を釣らないんですか?僕が手伝ったらもっと儲けられますよ」と持ちかける。「大金持ちになったその先は何をするんだ?」と漁師がビジネスマンに問うと「小さな漁村で釣りでもして家族とのんびり過ごせばいいじゃないですか」と言うんです。すると漁師は「それなら今の生活と変わらないじゃないよ」と返す、という話です。
西久保:その漁師にとっては今の生活が何よりしっくりきているんでしょうね。 岡村:そうです。人間全員にとって、タワーマンションに住み、いい車に乗ることが幸せとは限らないじゃないですか。いい学校に入り大企業で働き、家を買い家族を持つ、という人生が心地よい人ばかりじゃない。
高山:確かに。
岡村:だから、就職できないということが本当に自分にとってマイナスなのか、一度立ち止まって考えてみて欲しいですね。社会人が向いてないからといって、社会の負け組になったということではないわけですよ。
西久保:会社で働くのが向いている人は働いたらいいですしね。
岡村:そう。当たり前ですが東京でバリキャリする人がいたっていいんです。でも、ライバルが多い環境で戦っていくのは大変ですよね。人にとっては精神がすり減ることがあるかもしれない。だったら、世間が良しとしている価値観とは違う価値観を自分に許して、競争相手がいない世界を切り開くのも手じゃないでしょうか。