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#3 映画をどう観るか? オスロ国際空港 ダブルハイジャックで検討してみる

映画の面白さは何か?映画のポイントは何か?について、昨日観た「オスロ国際空港 ダブルハイジャック」を題材に検討してみます。最初に断っておきますが、はっきり言ってダメ映画です。お好きな方がいらしたら申し訳ないです。

オスロ国際空港 ダブルハイジャック  1974年/イギリス/90分/監督:キャスパー・リード/主演:ショーン・コネリー

冒頭でいきなりモヒカンジェットが登場。昔の航空ファンにはたまらないシーンではないでしょうか。モヒカンジェットというのは、昔の全日空のカラーリングですね。この映画ではオレンジ色のモヒカンジェット、ノルウェーのチャーター便専門のMay-AirのB737です。

まずはノルウェーにあるイギリス大使館員の人質事件が発生。犯人グループはどうやらIRAのテロリストグループ。この事件解決の指揮を執るのが、ショーン・コネリーが演じるタルヴィックという男。一方で、犯人グループの別の部隊が、冒頭のB737をハイジャック。この2つの部隊が連携して、捕まっている同志の開放を要求しながら国外脱出を図る、というのがメインのストーリーです。なんだか、どこにでもあるようなパニックアクションのような。

●アクションがない
主演がショーン・コネリーとなれば、007シリーズ的アクションかサスペンスを期待するわけですが、このタルヴィックは何もしない!指揮してるだけ。「ダイハード2」が特に良い映画だとは思わないけど、少しはジョン・マクレーンを見習えっての!でもって、タイヤ交換の時は作業員に扮して機体に近づいて・・・と思ったら何もせず。なぜ機長が機転を利かしたこの大チャンスを使わないのか?せっかくの見せ場を逃してどうする?最後のシーンで申し訳程度に暴れるだけのタルヴィックにどんな面白さがあるのか?

●脚本が弱い
メインのストーリーだけでは薄っぺらく感じる。犯人グループの背景描写がない。せっかくIRAという社会派の要素を入れてるのに、それだけ。犯人はテロリスト=悪。以上。カトリックとプロテスタントの対立の歴史とかあるだろうに。「新幹線大爆破」「天国と地獄」は犯人の背景もしっかり描いている。だから深みが出るんだよね。タルヴィックのキャラクター描写もほとんどない。ジョン・マクレーンは奥さんが飛行機に乗ってるから必死になるし、あと「ポセイドン・アドベンチャー」では、前半で人物描写をすごく丁寧にやっている。だから登場人物に感情移入できる。タルヴィックには何も共感できない。せっかくのどんでん返しのネタも生かされているとは思えない。

●画が凡庸
全体的に画面がつまらないというか、印象に残る画がない。最もおかしな画は、中盤の優雅なランデブー飛行シーン。何かのプロモーション映像みたい。とにかく間が抜けている。おっさんのシャワーシーンも無意味。

●キャラに魅力がない
撮影当時47歳のショーン・コネリー。残念ながらこの映画ではただのおっさんにしか見えない。魅力的なヒロインもいない。どの客層を狙っているのか不明。

●まとめ
航空パニックアクションの元祖といえばエアポートシリーズ。1作目こそ人間ドラマに重点が置かれていたものの、2作目以降はバカアクションの要素を強く打ち出し、これが大ヒット。この手の映画は、やはりアクションが必須でしょう。バカっぽくてOK。ビール片手にツッコミながら楽しめるからね。飛行機モノで硬派路線なら「不時着」がオススメだけど、飛行機マニア以外は「?」ってなるかも。特色が打ち出せていない「オスロ国際空港 ダブルハイジャック」は残念ながらガッカリでした。

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