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嘘グルメ 第二話「鮫の歯」

鮫漁ってのは一子相伝。親から子に受け継がれてくもんなんだ。教科書なんてのは存在しねえ。荒波に揺れる船の上で波しぶきで溺れそうになりながら親父に鮫の捕り方を教えてもらうんだ。当たれば一攫千金、外せばあの世行きよ。まあ一回この漁を体験してみな?映画の「JAWS」が金魚に見えるぜ?あれ一回観たけどよ、、スピルバーグも大したことねえな(笑)

すまねえタバコ一本いいかい?漁の後の一本が格別でねえ。カチッ…スーッ、、、はぁ~、うめえ。何ジロジロ見てんだ?これだろ?俺は鮫に体をガンガン噛みちぎられてるからあちこち欠けててな!体重はもう28キロしかねえんだわ!よく生きてるよな!ガハハハハハ!(笑)

え?俺の好きなメシを教えろって?お前こんな日本のはずれまで来てそんなこと聞きにきたのか?そうだな…、、タバコ吸い終わるまで待ってくれるか?

…いいかい?鮫には捨てる所が無いなんて言われるけど、実は歯も食べられるんだよ。歯を1本ずつ抜いて高温の油に放り込んでカラッと揚げるのよ。それをそのまま食べてもうめえんだけど、それを玉葱と出汁を煮込んだ中に入れて玉子で閉じる、そしてそれをご飯にのせてかっこむ。これがうめえのよ。

この鮫料理も一子相伝でねぇ、いつか親父に教えてもらったんだわ。。

集落の方から男の子の声が聞こえてきた。
「父ちゃーん!お帰り!母ちゃんが夕飯に使うから鮫のモツ早く持って帰って来いって!」

すまねえ、そういうわけでもう帰んなきゃだわ。気が向いたらまたこの町に遊びにきな。またな!

いつかあの男の子も、鮫を捕りに海へと出るのだろうか…。

「鮫の歯の玉子とじ丼」

材料2人分

ごはんどんぶり2杯(400g)
鮫の歯(110g)
溶き卵2個分
玉ねぎ1/2個

☆調味料
砂糖小さじ1
みりん大さじ1と1/2
しょうゆ大さじ1と1/2
和風顆粒だし小さじ1/3
水60cc


作り方

1 鮫の歯を1本ずつ引っこ抜く

2 190~200℃の油で約3分程度、鮫の歯が色づくまで揚げる。

3 フライパンに☆を入れて混ぜ、玉ねぎを加える。さっと混ぜてふたをし、弱火で2〜3分加熱する。

4 鮫の歯を加えてさっと混ぜ、再び煮立ったら溶き卵をまわし入れる。 ふたをし、卵がお好みの固さになるまで弱めの中火で煮る。

5 器にごはんを盛り、4をのせる。

※本文に出てくる料理は、嘘です。

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