嘘グルメ第30話『ライオンのモツ』
アフリカの南西部にある街「グイデン」を車で8時間西に向けて進み、ジャングルを抜け、山をひと山ふた山と越えた、とある部族が住む集落にやってきた。その部族の名は‥
「ガルダ族」
まだこの時期にもかかわらずジメジメしていて、汗でシャツが体に張り付いている。テレビでこういう所の映像を見た時にハエが人にたかっているのを見ることがあるが、既に私の顔もその状態になっている(笑)さて、ここで出迎えてくれる筈の人がいる筈なのだが‥
ああ、どうも!待ちましたか?木下と言います。‥いやー!日本人久しぶりだーー!!すげー!顔、平べってー!!どうです?日本は今も大橋巨泉が司会やってるんですか?
しかし貴方も物好きですねぇ。グルメの話を聞くために、グイデンよりも遠いここまでくるなんて(笑)え?グイデンの名物料理「女狐のおしり焼き」も食べなかったんですか!?もったいない!是非とも帰りは召し上がって下さい。うまいですよ〜、あれは!あぁ、それで聞きたかったのはガルダ族の戦士が食べるグルメの話ですよね?
私がガルダ族に興味を持って取材し出したのが31年前、ちょうど大橋巨泉の「世界まるごとHOWマッチ」が終わった時だったのを覚えています。そしてグイデンに住んでガルダ族専門のコーディネーターになったのが29年前、そうです大橋巨泉も参加していた「ギミア•ぶれいく」が終わった年でした。ガルダ族というのは数ある部族の中でも珍しい、ライオンの狩りをする部族だったんです。ジャングルの王者でもある勇猛なライオンに果敢に向かっていき、倒したものが若者をまとめ上げるリーダーになれる。そしてリーダーは狩りの先頭に立たなければならない、そんな危険な狩りに行く前に、自分達を鼓舞する為に食べるのが、、ライオンのモツ焼きなんです。
前回の狩りの時に残してあった雄ライオンのモツを串に刺し、調合したタレをつけて炭火で焼きます。ご存知の通りライオンは狩りをメスがします。狩りで運動をしてるメスの肉は赤身が多いんですが、普段狩りをしないオスの肉はねぇ、見事な霜降りがさしてるんです。中でもガルダ族が愛してるのがモツです。火で炙るとジュワ〜っと脂が滴り、その脂が炭に落ちて舞い上がる匂いってのが何とも言えない香ばしさと、力強い煙が立ち上ります。この匂いと煙は他の肉食動物や草食動物を避ける効果もあるんですよ。表面に焦げ目がつき、気持ちレアぐらいで焼いたら、一気にかぶりつくんです!‥僕も食べさせてもらった事があるんですが、、これが他に形容できないくらい、、美味いんですよ‥!!
ガルダ族の戦士が食べるライオンのモツ焼き。そのモツを食べると一時的に目が良くなり、遠くの獲物を見付けるのに役立つそうだ。古くから残る習慣には理にかなっていることが多く、これもまたそうなのだろう。私は、日本に帰ったら知り合いのディレクターに頼み、大橋巨泉さんのDVDを送ることを約束し集落を後にした。おっと、その前にグイデンに寄って「女狐のおしり焼き」を食べないとな。ウッシッシ笑
「ライオンのモツ焼き」
材料(2人分)
ライオンのモツ 500g
生姜スライス 5枚
酒 大さじ1
★醤油 大さじ1
★みりん 大さじ1
★酒 大さじ1
★生姜すりおろし 小さじ2
★にんにくすりおろし 小さじ2
★砂糖 小さじ1
作り方
1 ライオンを狩る。狩ったライオンをバラし、モツを取り出す。
2 ライオンのモツを水から10分位しっかり茹でてザルに取り洗って灰汁を取ります。食べやすい大きさにカットします。
3 今度は臭み抜きで生姜と酒を加えて茹でます。茹で上がったら再度洗って水気を切ります。
4 ★を合わせて置いたボウルにライオンのモツを入れてよく揉みます。和えるだけだと、ムラが出来るようなので揉んだ方が美味しいです。
5 漬け汁をよく切って、串に刺したライオンのモツを炭火で焼きます。表面に焦げ目が付いたら完成。
コツ・ポイント
下茹ではしっかり時間をかけて、灰汁はしっかり洗い流す事さえ出来ればOKです。
漬け込み時間は30分からOK。一晩漬けるとより一層美味しく召し上がれます☆
※本文に含まれる料理、情報、地名は、全部嘘です。
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