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【社説に対して】新型コロナと芸術文化

20200410河北新報「今日の社説」

「存続へ手厚い支援が必要だ」の見出し

新型コロナウイルスの感染拡大で、演奏会や演劇、演芸、展覧会などの文化イベントが軒並み中止や延期に追い込まれている。
 安倍晋三首相が緊急事態宣言を出し、いつ開催できるかどうかさえ見通せない。政府は個人事業者やフリーランスに現金を給付する緊急経済対策を決めたが、文化の担い手を非常事態から救うとともに、活動再開へ向けた支援も検討するべきだ。
 政府が大規模イベントの自粛を初めて要請してから1カ月半になる。ウイルスの猛威は衰えを見せず、大勢の人が集まれば感染の危険性は高まる。中止や延期はやむを得ない。
 音楽ライブの主催者でつくるコンサートプロモーターズ協会は3月、超党派の国会議員の会合で「この状況では業界が持たない」と訴えた。協会の推計によると「自主判断」で中止・延期した3月末までの公演は約1550件、損害総額は約450億円に上る。
 東北でも影響は深刻だ。仙北市の劇団わらび座は、支援金の協力を広く呼び掛ける異例の声明を出した。
 3月の全国公演が全て中止になったほか、宿泊施設としても運営する拠点のあきた芸術村は予約がほとんどキャンセルとなった。日本有数の規模の劇団の現状である。
 芸術文化に携わる人々は東日本大震災の際も、公演を開催できない苦しみを味わった。しかし、今回はある意味でそれを上回る。仙台市の音楽制作会社関係者の悲痛な声が本紙に載っている。「震災の時は『つらい時こそ音楽を届けよう』と頑張れたが、今回はそれすらもできない」
 各国は支援に乗り出している。ドイツ政府は文化産業に携わるフリーランスや小規模事業者に50億ユーロ(約5980億円)の財政支援を表明した。英国でも公的支援団体アーツカウンシルが芸術家や劇場への資金注入を進めている。
 芸術文化は食料品や医薬品などと違って不要不急かもしれない。しかし、失われた日々を経験する今、いかに味気ない生活なのかが分かる。
 ドイツの文化担当大臣は「アーティストは必要不可欠であるだけでなく、生命維持に必要なのだ。特に今は」と述べたという。苦境にある芸術文化関係者の心を奮い立たせる言葉だったろう。
 日本は緊急経済対策で、収入が半減した中小企業に最大200万円、個人事業者やフリーランスに最大100万円を給付する。
 音楽家や俳優、そのスタッフも含まれるとみられるが、申請手続きや給付時期など不明な点が多い。政府は早急に明らかにし、多くの関係者に渡るようにしてもらいたい。
 緊急経済対策は非常事態を一時的に切り抜ける施策である。新型コロナが終息後、芸術文化が再び立ち上がるためにはさらなる国の支援が必要だ。

活動再開へ向けた支援とは?

確かにアーティスト個人や関係者への支援は急務だが、活動再開の支援とはなんだろう。例えば公演再開に関しての補助なのか、公的施設の使用料免除なのか。そこで問題になるのが今回も浮き彫りになった「夜のお店の方々」のような娯楽だけど、どうなの?という面々。個人的な見解だが今回、僕の知っているお店(ダンスクラブ)も休業中。だけど、そこのダンスクラブでは夜な夜な若い世代に人気なアーティストが活動し、国内海外問わず発信力のあるDJがプレイしている。だけども、ここに支援は下りるだろうか?いわゆるクラブというようなユースカルチャーど真ん中の芸術に、「支援」できるのだろうか。家賃保証という面に関して飲食業界を中心に動いていることに関して、ここにも分断され色付けされ阻害されていく文化がある気がする「分断しない芸術」ぜひ、支援の際はこの考えでいたいと思う。

被害損額を認識

音楽ライブの主催者でつくるコンサートプロモーターズ協会は3月、超党派の国会議員の会合で「この状況では業界が持たない」と訴えた。協会の推計によると「自主判断」で中止・延期した3月末までの公演は約1550件、損害総額は約450億円に上る。
これから4月5月の損害額計上、夏以降もしばらくは続くと考えたら、損害額はもっと増える。国内の経済活動は落ち込みを続けるだろうけど、休業補償の対象にプロモーター、イベンターも含まれてほしい。

音楽は大事。でも届け方は様々な時代に。

仙台市の音楽制作会社関係者の悲痛な声が本紙に載っている。「震災の時は『つらい時こそ音楽を届けよう』と頑張れたが、今回はそれすらもできない」
確かに移動やステージでのクラスターが発生している最中、こういった「場所」をもっての届ける形は少し時間がかかると思います。でも音楽の届け方はこのご時世様々。ライブ配信や動画コンテンツにアップ等、届け方も色々。もしも高齢者にそれは届かないという意見があれば、防災無線の活用で定期的に音楽の配信をしてみてもいいのでは?

鳴らないようなことがないように、定期チェックの意味も兼ねて。

noteにも色々あります!

文化の醸成の違いに、有事の時にだけ棚ぼたでいいのか論

ドイツ政府は文化産業に携わるフリーランスや小規模事業者に50億ユーロ(約5980億円)の財政支援を表明した。英国でも公的支援団体アーツカウンシルが芸術家や劇場への資金注入を進めている。ドイツの文化担当大臣は「アーティストは必要不可欠であるだけでなく、生命維持に必要なのだ。特に今は」と述べたという。ドイツは音楽都市。音楽への理解は深い。音楽に「ドイツ的なもの」を追求する文化なのだ。そこでだ、今まで音楽は日本でも身近なものではあったけれども、いわゆる国民音楽に「日本的なもの」を追求してくる文化があっただろうか。

ドイツ音楽がナショナリズムを「反映」してきた、というより、ドイツのナショナリズムは音楽を通じて条件づけられていたのであり、ドイツ人が音楽を作ってきた以上に、音楽が「ドイツ」を作ってきたのだ。

という解釈であれば国は率先してお金を出すだろう。優先順位が高いとかではなく、なんせ音楽により作られた都市ドイツなのだから。こういう事例でいつも考えるのは、こういう時=「有事」の際にニッチな部分を指摘して、諸外国はやってるぞ!!的な声を散見するが、日ごろ、日本が日本国民が音楽に対してどれだけ理解を示してきただろう。何事にも優先順位はあると思う。だからこそまだまだ醸成されていない文化が今回の件で浮き上がってきた。なら、次のステップとしてこの業界の声を常に届けるように動くこと、国民皆様に音楽への理解を深め、育てる意味でのユースカルチャーを大切にしてほしい。

国の支援に+αの意識

緊急経済対策は非常事態を一時的に切り抜ける施策である。新型コロナが終息後、芸術文化が再び立ち上がるためにはさらなる国の支援が必要だ。
確かに国の支援は先述通り。ここに+αで国民総支援。芸術全般を見る、観る、聞く、聴く機会を増やさないといけない。しかも、これはできるだけ自発的が良い。強制された芸術というのも違う気がするし。ぜひ、自粛が解けいわゆる一般的な社会活動ができるようになったら、音楽フェス、芸術祭、絵画展等々芸術に触れ、徐々にでも醸成されれば何かの機会に最優先されるに違いない。

まとめ

芸術文化に対してのは
・アーティスト支援
・イベンター、プロモーター支援
はもちろん大事ですが
・日頃の国民の芸術への理解
これも再考するきっかけとなる社説でした。

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高橋克也 宮城県議会議員
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