第104回かつた杯レポート白熱のアルカナ環境考察
2022年9月10日に第104回のかつた杯(個人戦・チーム戦)を開催しました。
参加者のデッキタイプと、白熱のアルカナが環境に与えた影響に関して考察します。
かつた杯に関して
2018年から開催している自主大会で、先日100回開催を迎えることができました。今回から、200人程度収容できる幡ヶ谷の公共施設を使用させていただいており、より良い環境で開催ができるようになりました。
プレイヤーファーストで、迅速な進行、快適な対戦環境、正確なジャッジを提供できるよう心がけています。
最近は、TCGサプライブランド「TOYGER」のKINGスリーブを配布しております。
この記事を読んで興味をもった方はぜひ遊びに来てください。次回は10月29日(土)です。
当日のデッキ使用率
※今回、デッキリストの回収を行っていないため、プレイヤーから任意のアンケートで収集しています。
そのため、使用率のデータというよりは、環境に存在するデッキタイプの目安程度で参照ください。
※いつものグラフ作成ツールがエラーになっているのでみづらくてすみません。直ったら差し替えます
CL横浜に向けた環境考察
白熱のアルカナが環境に与えた影響
白熱のアルカナは新しいデッキタイプになるような強力なポケモンが一見して存在せず、地味なパックのような印象を受けます。
事実、今回の大会でも、新しいデッキタイプの活躍はそこまでありませんでした。
しかし、環境に与えた影響が少ないわけではなく、以下の2枚のカードの存在によって、各デッキの強さが若干変化し、それによって全体のメタゲームにも大きな影響が出ました。以前より、かなり複雑で読みづらい環境になったと感じます。
・Vガードエネルギー
-30の効果はかなり大きく、これまで攻撃を耐えられなかったポケモンが耐えることで、デッキ相性に影響を及ぼすカードです。具体的には、ヒスイゾロアーク、ミュウVMAX、アルセウス裏工作、ハピナス等のデッキでの活躍が見られましたが、他のデッキにも採用できる余地は大いにあると感じました。
これにより、VSTAR、VMAXをちょうど倒せるダメージラインであることが強みだったデッキの強さが相対的に下がり、ゲーム全体のターン数が伸びている傾向にあります。
・セレナ
これまで、「博士の研究」と「ボスの指令」をメインで使っていたデッキタイプの安定性が軒並み上がり、強化されたカードです。
具体的にはヒスイゾロア―ク、レジギガス、アルセウス+アタッカーなど、こちらも様々なデッキに入る可能性を秘めています。
これまでトップだった裏工作軸・ロスト軸の評価が相対的に下がったとも言えます。
この2枚がこれまで2番手、3番手だったデッキを全体的に強化しており、どのデッキも戦術次第で戦える可能性を生み出している、というのが白熱のアルカナ環境の総評です。
アルカナ環境のデッキタイプ
・パルキア
特に強化はされていないが、相変わらず安定感があり相手の嫌な攻め方を押し付けることができる対応力がある。
WCS以降、ガラルジグザグマやダンデの採用が増えた印象。
Vガードの採用はあまり見られなかったが、かわりにシンオウ神殿を強く使えるところが強み。
・アルセウス+裏工作
こちらもパルキア同様に安定感があり、相手への対応力も高い。非ルール系のデッキをほぼシャットアウトしている。
Vガードの登場で突破がかなり困難になっており、チェレンとトリニティノヴァを丁寧にプレイしているだけで強い。
・ロスト軸
ギラティナが入っているものから入っていないものまで、かなり研究が進み多様化している。ギラティナはしっかり動いたときの圧力は環境随一で、耐久に対してもVSTARパワーで解答できる強みがある。
他に採用されるポケモンも非常に種類が多く、相手に合わせて様々なポケモンを投げていくことができる対応力がある。
・アルセウス+アタッカー
アルセウス+ギラティナ+別アタッカーのような構築も徐々に増えている。
こちらも入れるカードによってさまざまなデッキに対して対応ができるため、メタ読みが重要。
ジュラルドンも環境的には悪くない位置にいる。
・レジギガス
PJCS以降、ギフトエネルギーの恩恵を最も受けたデッキタイプ。安定感が1段階上がり、さらにセレナの登場でもデッキの安定感が大きく上がっている。
逆に対策される側になっており、ロストシティやシンオウ神殿を常に警戒しながら戦うという状況になっている。
・ミュウVMAX
VSTAR環境になり若干戦いづらくなっていたが、再び増えつつある印象。レジギガス、ロストバレットに対し、ロストシティをかなり強く使えるデッキであり、耐久の高い相手に対しても対応ができる。Vガードを貼ることでミュウVMAXがこれまで耐えられなかった攻撃を耐えるようになっており、再評価がされている。
・ハピナス
当然のようにVガードの恩恵を強く受けており、自身は青天井火力のためスローな環境になればなるほど強く、追い風が吹いている。
また逆に、対Vポケモンに対するヘイトが強くなるとミルタンクへのガードが下がってくるという点もあり、常に環境に睨みを利かせているデッキ。
・ヒスイゾロアークVSTAR
こちらもVガードとセレナによって欲しかったパーツがすべてそろって強化された。1回攻撃を耐えることの恩恵が凄まじい。300をそこまで無理せず出すことができるため、Vガードを付けたVSTARとも戦える。白熱環境で評価を大きく見直した方がいいデッキの一つ。かがやくフーディンの採用も見られた。
・その他
今大会ではほかに、キュレム、ディアルガ、れんげきウーラオスなどの活躍も見られた。先述の通り、セレナとVガードの恩恵を受けたデッキはほかにもまだまだあるはずであり、デッキタイプ同士の関係性が変わるとまだ再評価されるデッキや、アルカナで出た新ポケモンのデッキも出てくる可能性もある。(トゲキッス+チルタリスなど)
総評
確実に対策・練習すべきと思うデッキタイプを最低限に絞って挙げたが、8つになってしまった。しかもロスト軸を無理やり一つにまとめているが、実際はかなりの種類がある。
総じて、PJCS環境のパルキアが頭一つ抜けている環境と比較すると、かなり混沌としており、読みづらい環境と言えそうである。
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