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安倍総理遭難⑤           もうアメリカに併合してもらえばどうか 2022/9/27

 安倍元首相の失ったショックから(求めもされていないのに)、我が国の行く末についての愚考を重ねてきた。最終的な私の結論は、日本国としての独立は断念し、51番目の州として併合してもらうようアメリカに要請するというものである。美しい国は無理だったが、せめて美しい民族として存続できる可能性を残すことが、祖先や子孫に対して申し訳出来るせめてもの策になると考える故である。なぜこのような考えに至ったかの最大の理由は、国葬儀に対する反対論の強さ大きさ、根底にある悪意である。歴史の評価を待つまでもなく、安倍元首相は、現代史においてサッチャーやレーガン、ゴルバチョフ、鄧小平に伍する偉大な「ビジョナリーステイツマン」であり、国史においては、聖徳太子、北条時宗、伊藤博文に並ぶ匡救の大宰相である。吉田茂など足元にも及ばず、数十年後には安倍神社が創建されて然るべき国の恩人だ(その時に日本国があってこその話であるが・・・)。いくら自らの世界観と異なるとしても、そんな安倍元総理を「功罪半ばする」、国葬儀については「国論を二分」としらっと情報操作して世論を歪めようとするマスコミは、職業意識とも良心とも異なる行動原理を有していると見なさざるを得ない。また、そんな誘導に乗せられてしまう愚かな国民が多数存在することは日本人が変質していることを示している。国をよくすることよりも政権の足を引っ張ることが目的化した野党、軽佻浮薄な世論らしきものにおもねる為政者、どれもこれも絶望的である。これでは議会制民主主義は機能しないし、国の抱える課題を解決することは不可能である。各々の健常化には何十年も掛かるほど病巣は大きく深い。超限戦を標榜する覇権国家がこんな好機を見逃す筈はない(むしろその超限戦によってここまで追い込まれたと考えるべきかも知れないが)。素人の私でも、以下のような展開は思いつく。何かしらの方法で経済力や技術力を持つ有力企業を支配下に置く、移民が多数をしめる地域を作る、首長、有力政治家を支配下に置く、スキャンダルなどで政局を流動化させる、インフラ破壊や騒乱で社会不安を煽る。統治能力を徹底的に弱め、国民をヒステリー状態に追い込んだところで、トリックスターを前面に立てて政権奪取させ操る。今の日本は、何も武力を行使せずとも無力化、隷属させることは十分可能な国情である。日本文化を好ましく思う人は世界中に存在するし、日本の持つ技術力や消費力はそれなりの価値もあるだろう。何より日本列島は中国覇権の防波堤であるから、アメリカは武力侵攻された時には、(日本が抗戦すれば)日本防衛を支援してくれるであろう。だが、日本を内から崩壊させようとする超限戦への介入は見送られているように思える。(スパイ、工作員を晒すくらいは出来そうに思うが、米国現政権も工作を受けているのかも知れない)。

 超限戦に依らずとも、日本社会はその健全性を喪失しつつあり弱体化が進んでいる。マスコミによる「一億総白痴化(大宅壮一)」、「ジップンチンシン(日本精神)」の喪失、活力の低下、既得権益勢力の権勢と固着化、政府官僚組織の劣化など総じて好ましくない傾向が強まっている。国際競争における強みは無くなり、社会全体を閉塞感が覆っている。この状況を打開するためには、夢のある国家ビジョンを掲げ、国民全体が新たな方向に向けて為すべき努力を払っていく他ないが、それを主導するリーダーの出現を期待することは難しいし、草の根運動として広がることも想像し難い。ネット空間のファクトファイディングや言論の広がり、若い世代のバイアスのない論考など希望的事象を挙げることが出来たとしても、それらが活性して力を発揮するようになるには、まだ何かが足りない。状況が打開されてゆくよりは、社会の混乱と分断は進み政府が統治能力を失っていく方がはるかにその可能性が高いように思われ、私は悲観の底から這いあがれない。

 文明は衰亡するものであり、日本だけが例外となる理由はない。たとえ自然災害によって国土が灰塵に帰しても、国民が他国に蹂躙されても、後手を踏んでしまった以上は致し方ない。主権者である国民とその子孫がその災厄を引き受ける他ない。この期に及んでは、出来もしない「日本再生・独立堅持」を議論するより、せめて民族とその子孫が健康的で文化的な暮らしができるスキームを考証する段階に入っている。つまり、日本列島とその住民を中国共産党体制下に置くか、アメリカ合衆国に併合してもらうのか、どちらが好ましいかを国民全体で考えてみてはどうであろうか。敗戦国であるから当然ではあるが、戦後日本は、民主主義、自由主義経済、法の支配などの理念をアメリカと共有している。アメリカは圧倒的な軍事力を有し国際政治の超一流プレイヤーであるし、最大の経済力と成長戦略を有している。無能な政府の主権者として苦悩するより、強い国のニューカマーとして身を立ててゆく努力をする方が、今の日本国民には向いているのではなかろうか。アメリカにとっても、日本の資産は邪魔にはならないだろうし、かつての日系移民と同様に良きアメリカ市民を得ることになる。

 日本民族は自身で国と国民を護る気概と能力を失っており、独立を護れそうにない。中国に属領化されるくらいなら、アメリカに併合してもらう方が好ましい。横着者にとっては、独立を護るために苦労するよりも好ましいのではなかろうか。 

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