菓子パン
最近、菓子パンを食べるようになった。それ以前は30年近く食べていなかった。よく食べていたのは中学生時分で、銀色の包装に包まれてエクレアの超巨大バージョンのような「銀チョコ」と、名前は忘れたが、ミスタードーナツのオールドファッションを馬蹄状にねじらせた物、渦巻き状のパンにケロイド状の砂糖がまぶさった物をよく食べていた記憶がある。
が、しかし、同世代の九州男児なら誰しもそうだろうが、菓子パンを食べるなんざぁ男じゃねぇ!という不文律のようなものが九州各地には存在していたので、知らん間に食べなくなっていた。
落語の出番前に楽屋で菓子パンを食べる落語家を見ては、心の中で「菓子パン食べるような奴、絶対おもろいわけがない」と、よくわけのわからん人物評価をしていた。
そう言えば、昔、入門したての芸名もついていないような若手落語家が、師匠にお金を渡されて、「腹減ったから、なんか適当にパン買うてきてくれ」と頼まれ、山のように菓子パンを買ってきて、山のように怒られていたのを見たことがある。「50過ぎたおっさんが、出番前に甘いパンなんか食べるわけないやろ!!」とご立腹だったが、傍目に見て、そりゃそうだ、と思ったものだ。
そんなこんながありながら、ここ最近、子供の朝ごはんに時々、菓子パンを選択することが出てきたので、その流れで30年ぶりぐらいに食べてみることにした。
なかなか美味しい。
そうなると、スーパーでも菓子パンコーナーで目を光らすことも増えてきた。『銀チョコ』はまだ現役バリバリで頑張っている。新製品が星のように現れ、星のように消えていく。なかなか移り変わりの激しい業界のようだ。
話が長くなった。
今回、嫁はんが買うてきたパンの表面にこう書いてあった。
『生地表面の白いつぶつぶは、かためのシュガーですので、ご注意ください』
違和感がある。
なぜ『シュガー』なんだろう。砂糖じゃ駄目なのか。
『ご注意ください』???
この流れでよくあるのは、「製品に問題はございませんので、ご安心してお召し上がりください」でクローズするパターンだ。
けど、ご注意くださいは全くの逆説。注意しなければならないのだ。
何を!!??
わからん。全くもって、わからん。
ん!?
俺、日本語がおかしいって、注意してるぞ、、、。
追記
馬蹄状ではなく、いびつな楕円だった。
もっいっちょ追記
ピンク色の包装が記憶の片隅にあった。