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新刊案内

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桂書房の新刊書籍のみどころを、編集者独自の視点でご紹介します。
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2023年6月の記事一覧

富山廃県の危機!幻の「28道府県」——「山野河海」越中の史的考察 『越中史の探求』城岡朋洋

明治時代に「府県廃置法律案」という法案が作成されていたことをご存じだろうか?  明治時代に、日本を「28道府県」に再編する計画が持ち上がりました。 富山廃県の危機に富山県民はどうしたのか?その行動と考え方を、新刊『越中史の探求』からお届けします。  明治36年(1903)に1道3府43県を1道3府24府県にしようという法案が、第一次桂太郎内閣で閣議決定され、帝国議会に上程されることとなった。  本書で取り上げる富山県(越中)は三度廃県の危機に直面している。  「府県廃

《本》という小さな宇宙に繋ぐ魂。——最初の棟方志功装画本図録 『棟方志功 装画本の世界 —山本コレクションを中心に』 山本正敏

 今年で生誕120年をむかえる棟方志功。全国各地で関連展覧会が開催され、棟方の功績をあらためて振り返る機会が増えている。  棟方志功といえばダイナミックで力強い版画や倭画でよく知られているが、彼の創作宇宙に「装画本」という領域があったのはご存じだろうか。  本書は蒐集家・考古学者の山本正敏氏がおよそ20年かけて集めた棟方志功の装画本を約900点収める、世界初の棟方志功の装画に特化した図録である。  単行本約500点・逐次刊行物約400点を、基本番号、『書名』、著者名もしく