#39 旅恋の注意点と逆ナンの行方（エクアドルの旅）
【前回までのあらすじ：2013年。35歳ヒモ男がバツ２となりホームレスに。行くあてもなく先輩経営者a.k.aアニキに泣きつくと世界一周の旅に放り出されることに。ボゴタで失恋し7ヶ国目エクアドルへ】
最高に楽しく、そして悲しい思い出をつくれたコロンビアの旅。実は裏でサポートをしてくれた１人の男がいる。
そう、いつだって完全試合の裏には信頼の置けるリードをしたキャッチャーが存在するのだ
僕の今回のコロンビア完全試合。（された側だけど）
今日はその裏話を少し書きたい。後半はエクアドルの話。
プレイボール！
僕は旅に出る前、アニキと何度も何度もミーティングを重ね、そして何度も何度も注意されていたことがある。
「旅中、女性の旅人いっぱいいるけど、異性として見るなよ！二人きりで旅することもあるけどマジで対等だし、絶対に勘違いしてセクハラな事を言ったりやったりするなよ！すぐ噂広がるからな！旅人繋がりまくってるから！それやったら嫌われるからな！本気で旅できなくなるからな！」
もう本当に何度も何度も耳にタコができるほど言われていたし、実際にメモも残っていた。
だから本当に今回のコロンビアでの恋は僕にとってはイレギュラーで、起こってはいけなかった事。
実は、僕はコロンビアでアサミとは会えない筈だった。理由は、
日程がタイト過ぎたのだ！
アサミがコロンビアに入る予定はチリで僕らが出会った日から10日後。
僕はその日からアニキから教えてもらったルートでバスで数日間かかるアルゼンチンの最南端の方まで行きペンギンを見て、フィッツロイの山やら、氷河やら見たりして、さらにブエノスアイレスまで行って数泊さらにパラグアイ、イグアスの滝で最大イベントのブラジルの都市を数箇所周らないといけなかった。
コレ、どう考えても普通に旅したら10日間じゃ間に合わない！
なので、普通の旅をやめて全てスっ飛ばすことにしたのだ。
アニキにチリで会った旅人Aの話をした。（もちろん性別は隠した）
旅人Aとは、もっと話しかったし（ぶっちゃけ最初からタイプの女子だったんでそこは隠しながらも）、旅人Aと行くコロンビアは絶対楽しそうだったので、いくつかの旅先を、いや殆ど削ってコロンビアに行きたい旨を熱心に伝えた。（もちろん性別はすぐにバレた）
「すみません、麻美ちゃんとコロンビアで合流したいんで全て吹っ飛ばします！」
「誰だよ、それ！？俺がせっかく色々とお前のこと考えたルートを！ふざけんな！」
「そこをなんとか！！」
「お前、南米まで行って最南端もペンギンもフィッツロイもブエノスもブラジルも行かないって、それアホがすることだろ？？」
「いや、まじで良い子なんですよ！コロンビア一緒に旅したら楽しそうなんです！」
「お前な！！地球の裏側まで行って、なに女のケツ追いかけてるんだよ。バカなのか？？」
「違うんですよ、可愛い子なんですよ！しかも、”コロンビアで合流しよう”とか言ってくれたんですよ！！これは男して行くしか無いっすよ！」
「旅先で、“どこどこで会おう＝おまえに気がある”じゃないから！お前、それでコロンビア行ったらマジでアルゼンチンとかペンギンとかブラジルとかすっ飛ばしたこと絶対後悔するから！あぁ！お前バカだ！！バカなんだな？！！」
「（さっきからペンギンペンギンうるせぇあなぁ。）ぶっちゃけ麻美がタイプなんです。行かせて下さい！！」
「もういいや、なんかお前が可哀想になってきた。逆にお前がコロンビアで後悔するとこ見たいや！もう行っちゃいな。その代わりフィッツロイとブラジルだけは行けよ。10日でなんとかルート組めると思うから。飛びまくるから高くつくけど仕方ないよな？その子にウン万円かけるんだよな！？南米の数々の見どころ ＜ 麻美ちゃんなんだもんな！？」
「はい！有難うございます！」
そう、コロンビア行きを実現させた裏のリード役。それはご想像通り
旅流し執行人、アニキ！
すぐ緊急ミーティングをしてコロンビアに向けルートをキツキツに決め行くべき場所、削る場所をアニキの力を借りてリサーチ＆リストアップ！高い航空券をいくつも買って麻美ちゃんがボゴタに入る日に合わせた。
そして、この日から２週間後アニキの想像通り、僕はコロンビアのエルドラド空港でこの上なく凹むことになる。
NYへ行くAちゃんを見送りたかった僕は、エクアドルの行きの便を同日夕方に取り、出国ゲートへ向かうAちゃんの後ろ姿をずっと涙目で見つめていた。
行ってもうたーーー（TT）
もーやだやだやだ！
さっさと環境を変えたい！
本気で１人になりたい！
お金があったら飛行機の全シート大人買いして１人でエクアドル行きたかった。
それぐらい１人になりたい！
すんごくイジケたい！！
９カ国目、エクアドルのキトの街には21時頃到着した。
バスにすら乗りたくない僕はタクシーに乗り込むと新市街へ向かってくれと頼む。
まず絶対行きたくない場所、それが日本人宿。日本人が１人でもいる宿すら嫌だ。誰とも話したくないし日本語すら耳に入れたくない。
そんな安宿を探すのは簡単だ。
地球の歩き方に書いていない宿にいくだけ。むしろソッチのほうが多いから探すのも簡単だ！
適当な安宿街へ行きホステルの受付に行く。
「個室ありますか？」
「今あるのはドミトリーで１泊５ドルです」
「日本人います？」
「いません」
即チェックインする。するとだ！
僕が真ん中のベッド、隣のベッドがカップル！！
これ、凄くヤダ！それが１番堪えるのよ！
外国人って気にせずとんでもなくイチャイチャするしね！
１５分ぐらいたけど我慢できず出て、違うホステルを探すことにした。
一つ大通りから入ったホステルにたどり着く。
サンライズホステル キレイ 日本人ゼロ。安いし、おすすめ。ネット有り HOTシャワーかなり微妙。
個室は埋まっていて無いが、５ベッドあるドミトリーの部屋が丸ごと空いているという。
ただし、これからお客が来たら、この部屋に入れるらしい。
値段を聞くと１ベッド７ドル。飛行機のシートは大人買い出来ないが、これなら出来ない金額じゃない。
「じゃあ、２０ドル払うから、この部屋全部使わせて！！どうしても１人になりたいんだ」
どんな傷心中でも宿の値引き交渉は忘れない僕。
宿の管理人「うーん、２５ドルでどお？」
「OK, Deal！！」
初めてのドミトリー大人買い！
広い！なんか超嬉しい！！これ気分いい！
物価の安い国でしか出来ない事はやるべきだね(笑)１泊２５ドルは痛いけど、胸の痛みに比べたら全然余裕。
今日は思い切りここで泣こう。荷解きをして一息つく。
はぁ、、、麻美ちゃん。。。。。。
なんかドミトリーになれると１人すごく寂しい！！
同室の人と話すの結構楽しいんだよね。シェアハウスが流行ってるの分かるわぁーー！！誰かお客さん来ないかなーｗ
てか、やっぱりお金返して欲しい！！外からは賑やかな音楽が聞こえてくる。
ラテンの週末はどこも楽しそうだな。でも今の僕は、自分と向き合う時間が絶対に必要なんだ。
ぐ～～っとお腹がなった。そういえば昼からマトモに食べてない。久々の１人飯でもしようと現地の食堂へ入る。
すると
「ここ座っていいか？！」
と眉毛のぶっとい現地人が笑顔で座ってくる！
お前、違うとこ座れよ！店ガラガラなんだから！！
「どっから来たのー？」とか聞かれたり、現地のジュースを奢ってくれたりする。
俺は１人になりたいんだ。しんみりしたいんだよ。適当にご飯を食べてお礼を言って店を出る。
まだ宿に帰る気になれない。ブラブラしてると少し飲みたい気分になった。
フラッとBARに入る。
カウンターに座り、ビールを頼む。
オレも旅に慣れてきたな。
そんな気になれる瞬間だ。
すると、ここでも、すんげぇぇぇ話しかけられるんだけど！！
なんで？エクアドルの人達なんでそんなにフレンドリー？もう、皆エクアドルの素晴らしさを僕に語ってくるね。（こういうの日本も見習いたい！）
BARのカウンターに座ると、隣りにいた女性がひたすら話しかけてくる。その名はジェニー。いつでも街を案内するから気軽に電話して！って番号まで教えてくれた。
初逆ナンか！！？？？
でもなんか全然喜べない。この人と会話するのすら億劫で僕はビールを飲み干すと２杯目にはいかず店を出る。（今考えるとガンガンいっちゃえば良かった！）
相当凹んでるんだな。俺。。
なんか、この国、今の僕にはちょっとキツイのかな。。
先進国に行きたい。
とりあえず、一回先進国の冷たさで癒されたい。
そんな今まで思いもしなかった感情も、旅に出ると気がつける。
せわしなく生きてる先進国の人はブルーな僕をもっと青くさせ、また辺境へ行きたくなる気持ちも復活するだろう。
どーすっかなぁぁぁ。近くの売店でビール数缶買い込んで宿に戻る。
するとだ、また逆ナンに会う！！！しかも美女！！
ええぇぇ、モテ期？！？神様、このタイミング数日遅れてますけど！？！
そして彼女とさらに関係が深まっていくのである。
続きは次回
note更新しています！
目標は週2,3回、、、、テーマは
【旅のこと https://note.com/katsuo81/m/mfbd38c989979】
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